根拠のない自信を子供が持つためには?臨床心理士が分かりやすく解説

2016.11.24公開 2019.05.16更新

カウンセリングをしていると「自信がない…自分を信じられない…自分が大っ嫌い…周りの目や評価が気になる…」という訴えをしばしば聞くことがあります。

 

もちろん、そのことについて一緒に話し合っていきますが、症状が重篤になればなるほど、自信を取り戻していくまでに時間がかかってしまいます。

 

誰しも自信が揺らぐことはあります。

 

今回のテーマである「根拠のない自信」を幼い頃から身に着けていると、様々な困難にぶつかった時に、すぐに自分に原因を持ってくるのではなく(「自分が悪いからだ…」と)、物事を客観的に捉え、自分が何をすべきか考えられるようです。

 

 

根拠のない自信を幼い頃から

「根拠のない自信」というのは、「私はたっぷり愛された。愛される存在だ」という確信です(良い意味での思い込みです)。

 

勉強が出来ても出来なくても、美人でも美人でなくても、親に愛された。それが、何があってもものおじすることのない自信につながります。

 

ものおじしない子は、オドオドした子よりずっと人と接する機会が多いため、ますます確かな「愛される」自信をつくっていきます。こうしたよい循環の基礎をつくるのが親の役割でもあります。

 

 

親はバカくらいでいい

「親バカ」といいますが、親はバカくらいでいいように思います。「うちの子が一番かわいい。他人が見てもかわいいのは当たり前だ!」くらいに思っているのでちょうど良いのかもしれません。

 

「こんなかわいい子じゃ、神様が早く連れて行ってしまうのではないか」などと心配する。他人から見たら「大丈夫だよ、そんなの連れて行かないよ」と忠告したくなるような子でも、親はそう思っている。

 

こういう家庭の子は、心が健康に育っていくように思います。親というのは本来そういうものだと思います。

 

 

「自分は幸福で運がよい」

人間が二足歩行するのは当たり前なのに、「立った、立った」「歩いた、歩いた」といって大騒ぎする。「よくできた、よくできた」といっておだてる。

 

「お前は愛されて当たり前なんだ。大事にされて当然なんだ。そうじゃないという人がいたら、その人のほうがおかしい」と可愛がり、「自分は幸福で運がよい」と子どもに思い込ませることこそ、親の仕事であり、「根拠のない自信」を子どもに植え付けることができるんだと思います。

 

 

【記事提供】

佐藤文昭 臨床心理士

おやこ心理相談室 室長

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  • 本記事は2016年11月24日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。