過食症を治療する3つの方法とは?看護師&心理相談員が解説

2017.02.15公開
 
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過食症とは、食べたい衝動を抑えきれずに、大量の食べ物を摂取してしまう摂食障害の一つです。

 

短時間で異常なほどの食べ物を「詰め込む」ため、満腹・空腹という感覚だけでは「食べる」という行為を抑えきれない状態のことを指します。

 

別名を、「神経性大食症」と呼ばれ、対人関係などのストレスが原因で起こることも多いといわれています。

 

過食症の治療は、薬物療法だけでなく、カウンセリングなどの支持療法などが効果的と言われています。あなたを苦しめる過食症についての知識と、その治療法について解説します。

 

 

過食症とは?

主な過食症の診断基準としては、

 

・2時間以内の短期間で、異常なほどの食べ物を一気に食べる

・食べている間は、食べる行為をコントロールできない

・体重増加を防ぐために、嘔吐や下剤の使用、絶食や過激な運動などを繰り返す

・自己評価として体型や体重の影響について過剰なほど気にする

 

などがあります。

 

そのため、過食だけでなく、過食と拒食を繰り返すパターンも人も多くいます。「食べる」という行動を、自分でコントロールできなくなってしまった状態が過食症なのです。

 

 

過食症になる原因は?

過食症の原因にも、いくつかあげることができます。

 

 

現在起きている人間関係などのストレス

学校や職場、恋人などの人間関係や、仕事内容に関するストレスがきっかけで過食が起こることがあります。

 

何か嫌なことがあり、そのことを我慢することによって、ため込んだ負の感情が食べるという行動を引き起こすことがあります。

 

 

社会不安障害

社会に出ること、自分が他人にどう思われているかなどの不安が、過食を引き起こすことがあります。

 

例えば、「痩せれば社会に出ることができる」と思っているのに、過食がやめられずに、体重が増加しているなどの場合には、社会に出たくないために過食行動をとってしまう心理が働いていることになります。

 

 

過去の囚われ

子供のころの体験や、知らず知らずに身についた認知のゆがみや考え方が原因で、過食症になることがあります。忘れたい記憶や、傷つき体験などがある場合です。

 

この場合にも、隠された負の感情が、過食という行動を起こすことになります。

 

 

うつ病

過食の原因に、うつ病が隠れていることもあります。

 

イライラして気落ちが落ち着かない、感情のコントロールができないなどの気持ちを、「過食」という行為で紛らわせたり、発作的に甘いものを食べてしまったりすることがあります。

 

 

以上のように、過食症の原因も様々ですが、根本的に体が食べ物を欲しているというよりも、食べるという行為で「心が満たされたい」と思いがベースにあります。

 

過食症が、ストレスと関係が強いのも、納得できますよね。

 

では、過食症を治療するには、どんな方法があるのでしょうか。

 

 

過食症を治す方法とは?

過食症を治す方法は、いくつかありますが、今回は「薬物療法」「認知行動療法」「集団療法」についてご説明します。

 

 

薬物療法

過食という行為の裏にうつ病や不安障害などが隠れている場合があります。そのため、向精神薬を適切な時期に使用することで、過食という行為が軽減することがあります。

 

また、不安が強くなると、過食という行動をとってしまうパターンの患者さんに対しては、抗不安薬が効果を得ることもあります。

 

ですが、薬物療法は一時的な症状の改善は見られても、根本的な原因を解決するわけではないため、カウンセリングなどの支持療法の併用が必要とされます。

 

 

認知行動療法

過食症に効果がある治療法として、認知行動療法があります。

 

過食症に陥ってしまう方は、

 

・完璧主義や低い自己評価、自分の感情のコントロールができない

・対人関係などにつまずきやすい

・体重や体型などへの強いこだわりなどを持っている方

 

などが多いといわれています。

 

そのため、常に心に強い負の感情を持ちつつ、同時に「何とか自分をコントロールしなければ」という過剰な自己抑制が働くため、そのバランスが崩れることによって「食べ続ける」という自己コントロールが効かない行為に走ってしまいます。

 

そして、「食べてしまった」ことで、さらに罪悪感や自己否定が強くなり悪循環に陥ってしまうのです。

 

認知行動療法は、この体重や体型へのこだわりや、自己評価の低さ、人間関係でのまずさに対して、アプローチを行い、認知のゆがみを修正していくのです。

 

まずは、食習慣について、正常化していきます。

 

過食をするという行為をやめさせるというよりも、その前提にある「無理な食事制限」などがあることを、本人に気づいてもらい、正常な食事時間と食事量について身に付けていきます。

 

栄養についての知識についても知ってもらいます。

 

そして、食事という行動を正常化するとともに、心の中にある自分の認知のゆがみについても、本人自身が気付けるようにサポートします。

 

多くの場合、過食症などの摂食障害を持つ方は、自分の気持ちや体型などの認識が、客観的にとらえられず、ゆがんだ認識を持っていることがあります。

 

そのため、自分の物ごとのとらえ方などを、話すことや文章に表現することで、客観的にとらえられるようにしていきます。

 

認知行動療法は、ある程度期間は必要としますが、自分のこだわりや人間関係などでの癖を客観的に知ることができ、同じようなストレスや躓きが起こった場合に「過食」以外の対処法をとることができるようになります。

 

また、自己理解を深めることで、適切な自己評価ができるようになり、自己否定せずに、生きやすくなります。

 

 

集団療法

薬物療法や認知行動療法によって、過食行動が落ち着き始めた後に、集団療法でサポートする方法も、効果があるといわれています。

 

集団療法は、セルフヘルプグループセラピーとも呼ばれ、同じ病気で苦しむ人たちが集まり、その気持ちや体験を話し合い、「自助」することで立ち直っていく治療法の一つです。

 

同じ症状で苦しむ人の気持ちは、同じ体験の人でしか癒されない場合もあります。

 

また、「本当に自分は立ち直れるのだろうか?」という不安に対して、立ち直った経験者の言葉は未来の自分をイメージするのにとても役に立ちます。

 

また、ストレスがかかった時に「過食をしないで頑張ろう」と、共に支えあえる仲間がいることは、心の支えになります。

 

集団療法を行っている場所は限られますが、同じ症状で苦しむ人と話してみたいと思うときには、ネットで調べて直接連絡を取る方法や、かかっている医療機関から情報を得ることもできます。

 

 

まとめ

過食症の診断基準と、原因であるストレス・社会不安障害・過去の囚われ・うつ病について、3つの代表的な治療法として「薬物療法」「認知行動療法」「集団療法」について解説してきました。

 

過食症は、心の負の感情があふれて、「食べ続ける」という行為として現れた心の病気の一つです。

 

大切なことは、過食であることを認識し、信頼できる医療者やカウンセラーと巡り合うことから始まります。

 

あなたの心の中にある職場や仕事、家族や恋人との人間関係でのストレス、過去の体験や自己概念との葛藤などについて、自分自身が気づき、食べ続ける行動をとらなくなるためには、あなたが安心して話せる場所を見つけることが大切です。

 

あなたときちんと向き合い、話し合える医療者やカウンセラーを信じて、過食症を治療してください。

 

きっと、あなたらしく生きる方法が見つかり、過食症からさよならできます!

 

 

【執筆者】

村松真実 看護師・心理相談員

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