当事者会とは?対象・支援内容・費用・申請方法・事例を専門家が解説

2017.01.21公開 2017.03.21更新
 
シェア
ツイート
はてブ
お気に入り
共感
1

当事者会とは?

精神疾患を抱える家族のための「家族会」はよく耳にしますが、当事者を対象とする「当事者会」はご存知ですか?

 

精神疾患を抱える方は、その家族はもちろんのこと、当時者も真剣な悩みや問題を抱えているケースが多いものです。

 

そこで、全国のさまざまな場所では当時者を支援する場所として当事者会が展開されています。ここでは、「当事者会」についてご紹介します。

 

 

当事者会の対象

精神疾患を持ち、自分自身の悩みや問題などを同じ障害を持つ仲間と分かち合い、地域社会に対して病気への理解や偏見をなくすために活動したい方。

 

 

当事者会の支援内容

同じ精神疾患を持つ仲間とともに、自分の悩みを分かち合ったり、相手の相談にのるなどの体験を通して、相互扶助の関係を築いたり、専門家を呼んで、病気や薬の知識、利用できる制度などについて学んだりします。

 

また、当事者自身が市役所などで病気に関する講演会を開き、地域社会の人々に、病気への理解や差別をなくすための啓発活動を行います。

 

当事者会が開かれる場所はさまざまで、病院や作業所などの一角や市役所、各当事者グループが指定するところなどがあります。

 

 

当事者会の費用

無料で参加できる場所や会費制、低額の利用料などさまざまです。多くの場合は、高額な費用はかかっていないようです。

 

 

当事者会の申請方法、利用方法

当事者会は、病院や施設、地域社会、市役所、個人などさまざまな場所で開催されていますので、当事者会に参加したい方は、それぞれの窓口に問い合わせをしてみると良いでしょう。

 

また、主治医や医療スタッフがそれらの情報を知っている可能性も高いので、彼らに尋ねてみると良い情報が手に入るかもしれません。

 

 

当事者会に該当する事例 

【Aさん50代男性】統合失調症

Aさんは、通院治療を続けながら、ディケアに通い生活しています。統合失調症の症状は適切な治療を行っているためほとんど出現せず、地域で生活するようになってから、すでに約20年が経過しています。

 

ただ、1人暮らしのAさんは、アパートを借りる際に病気のことを大家さんに理解されないことが多く、今まで何度か入居を断られた体験があります。

 

今のアパートに住んですでに10年が経ちますが、入居当時は主治医や専門スタッフの協力や支援に助けてもらいながら、無事に入居ができました。

 

現在では、大家さんもAさんのことを理解してくれているので、良好な関係を保っています。

 

ですが、ディケアの仲間たちが障害を理由に、アパートの入居を断られたという話を時々耳にするAさんは、自分の頃と何も社会は変わっていないと感じ、地域社会の人たちに自分たちの障害への理解を促す活動を、当事者自身が行っていく必要があると感じました。

 

そのため、そのような活動ができる場所がないかとディケアスタッフに相談すると、当事者会を勧められ、市役所で開催されている会に参加。

 

メンバーたちは、自分と同じ経験をしている人たちも多く、お互いの気持ちを共感しあう体験も今まで以上にできるようになりました。

 

そして、半年に1回ほどメンバー同士で地域の公民館や市役所で、障害を理解してもらうための講演活動も行っています。Aさんもじきに自分の経験を発表する機会を持つ予定です。

 

 

【Bさん20代女性】双極性障害

Bさんは、両親とともに実家で生活し、短期のアルバイトを時々しながら暮らしています。

 

通院治療を行っているので、症状が激しく出ることはないのですが、調子が良くなると服薬を勝手に中断してしまう癖があります。

 

そのときは、気分が落ち込みがちになり、アルバイトを辞めてしまったり、躁状態になったときは自分が何でも出来る気持ちになり、大量に買い物をしてしまい、後で金銭に困る事態になるなどの問題を抱えていました。

 

この様子を見ていた両親は、Bさんに自身の病気のことをもっと理解する必要があると感じ、主治医に相談。

 

すると、主治医は、Bさんが病気の詳細やそれに対する考え方、注意点などを双極性障害専門の当事者会で学んでみてはどうかとアドバイスされました。

 

それを両親はBさんに伝えると、Bさんも興味を持ち、市役所にそのような当事者会がどこかで開催されていないかを尋ねてみました。近郊の市役所で当事者会があることが分り、早速参加してみました。

 

その当事者会は、精神医療分野に精通している専門家を月替わりで呼び、病気について医学的観点からや生活的観点などから説明してくれるものでした。

 

そこでBさんは、自分の調子が良くなっても、服薬を続ける必要性があること、そうしないと症状が悪くなってしまい、他人も自分自身も傷つけてしまう可能性があることがよく理解できるようになりました。

 

その後もBさんは、定期的に当事者会への参加を続けています。

 

 

当事者会の注意事項

当事者会は、同じ精神疾患を抱える方たちにとって、心強いネットワークです。ですが、まだ全体的には当事者会の数は少なく、自分が住んでいる場所の近くに適する当事者会があるとは限りません。

 

自分で当事者会を探すことに限界を感じたら、市役所や保健所に地域の当事者会の情報を尋ねてみることがおすすめです。

 

 

Misudu Kukita【執筆者】

久木田みすづ 精神保健福祉士 社会福祉士

シェア
ツイート
はてブ
お気に入り
共感
1

関連記事