「不登校を面白い人生の幕開けに」【河合未緒さん Part3】

2016.12.23公開 2017.06.19更新
 
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自分の原点って何だろう?

社会人になって、一回会社を辞めて留学をして、自分自身を見つめ直す機会があったんです。

 

留学と言っても「これからの日本は英語が使えなきゃだめだ」と思って半年くらい。結局話せないまま帰ってきてしまったんですが、その時に、自分の原点は何だろうと考えたことがあったんです。

 

そうしたら、不登校の経験が自分の人生の中で大きな割合を占めているなと。

 

そんな時、あるつながりで引きこもりの支援をしている会社の社長さんとお話をしたんですが、引きこもりの人たちが増えてきているという話をされて。

 

もともと中学校のときに引きこもっていたので、そういう子どもたちをどうすれば良いのか、という相談に乗ったことがありました。

 

その時、自分の気持ちが一番熱くなれた気がしたんです。

 

困っている人たち、自分と同じ悩みを抱えている人たちを助けたい、という思いが私の原点だったんです。

 

 

不登校の人が集まるようなサイトがあれば

私も不登校だった中学生の時、家にこもってずっとインターネットをやっていた経験がありますが、「どこかに自分と同じ人がいないかな」と思っていたことがありました。

 

やっぱり、悩んでいる人たちは、自分と同じ悩みを抱えている人と共感したいし、誰かに相談したい。親とか友だちは分かってくれないから、このつらい状況を誰かに分かって欲しい、と思っています。

 

私もそうで、不登校の人が集まるようなサイトがあればいいな、と思っていました。

 

当時はなかったのですが、今はいろんな情報があふれているので、もしかしてあるのかなと調べてみると、やはりまだなくて。

 

それで、自分で不登校の人が集まって気軽に相談したり仲間を見つけられるサイトを作ったんです。

 

 

苦しむ期間を短くしたい

たくさんの方にインタビューをしていて感じることなのですが、不登校の経験者の中には、自分が不登校だったことをそこまで意識していなく、助けたいという気持ちも芽生えない人もいます。

 

そういう人たちの親は、そもそも学校なんて行かなくて良いから、って言っていたそうです。「あなたは自分を守るために学校へ行かないんだからね」みたいな感じで、すぐにほかの学校に転校したり。

 

だから、悩んでいる時間が少ないんですよね。不登校だったことに対して、そこまで思い悩んでいない。

 

逆に私は、あの時誰も助けてくれなかった、ということがずっと心に引っかかっていて、辛かった思いを忘れることができませんでした。

 

苦しんだ期間が長かったからこそ、同じように困っている人に何かやらなきゃ、という気持ちが高まったんだと思います。

 

 

ウェブの場で出来ることを

相談する相手というのは、リアルな場だとどうしても身近な人になってしまうし、なかなか信頼できる人は見つけにくい。

 

でも、誰か一人でも自分のことを分かってくれる人がいれば、不登校の人たちは救われるんです。

 

今運営している「Clue」というサイトは、不登校に関して悩んでいる子や親と元経験者のマッチングサイトです。

 

経験者にネット上で無料で相談が出来ます。簡単に説明すると後輩が先輩に相談できるサイトですね。

 

相性が良さそうだったら実際に会ってみましょう、というような流れになります。いきなりリアルで会うこともないので、じっくりとお互いの信頼関係を育んでいけるのもメリットです。

 

 

少しでも気持ちが楽になってくれれば

サイトを立ち上げたばかりなので、登録者数も少ないのですが、支援して欲しい人よりも支援したい側の人の登録が多いですね。

 

困っている人の相談に乗りたい人、不登校の経験がある人、カウンセラーの人などがいます。

 

そういうサイトの現状を受けて感じるのは、つらい経験をした人は、その分、誰かを助けてあげたいと思うのかなって。それって素晴らしいことですよね。

 

まだサイトの存在を知らない方も多いと思うので、これからはもっと多くの人にこのサイトを知ってもらいたいんです。

 

とにかくこういうサイトがあるんだよ、ということを知ってもらって、悩みを相談して欲しいですね。

 

サイトで悩みを相談することで少しでも気持ちが楽になってくれれば良いな、と思います。

 

 

個性を伸ばせない環境なんて

社会人は転職できますよね。自分で働く会社を選べるじゃないですか。

 

でも、何で子どもは学校を選べないのでしょう。義務教育の時は絶対決められたところに行かなければならない。

 

そもそも自分で選んでいるわけではなくて、行かなきゃいけない、という風になっているから、学校に行きたくなくなったり、行けなくなったりするのではないでしょうか。

 

今は、情報社会。今後、ますますたくさんの情報であふれ返って、いろんな選択肢が生まれてきますよね。

 

だから、子どもが義務教育の学校を自分で選べない、といったそこだけ古風な現状には違和感を感じています。

 

先生も別に同じ人じゃなくても良いですよね。大学みたいにいろんな先生がいても良いと思います。教科書通りのことをやるよりも、もっと考える授業を取り入れても良いと思いますし。

 

会社でも、個性がなかったり能力がなければ首を切られる時代なのに、なぜ学校はいまだに全体教育を主流にしているのでしょう。個性を伸ばせない環境、そいうやり方自体が古いのではないでしょうか。

 

 

勇気を持って悩みを伝えてほしい

今、不登校で苦しんでいる人に伝えたいのは、まずは悩みがあったら相談してください、ということ。

 

思い悩むことがあるのなら、自分で抱え込まないで誰かに相談した方がいいと思います。

 

やっぱり、自分で悩みを抱え込んじゃうと、気付かないうちにどんどん精神的に負担がかかってしまって手遅れになることも多いんです。

 

だからと言って、なかなか信頼できるカウンセラーに出会うのは大変ですが、インターネットの世界ならリアルの世界よりも多くの人に出会える分、信頼できる人と巡り合える確率も高いですよね。

 

自分の悩みを一人でも多くの人に勇気を持って悩みを伝えるというのが、前進する第一歩だと思います。

 

私が不登校で悩んでいた中学生の時は、このようなサイトがなかったので、良いカウンセラーさんとも出会えなかったんです。

 

田舎でしたのでね、ただずっと無言で過ごす…というようなカウンセリングを受けたことがあります。

 

きっと、話を聞いてあげることが良いことだ、みたいな感じで教わってきたんだと思うんです。でもそれが私にとっては地獄のような時間で(笑)。

 

もっと上手く話を聞き出してくれれば、状況が少しは変わっていたんじゃないかな、とも思うのですが。

 

友人や先生とか身近な人に相談する場合も同じで、精神的な病を抱えている人とのカウンセリングは、そういう事例に慣れている人じゃないと難しい場合もあります。

 

よっぽど信用できる人だったら良いのですが、経験が少ない人と話すと相談した側が余計に病んでしまうこともあるからです。

 

だからこそ、ネットをどんどん活用して欲しいと思っています。私のサイトにもカウンセラーさんが登録していますし、不登校という同じ体験をした方も登録しています。

 

みんな、困っている人を助けたいという思いは同じ。サイトを活用して、悩みを相談して信頼できる人を見つけてもらえればうれしいです。

 

そして一人でも多くの子どもが、このサービスを通して助けられた、と感じてくれれば良いな、と思います。

(河合未緒さんインタビュー完)

 

 

河合さんが取り組む活動

不登校インタビューメディアLoad

不登校生のためのマッチングサイトClue

 

 

 

インタビューを受けてくださる方、募集中です

臨床心理士、精神保健福祉士、看護師、保健師、産業カウンセラー、支援機関の職員など、すでに多くの方にインタビューを行っています。ご自身が、有名かどうか、権威かどうかは関係ありません。

 

また、精神疾患などの当事者の方、メンタルヘルスや人間関係でお悩みの方などのインタビューも行っております。

 

これまでの経験・取り組みや、ご自身の想いを読者に届けていただき、Remeのミッションである「こころの専門家へのアクセスの向上」「こころの健康に関するリテラシーの向上」の実現のために、お力をお貸しいただけますと幸いです。

 

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