地震の避難時、心を病まないための3つの心構えとは?看護師&心理相談員が解説

2017.03.10公開 2017.04.01更新
 
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地震という非常事態は、今までの生活基盤が揺らぐ時でもあります。

 

心身ともにストレスがかかり、その苦悩に耐えられずに心を病んでしまう方もいます。

 

ストレスが強い地震の避難時とその生活で、心を強く保つ心構えとしては、

 

「自分を責めない」

「体を動かす」

「つらさを共有する」

 

ことが大切になります。

 

大きな災害を経験すると、心が過去に囚われ、前を向くことが難しくなることがあります。そこで今回は、覚えておいてほしい3つの心構えについてご説明します。

 

 

地震の避難時の心構え

自分を責めない

地震が起こり、避難するまでの道のりや避難生活の中でも、想定外の事態に遭遇することがあります。

 

例えば、途中で家族とはぐれてしまった、近所の方の悲鳴が聞こえたけれど助けられなかったなど、心が壊れそうな出来事もあります。

 

ですが、地震の被害は、どんなに準備を万全にしても、人の想像を超えるパワーで大きな被害を受けることもあります。

 

自分の命を守ることで精一杯なこともあり得るのです。

 

だからこそ、「あの時、引き返していれば」「一人で逃げてしまって…」と、自分一人で避難してしまったことを責める必要はありません。

 

医療者であっても、二次災害が起こる可能性がある場合には撤退することが原則です。

 

自分たちが被害を受けることは自分の命を含め、他の助けられる命が助けられなくなるからです。

 

地震の避難は、非常時です。誰かに責められることも、自分を責める必要もないのです。

 

また、避難所でも同様です。自分がいることで迷惑が掛かると、体調が悪いことを隠す方もおられます。

 

ですが、せっかく避難し、安全な場所まで逃れてきたのです。早めに援助を求め、苦痛から回復し、そのあとで誰かの助けとなればよいのです。

 

自分を責めるよりも自分の命を大切にすること、その心構えを持つことが、とても大切です。

 

 

体を動かす

地震から避難して、避難所などに身を寄せた後、そのまま避難所にすわったまま動かくなる人がいます。地震のショックと、これからの不安で、心と体が動けなくなってしまうのです。

 

ですが、できれば避難所にいる間でも、自分たちができることをする心構えを持つことが大切です。

 

体を動かすことは、脳に刺激を与え、不安や恐怖に思考が停止したままでいることを防ぐ効果があります。

 

被災者と呼ばれる立場であり、サポートする人も続々と入ってきますが、自分自身でも何かをすること、体を動かすこと、その心構えを持つことが、心が病まないために大切になります。

 

高齢の方であっても、朝起きて体を動かす、避難所の中で何かを手伝うことで、筋力低下も防げますし、孤立することも避けることができます。

 

心身共にストレスがかかるからこそ、「体を動かすことで、心を動かす」心構えが大切なのです。

 

 

つらさを共有する

地震を経験し、避難する体験は、被害が大きいほど苦しくつらい体験になります。そのつらさをため込むことは、心を病んでしまうことにつながります。

 

そのため、つらさを吐き出すこと、同じ体験をした方と思いを共有することが、心のつらさを軽くすることに役立ちます。

 

地震から避難した後は、心の専門家も現地に入っています。

 

心がつらい、眠れない、食事がとれないなどの症状がある場合には、心の専門家に早めに相談することも、心を病まないために心構えになります。

 

ですが、大切なことは「無理に話さない」ことです。

 

人には、心の均衡を「話さない」ことで保つ方もいます。私もその傾向があり、誰にでも話すことはできませんし、話すまでの時間も必要です。

 

「話さなければ」と思って、心のつらさは吐き出すものではなく、話せるようになったら話せばよいのです。

 

ですが、つらい思いを抱え込みすぎることは、体の不調をより重くすることになります。

 

「眠れない」「食欲がない」という体のつらさを誰かに伝え、そこから徐々に心のつらさを吐き出したり、周囲に人とつらさを共有しあい心を癒して欲しいと思います。

 

地震を体験した医療者の方の語りを共有した際に感じたことは、熊本地震を経験した方は、1年以内でも「経験を語りたい」と話し、自分の体験を語るまでの期間が短く、心の整理もついていました。

 

しかし、東日本大震災を経験した医療者の方は、3年を経過した時点でも、涙ぐみながら話す方もいました。

 

大きな災害ほど、心のつらさを言葉にすることで心が揺らぐ体験になります。

 

ですが、心がつらいことを伝えることで、それだけ早くサポートを受けることにつながり、心を保つ方法を知ることができます。

 

「自分だけが辛いわけではない」と我慢するのではなく、「自分以外にも辛い体験をした人がいる」ことを共有しあうことで、つらさが軽くなるのです。

 

地震の避難体験を苦しいものだけにしないためにつらさを吐き出すことを、心を病まないための心構えとして覚えておいてください。

 

 

まとめ

地震の避難時と避難生活の中で、心を強く保つ3つの心構えとしては、

 

「自分を責めない」

「体を動かす」

「つらさを共有する」

 

です。

 

心の重荷を自分一人で抱え込むのではなく、心の専門家や同じ体験をした人と分かち合い、あなたの心を守っていきましょう!

 

 

【執筆者】

村松真実 看護師・心理相談員

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