家族会とは?対象・支援内容・費用・申請方法・事例を専門家が解説

2017.01.19公開 2017.03.21更新
 
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家族会とは?

精神疾患は誰でもなり得る病気ですが、その治療や回復には長い期間を費やさなくてはならないことが多々あります。

 

それだけに、当人だけではなく、彼らを抱える家族も共に悩んだり、不安になったり、何らかのアドバイスが欲しいと思うこともあるでしょう。

 

当人を理解しながら家族の心身の健康をも守るには、家族に対するサポートが欠かせません。ここでは、彼らを対象とした「家族会」についてお話します。

 

 

家族会の対象

精神疾患を持つ人を抱える家族の方が対象です。また、医師などの専門家から、当人の病気の理解に対してや接し方を学びたい方。

 

および、家族だからこそ悩んでしまう課題や問題を、同じ立場にいる人たちに打ち明けながら、交流を持ちたい方。

 

 

家族会の支援内容

家族会の発足は、今から約40年以上前。当時は精神疾患についての理解が浅く、彼らを支える家族の悩みを相談する場所がほとんどなかったと言われています。

 

そんな中、一部の病院や保健所が家族のための学習会を開いたことが、家族会が広まるきっかけでした。

 

今では、家族会の種類も多岐に渡り、家族同士が語り合う機能や情報交換の場という相互支援の役割、家族の病気に関する知識を学んだり、活用できる制度を知るという学習的役割、社会資源の開発や作業所運営、広報・啓発活動などの社会的運動の役割を主に行っています。

 

家族会が開催される場所も、医療機関の一室や市町村の会議室、家族自らが立ち上げた作業所内などで展開されています。開催頻度は、月に1~2回という場合が多いようです。

 

 

家族会の費用

家族会の費用は、多くの場合、高価な額を必要とすることはありません。無料で行われることもありますし、会員同士が少額のお金を積み立て、その中から運営される場合などがあります。

 

 

家族会の申請方法、利用方法

家族会は、病院自体が運営しているものもあれば、個人が運営しているものもあるため、気になる家族会の情報を得たら、その運営母体や担当者に連絡を取ってみると良いでしょう。

 

そこで、参加方法や詳細を教えてくれます。まず、どこから手を付けていいか分からないときは、当事者のかかりつけ病院の主治医に尋ねてみたり、市役所などで情報収集をすると見つけやすいと思います。

 

 

 

家族会に該当する事例

【Aさん20代女性】姉が統合失調症

Aさんは、統合失調症の姉がいますが、今まで家族と離れて1人暮らしをしていたため、姉のことにはほとんど携わっていませんでした。

 

ですが、転勤のため地元に戻ることになり、姉と一緒に実家で過ごすことになりました。Aさんの姉の病状は落ち着いてはいますが、時々意味不明な言葉を叫んだり、シーツを大量に便座に入れ、トイレを故障させたりなどの行動を取ることがありました。

 

Aさんは、病気だとは知りながらも、長年離れて暮らしていた姉の言動に対して、どう接して良いか分からず悩んでいました。また、姉に良かれと思って言ったことが、姉の気持ちを傷つけることもありました。

 

両親は姉の状況に対して上手く対応していたため、Aさんは両親にアドバイスを乞うこともありました。それにより、随分姉へ対する対応が把握できたAさんですが、両親以外にも姉のことについて相談したり、アドバイスを受ける機会が欲しいと思うようになりました。

 

そのことを両親に相談したところ、両親が定期的に参加している家族会に今度出席してみてはどうかということだったので、姉のかかりつけ病院で開催されている家族会に参加。

 

Aさんの姉のような家族を持つ参加者がそこにはたくさんおり、Aさんは姉の病状についての理解や悩み、不安などについて受ちあけ、同じ状況にいる参加者から色々なアドバイスをもらいました。

 

心が穏やかになったAさんは、月に1度の家族会に定期的に参加するようになり、今では個人的に姉のことを相談できる仲間もできました。

 

 

【Bさん70代男性】妻が認知症

Bさんは、軽度認知症の妻と2人暮らしです。妻はBさんのことは覚えていますが、言ったことをよく忘れたり、食器をゴミ箱に捨てたりという行動が目立つので、ついイライラし妻に怒鳴ってしまうことがありました。

 

妻はその瞬間は、「ごめんなさい」と謝るものの、また時が経つと、同じような言動の繰り返しでした。認知症とは理解していながらも、妻から目が離せないBさんは彼女に感情的になってしまう気持ちを拭い去ることができませんでした。

 

このままではいけないと思ったBさんは、妻の主治医に相談すると、市役所で開催されている認知症専門の家族会の参加を勧められ、参加してみることになりました。

 

月に1回行われている家族会では、認知症の専門職者が認知症患者への感情の寄り添い方や、彼らが言っていることを否定しないことなど、認知症の知識や理解について詳しく教えてくれました。

 

また、月ごとに「認知症についての勉強会」や「認知症患者を抱える家族とのグループワーク」などテーマを変えてくれるので、認知症について幅広く理解ができるようになり、自分も楽になったことで妻との関係もギクシャクすることが少なくなりつつあります。

 

 

家族会の注意事項

家族会は、全国で1600にのぼり、各都道府県に設置されている言われていますが、どうしても都心に偏りがちな点があります。

 

そのため、地方に住んでいる方は、家族会が県内にあっても自宅から遠方で通うだけでも大変だという問題も出てくるでしょう。

 

その場合は、個別に医療スタッフなどに相談をすることもできると思いますので、尋ねてみて下さいね。

 

 

Misudu Kukita【執筆者】

久木田みすづ 精神保健福祉士 社会福祉士

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