「自分はダメ人間」と思う心理とは?親子関係から臨床心理士が分かりやすく解説

2016.11.25公開 2018.11.15更新
 

 

子ども時代に親からひどい仕打ちを受けたり、明らかに親から受け入れてもらえなかったり、愛されなかった子どもは、「自分が悪かったからだ・・」と思うようになります。

 

親の態度や言葉は、親自身が想像する以上に、子どもを縛るものです。

 

 

親子関係が与える影響

まず、子供は「親が悪いからだ」とは決して思いません。というよりも思えないのです。

 

どんなにひどい親でも、子どもはその親に「愛されたい」その一心なのです。

 

そこで、子どもは「自分の努力が足りなかったから、ダメな子だったから愛されなかったんだ」と思うようになります。これが原点となり、自分を責めて、より「良い子」になるための「しなくてもいい努力」を始めます。

 

 

「悪い子」としての自分

周りを見れば、みんな自分より素晴らしく見える。そこで、「私はどうしてこんなに何もできなくて、ダメなやつなんだ・・・」と自己嫌悪に陥ってしまうのです。

 

「悪い子」である自分を責めて、否定的な自分のイメージを作り出します。

 

親に絶えず命令されたり、叩かれて育った子どもは、自分は命令されたり、殴られたりしなければ、何もできない愚か者だと思うようになります。

 

 

「自分はダメだ」が精神疾患に

ところが大人になって、いざ命令したり殴る人がいなくなるとどうなるでしょうか。

 

誰にもコントロールされないと不安になってくるので、自分で色々なルールを作り出して、自分で自分を激しく責め立てるようになります。

 

根底には「自分はダメだ」という自尊心の低さがあるので、結局、他人に見捨てられて嫌われる恐怖心を抱いています。

 

そんな彼らに「どうして自分のことをそんなにダメだと思うのか?」という質問を投げかけてみると、そのほとんどは「自分が太っているから・・・暗いから・・・何もできない無能な人間だから・・」などと答えます。

 

たとえば、「太っているから自分は嫌われる」と思い込んだ人は、食事計画やダイエットに明け暮れ、摂食障害への扉をたたきます。

 

「私はブスだから誰にも愛されない。普通の結婚なんてできっこない!」と思い込んでいる女性もいます。決して醜いわけではないのですが、自分でそう思い込んでいるのです。

 

そのような女性にアプローチしてくる男性も少なくありませんが、異性はみんな身体目当てであったり、憐みの目で近寄ってきていると思ってしまうのです。

 

自分のありのままを愛しているから近づいてくるのだとは決して思えません。

 

 

根拠のない自信を

このように心の病の原点には、必ずと言っていいほど、「自分はダメだ」という自責感(=自己肯定感の低さ)があります。

 

そして、それは多くの場合、親に「お前はダメだ!もっと頑張れ!」と言われ続けたり、親からの過大な期待に答えられなかった時に抱いてしまうのです。

 

「そのままのあなたでいいんだよ。あなたはそのままで愛される価値のある人間だよ」という無条件の愛を注ぎ、「根拠のない自信」を持たせてあげることができるかがポイントになります。

根拠のない自信を子供が持つためには?臨床心理士が分かりやすく解説』参照

 

これは子どもが小学校高学年以上になると、親にも子どもにも恥ずかしさが出てくるので難しくなってしまいます。できれば子どもが思春期に入ってしまうまでの段階に、「根拠のない自信」を持たせてあげたいものです。

 

 

【記事提供】

佐藤文昭 臨床心理士

おやこ心理相談室 室長

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