普段ならイライラすることじゃないのに…易刺激性・易怒性とどう向き合ってる?

イライラの抑え方、付き合い方

近藤
時間が解決する部分もあると思いますが、イライラをどのようにしてコントロールしているんでしょうか?
中安さん
今の自分の状況を客観視することを大事にしています。イライラしているのは本当の自分じゃなくて、症状でそうなっているんだ。そう意識しながら生活するようにしています。
近藤
イライラしている時の客観視って難しいイメージありますが、具体的にどんなことをしてるですか?
中安さん
一番活用しているのはTwitterです。
近藤
え、Twitterですか?
中安さん
投稿はせず、書いたものをスクショだけ撮っておいて、◯月◯日はこういう状態だったとメモ代わりにしています。
近藤
書いたものを見返すときはどうやってるんですか?
中安さん
文字に吐き出して深呼吸をして、数分後に見直します。それを繰り返していたら、自然と客観的に見れるようになりました。
近藤
書いたものを見ている時は、もう気持ちも収まっているんですか?
中安さん
書いた時点である程度落ち着いていますね。自分にとっては書くことが大事なんだなって思います。

 

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近藤
書くことで気持ちが落ち着いて、読み返すことで客観視できるんですね。
中安さん
そうですね。書いて読み返すことで自分の状態を把握することが大事かなと思います。
 
私の場合は毎月同じ時期に症状が出るので、先月のページを読んでみると「同じ時期にイライラしてたんだなぁ」ってわかるんです。
 
それを見て、性格じゃなくてやっぱり症状の一種なんだと安心することができます。「本当の自分じゃないんだから大丈夫」って。
近藤
症状だからしょうがない、って思える判断材料になるわけですね。
中安さん
ここ1,2年ですけどね、そう思えるようになったのは。それまでは自責の念が強かったです。
 
割り切れるようになったきっかけはTwitterが大きいですね。人と関わるようになってからです。
近藤
人と関わるようになってから割り切れた?
中安さん
私だけじゃないんだ、同じ症状で悩んでいる人がいるんだって思ったからです。
 
書いたことに加えて、同じような人がいることで勇気をもらえて、病気も前向きに捉えられるようになりました。良い意味で開き直れた感じです。
宇都さん
中安さんも最初に仰ってましたが、イライラする相手や物事と向き合ってる時間はもったいないと思うんですよね。
 
ちょっとイライラしているなって気付いたら、楽しいとかワクワクする感情が出る行動を取りたいです。
中安さん
自分のやりたいことやって、食べたいもの食べて寝る。そうすれば大抵翌日には落ち着いてます。
 
すぐに切り替えられるというより、徐々に緩和されていく感じです。

 

イライラしているときの周囲との関わり方

近藤
イライラしている時は放っといてほしいと意見がありましたが、「今、イライラしてるから放っておいて」って言います?
宇都さん
言えないです…。イライラしてるっていう感情を言ってしまうと相手も構えてしまうから、怒りとは違う形で伝えるようにしています。
近藤
具体的にどのように伝えているんですか?
宇都さん
怒りは「二次感情」だと聞いたことがあります。例えば、楽しみにしていたことが実現しなくなったから怒りに変わるとか。
 
なので怒りを伝えるのではなく、楽しみにしていたことを伝えられれば良いのかなと思います。

 

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近藤
たしかに、イライラの元になっていることを伝えたほうが、トゲにはならないですよね。
中安さん
私の場合は、イライラでもうつ症状でも「体調が悪い」と伝えます。
 
「ちょっと今日体調悪いから」って言えば察してくれます。予防線を張るような感じですね。
近藤
「体調が悪い」ってトゲになる言葉ではないですし、万能ワードかもしれませんね。
 
ところで、放っておく以外に周りができることってないですかね?

(一同)うーん…

林田さん
放っとくのが最善です(笑)。
中安さん
お互いが傷つかないために良いと思います。
近藤
イライラした本人が時間をかけて、気持ちを落ち着かせていくのが一番ということですね。

 

逆にイライラをぶつけられたらどうする?

近藤
逆のパターンで、周囲からイライラをぶつけられたらどうしますか?例えば会社の上司とか同僚とか。
中安さん
深い付き合いをしない、ですかね。必要最低限のときだけコミュニケーションを取るとか。
宇都さん
病気でそういう症状なんだっていう見方をすれば、自分を責めることにはならないのかなと思いました。
近藤
実際にそういった状況に遭遇したことってあります?
宇都さん
当事者の方と一定期間、一緒に活動していたのですが、今振り返ると「易刺激性や易怒性だったのかも」という人がいました。
 
初対面では普通でしたが、あるときから僕の言動全てに文句を言ってくるようになりました。
 
距離を置けない活動でどうしようもなかったので、「嫌われてるなぁ」と落ち込むし苦しかったですね。
近藤
そんなときに誰かに助けを求めたりは?
宇都さん
あくまでチーム活動についての話し合いの中だったのですが、「何をきっかけに態度が変わってしまったのか」はわかるようになりました。
近藤
どんなきっかけだったんでしょう?
宇都さん
資料を作る活動で、その相手が「このフォーマットで資料を作って」とチームに送ったんですが、宛先に僕だけ抜けていたんです。
 
それで僕だけ全然違うフォーマットで資料を作ってしまって。
近藤
コミュニケーションの行き違いで誤解が生じてしまった感じですね。
宇都さん
結局、その行き違いについて話すことはできたんですが、関係が修復することはありませんでした。
近藤
相手も振り上げた拳をどう降ろしたらいいかわからない部分もあったんでしょうね…。
林田さん
私は攻撃されたら、逆に戦ってしまうこともあるんですよね。逃げられるなら逃げたいですけど。
近藤
逃走か闘争ってやつですね。逃げられずに闘争を選んでしまうこともあるんですね。
宇都さん
妥協できる部分と自分が譲れない部分があると思うんです。
 
それぞれの落とし所を見つけてうまく折り合いをつけられれば、関係が破綻せずにやっていけると思うので、お互いの話をちゃんと聞くことは解決の第一歩だと感じています。
近藤
お互いに言い分がありますし、一方的なコミュニケーションの怖さを実感させられますね。
宇都さん
100%相手がどっちが正しいかなんてことは無いと思うので。
中安さん
そうですね。あとは、信頼できる人に相談したり、とにかくひとりで考え込まないようにしています。
 
ひとりでいると、どうしてもイライラが自責感に変わってくるので。自分が仕事できないからかなぁとか。
 
人に相談することで客観的な意見をもらえるから、その後イライラをぶつけられてもあまり気にしなくて済んだり、気持ちの切り替えができるので、人に頼るってことをしていましたね。

 

もし職場でイライラが爆発したらどうする?

近藤
もし仮に職場で自分のイライラが爆発して、それを職場の人にも見られている状況になってしまった場合、皆さんならどうされますか?
林田さん
一晩寝れば、イライラもクールダウンするので、翌日にちゃんと謝ると思います。どんな理由があるにせよ、声を荒げたりしてしまったら、自分にも非があると思うので。
宇都さん
相談できる人がいれば、間を取り持ってもらうのが理想かなと思います。
 
僕自身、少数のチームで働くことがばかりだったので、相談できる人がいなかったんですよね。これからは相談できる相手を増やしていきたいと思います。

 

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中安さん
私の場合、もし爆発したら翌日に病気のことを打ち明けます。
 
言い訳に聞こえたとしても、そういう症状が今後出てしまった時のためにもなりますし、事実を伝えるのは大事だと思うので。全部伝えたうえでやはり謝ることも必要かと思います。
近藤
たしかに、少々面倒であっても症状であることを伝えたほうが今後のためにもなりますよね。
中安さん
じゃないと、ただただ怒りっぽい人だと思われるので(笑)。
近藤
家族なら放っとくことで解決できるけど、職場はそうはいかないですもんね。
 
職場でイライラが爆発してしまったとき、周りはどう対応するのがいいと思いますか?
中安さん
難しいですけど、普段どおりに接してもらうのが一番です。あくまでもそういう症状だから、とあまり気を遣わずに振る舞ってもらうのが理想だと思います。

 

謝っておきたい人、いますか?

近藤
この座談会で色々と振り返っていただきましたが、こっそり謝っておきたい人っていますか?
林田さん
やっぱり、母ですね。勝手にピリピリして怒っていたけど、あなたに非がないことばかりでした。ごめんなさい…。
宇都さん
僕は前職の上司ですかね、急に休んでしまったので…。
中安さん
私はやっぱり両親です。そういうつもりはなくても、時期によっては素っ気ない態度とか出ちゃっていたので。コントロールできないことも伝えてはいるけど、そこは本当に申し訳ないなと思います。

 

振り返ると意外とあったイライラエピソード

近藤
今回のテーマ、いかがでした?話してみると意外と色んなエピソードがありましたね。
林田さん
テーマに設定されなければ、過去のイライラに目を向けることもなかったですね。「あの時期すごくイラついてたなぁ」って気付けた部分はありました。
近藤
ひとりで過去のイライラを内省することって、なかなか無いかもですね。
中安さん
易刺激性や易怒性というテーマで話すことってあまりないと思うんですよ。だからこそ対処法がわからない方も多いはずなので、今回の記事を読むことで、何かを掴むきっかけになってくれればと思います。
近藤
そうですね!今日はいろいろなお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!

 

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近藤雄太郎

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  • 本記事は2019年9月30日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。