障害者就業生活支援センターとは?対象・支援内容・費用・申請方法・事例を社会福祉士が解説

2017.02.20公開 2019.05.16更新

障害者就業生活支援センターの費用

相談や助言を受ける際に費用はかかりませんが、職場訓練や実習の際の交通費や食事などは自己負担となるケースが多いです。

 

障害者就業生活支援センターの申請方法、利用方法

各々がサービスを受けたいと思う障害者就業生活支援センターへ出向き、窓口にて申し込みを行うことが基本です。

 

スムーズにサービスを受けるためには、事前に訪問する日の予約をしておくことがおすすめです。

 

 

障害者就業生活支援センターに該当する事例

【40代女性】双極性障害

Aさんは、双極性障害を抱えながら月に1回通院治療を行っています。

 

また、簿記の資格を持っているAさんは、さまざまな企業の事務として、病気を隠して就職するものの、躁状態の時はウキウキした気持ちが抑えきれなくなります。

 

そのため、仕事を無断で休み、大量に洋服を買ったり、高級レストランで食事をしたり、高い受講料の自己啓発セミナーなどに参加することが多くあります。

 

結果、給料をすぐに使い果たしてしまい、会社側からも解雇され、カードローンが溜まってしまったり、光熱費さえ支払えなくなるという生活スタイルを繰り返していました。

 

今まで何度も、休むときは会社に連絡をしなければと思いながらも、目先のことに気が取られ会社をないがしろにしたり、お金を自己管理できなくなり、使い果たしてしまいたい欲求にかられることで悩んでいました。

 

そして、また2ヶ月務めた会社を先日退職してしまったばかりでした。

 

通院日になり、主治医にまた自分の悪いクセが出てしまったことを相談したAさん。

 

主治医も、今まで何回もアドバイスしましたが、その約束を守ることができないこともあり、これは精神論で解決できる問題ではないと判断し、近くの障害者就業生活支援センターに行ってみてはどうかと提案。

 

この状況を打破したいAさんは、インターネットで、ある障害者就業生活支援センターを検索し、事前に電話で大まかに相談内容を伝え、相談日の予約を取りました。

 

相談日当日、センターの職員に仕事が続かないことや金銭管理が上手くできないことをAさんは、詳しく話しました。

 

すると職員から「病気を隠して働くのを辞め、理解してもらった上で働くことのできる企業を選んだり、障害者のための就労制度を利用してみてはどうか」

 

「生活面での金銭管理ができないのなら、センター職員が定期的にAさん宅に訪問し、一緒に管理して行くのはどうか」

 

などの提案をされ、今まで自分の人生さえまともに考えたことがなかったということに気づき、恥ずかしくもなりました。

 

そこで、Aさんは自分の疾患を伝えた上で今度は就職してみることを決めました。

 

センター職員はAさんの主治医とも連携を取り、Aさんは疲れたり、働きすぎたときに躁状態になりやすいという情報をもらいました。

 

そこで、フルタイムで働き続けるのではなく、まずは週10時間から、始められる精神障害者ステップアップ雇用制度を使い、資格が活かせる事務職として働くことを提案。

 

また、1週間に1回Aさん宅を訪問し、一緒に金銭管理を行うこと、今までのフルタイムの仕事と比べたら給料が安くなるだろうことを配慮して、障害年金の申請をし、後の生活費などはそれでまかなうことのプランを立ててもらい、それを実行してみることになりました。

その後のAさんの歩み

Aさんは、精神障害者ステップアップ雇用制度を利用し、就職した会社で働くようになりました。

 

フルタイムでの勤務と比べると疲れを感じることが少なくなったことから、以前より躁状態になる頻度も減少してきています。

 

また、Aさんの疾患を職場のメンバーは理解しているため、躁状態になっているだろう時には、仕事が乱雑になっていないかを職場のみんなで確認し合うという作業を一緒に行うようにしています。

 

また、週に1回センターの職員がAさん宅を訪問し、一緒に金銭管理をし、必要ではない出費は控えるよう、一緒に家計簿を付けたり、銀行からこれ以上は引き出さないという額を決めて、それを1週間継続できるかを繰り返し行っています。

 

また、障害年金の申請で、Aさんは2級という申請が通ったため、現在の給料と年金を合わせて生活費のことを考えることができるようになりつつあります。

 

まだ、完璧にはできないことも多いですが、今までのスタイルを変えたことで、確かにAさんは新しい人生プランを開拓しつつあります。

 

 

障害者就業生活支援センターの注意事項

障害者就業生活支援センターのサービスは、主に就職やそれに伴う生活上の助言などを行うことです。

 

ただ、中には就職に対する職業あっせんはしていないセンターもありますので、事前に目ぼしいセンターに確認しておくと良いでしょう。

 

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久木田みすづ

精神保健福祉士 社会福祉士

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