聞き上手になるには?明日からできる簡単テクニックをご紹介!

2017.01.13公開 2019.05.16更新

相手との適切な距離と体の向き

自分の話を聞いてもらっているとき、熱心に聞いてもらっていても、妙に距離が近かったり遠かったりすると、話しにくさを感じませんか?

 

聞き上手になるには、相手との心地よい距離感をつかむことが大切になります。

 

相手との適切な距離感は、その関係性によって変わります。

 

親密な関係なほど距離は狭くなり、あまり親しくない人ほど広くなります。

 

相手との適切な距離を測るには、心と体をリラックスさせることが大切です。

 

緊張していると、腰が引けて距離を取りすぎてしまうことが多く、興奮していると、熱くなりすぎて、体を乗り出しがちになり、距離が近づきすぎてしまうことが多いのです。

 

相手の話を聞くとき、相手との距離が近すぎたり遠すぎたりしないか、相手が話しづらそうにしていないか注意深く観察してみましょう。

 

相手がリラックスして話すことができる距離こそ適切な距離感です。

 

適切な距離感を測ることができたら、次は体の向きに注意を向けてみましょう。

 

相手は隣で話しているのに、自分の体は正面を向いている、ということはないですか?

 

話を聞くのに、体の向きも重要な要素となります。

 

自分に向かって体ごと向いて聞いてくれる人ほど、話をちゃんと聞いてくれているという印象を持たれやすいのです。

 

相手の話を聞くときには、お腹を相手に向けるようにして体の向きを調整しましょう。

 

そうすることで、「私はあなたの話を聞いていますよ」とアピールすることができます。

 

聞き上手の人は、聞くのに適した距離感や身体の向きを無意識に身に着けていると考えられます。

 

 

相手の呼吸に合わせて共感する

ここからは少し上級のテクニック、「共感」についてご紹介します。

 

共感というのは、相手の気持ちに寄り添って、相手に感情移入することをいいます。

 

共感とは意外と難しいものです。

 

なぜなら、人によって物事に対する考え方は千差万別にもかかわらず、自分が体験したわけではないことを話だけで想像しなければならないからです。

 

聞き上手の人は、この共感を自然にやってのけていると考えられます。

 

聞き上手の人ほど、相手の話を否定せず、「うんうん」と聞いてくれるのです。

 

鴻上尚史氏は著書『コミュニケイションのレッスン 聞く・話す・交渉する』の中で、共感するのには、相手と呼吸を合わせることが有効だと述べています。

 

相手に合わせて呼吸をすることで、なんとなく相手の精神状態が伝わってくるような気がするのです。

 

例えば、せわしく浅い呼吸なら不安や恐怖を感じている、鼻息が荒い感じなら怒り、穏やかで深い呼吸ならリラックスしている…というように。

 

相手の感情がなんとなくわかれば、その人の話に感情移入しやすくなります。

 

また、それ以外にも、相手と同じようなテンションで反応する、というのも効果的です。

 

相手がとても興奮して勢いよく話しているのなら、あいづちも勢いよく元気に返す。

 

相手が落ち込んでいるのなら、こちらも深刻そうな感じであいづちを打つ、といった感じです。

 

これは「ペーシング」という会話の技法で、鴻上氏も同書の中で紹介しています。

 

 

「聞く」態度を整える

ここまで、聞き上手になるためのいくつかのテクニックを紹介してきました。

 

言葉のチョイスや距離感、体の向き、共感…

 

意外と簡単なことを少し変えるだけで聞く態度は随分と変わって見えるものです。

 

普段から少し意識して、話を「聞く態度」を整えてみましょう。

 

それこそが聞き上手への第一歩です。

 

自分の「聞く態度」を見直して一緒に聞き上手を目指しましょう。

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杉山崇

臨床心理士

神奈川大学人間科学部 教授

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2017年1月13日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。