
「親が精神疾患。でも病識ない」家族はどうアプローチしてる?病識は育てるべき?
目次
病識がない家族に受診してもらうには?

気になるのは、病識がないのに、病院には行ってくれるんだ!ということなんですよ。自分は病気だと思っていないのに病院に行くって、どうしてなんですかね?
双極性障害の治療に行くというより、「今つらいから、受診して治してもらおう」と思っている感じ。ご飯が食べられなかったり、眠れなかったりするから。




でも、受診してくれるときは精神科に行くんですよね?「なんで精神科なんだ!」と言われたりしないですか?




その後も、病院に進んで行くことはあまりないですね。周りが「そろそろ診療だから病院行こう?」と促して、行ってもらう感じ。





私たちにも不信感が出てしまえば、言っても聞いてくれなくなるだろうな~と心配な気持ちはあります。そこは、母の愛を信じるしかないですね。

病識がないことで困ったことはある?

躁状態で受診したときに、母が「最近上がっていて」と言ったことに、「上がってるって言うな!」と怒ってしまったらしくて…。






双極性障害という診断名は、数年前に父も聞いているのに、昨年だったかの診察中に「先生!それで、自分は結局なんの病気なんですか?」と聞いたらしいんですよ。


病識がなくても治療をすることはできるけど、病識があれば治療にも積極的になるのかなと思います。
早めに寝るとか、体を動かすとか、周りが促しきれない部分はやっぱりあるから。




「早く寝たほうがいいんじゃない?」って気を使って言ったことで、「うるさいなぁ」って顔をされたりとか。それが、もっと大きな言い合いになってしまうこともありましたね。


くまのさんは、お母さまに病識がないことで困ったことはありますか?


錠剤だったら、たぶんまた飲まなくなってしまうと思います。


あとは、診察に積極的になってくれないことは困るかも…。病院の先生にも「大丈夫です、別に変わりないです」しか言わなくて、診察にならないことも多々あったんですよ。


実のある診察になりにくいというのは、困ったなぁって感じですね。

病識がない家族への接し方はどうしてる?



そうじゃなくて、「そういうことされると私が悲しいから、やめてほしい」と伝えるんです。




「あなたのためを思って言ってるの!」より、「私のためにやって♡」と言うほうが、父には効くのかも。最近習得した技です。笑



くまのさんは、お母さまが錠剤を飲まなくなってしまったとき、どうやって接してました?
「薬飲んでないらしいじゃん?飲もうよ~」くらいです。



最近、言葉だけで相手を変えるのって、そもそも無理なんじゃないかと思ってて。私も、誰かの言葉だけで、自分の行動を変えるのってあまりないので…。



そもそも、自分が母の考えを変えようとは思っていないんです。昔は、母の被害妄想に対して「気にしすぎだよ、そんなわけないじゃん!」と否定してしまったこともあって。


薬を飲まないことに関しても、「駄目じゃん!」と言うことはないです。否定はしないけど、飲んでほしいから飲んでね~って感じ。


病識は必要?病識を持ってほしいと家族は思ってる?



病気の治療を積極的にすることも、病気だからできない。それに対して、「できないじゃん!」と言うのは、そもそもナンセンスかなって。


でも、結局うまくいかなくて。これだけ言ってもいい方向に進まないなら、無理に押し付けるのではなくて、今つらいことを取り除いてあげることを大切にしたほうがいいんじゃないかなって。最近はそう思うようになりました。


家族の負担は、もちろんあるんですけど。


もちろん、本人的にも病識があったほうが治療が進むと思うし、周りのサポートも楽になると思うんです。
でも、無理に病識を持たせようとして、お互いに苦しくなってしまうのは本末転倒な気がして。


お互いにストレスがない方法を選んだ結果、病識がなくても生活ができていればいい、に考え方が変わったんです。


どちらが合っているかは各家庭によって違うと思うので、合っているほうを選べばいいんじゃないかなぁ。

でも、病人である前に、その人はひとりの人間だから。
病気を治すことばかり考えずに、その人が自分らしく生きるために、周りはなにができるかなと考えたほうがいいと思っています。





ご本人に病識があっても、周囲との関係性がないと、治療も進まないような…。


いやぁ、今回も詳しくお話しいただいてありがとうございました!

病識があることで、治療がスムーズに進むのは、きっとその通りなんだろうなと感じます。ただ、「病識を育てる」ことにフォーカスを当てすぎて、お互いが苦しくなってしまうことは避けたいなとも、今回の座談会で強く思いました。
「病人である前に、その人はひとりの人間」のミルコさんの言葉を忘れずに、どの立場でもストレスが少ない選択肢を、″家庭ごと″に選んでいくことが大切なのではないでしょうか。
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- 本記事は2019年11月17日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。