自分の好きに向き合うには?【鈴木茂義さん 第2回】

2017.03.16公開 2017.05.13更新
 
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心から好きなことは何ですか?

僕は一時期、この質問に答えられないときがありましたが、あなたはどうでしょうか?

 

ブロッコリーの塩ゆで、母の作るピーマンの肉詰め、レンコンのカレー、昼から飲むビール、代々木公園、新宿御苑、桜、晴れた日の散歩、電車の旅、時刻表、空港と飛行機、沖縄の八重山諸島、北海道の十勝地方、フィンランドのヘルシンキ、オーストラリアのメルボルン、水のある風景、神社、部屋の片づけ、掃除、洗濯ものを干す、南東向きの部屋、劇団四季のミュージカル、映画、卓球、スカッシュ、布団でゆっくり寝ること…

 

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代々木公園の河津桜。大好きな公園の1つです。

 

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2月に出かけた広島の宮島・厳島神社。「かきめし」「あなごめし」を買ってご機嫌です。

 

今ではこうして、好きなことをすらすらと挙げることができます。

 

しかし、仕事で忙しい日々を過ごしていると、「好き」や「嫌い」を考えたり感じたりする暇もない生活になりがちでした。

 

 

好きなことを答えられなかった自分

好きなものを自由に答えられない自分に、ショックを受けました。

 

好きなものを考えるなんてとてもワクワクする時間なのに、それができないなんて。自分はどうかしてしまったのだろうかと、考えたことすらありました。

 

いま振り返ってみると、「心から好きなものは何ですか?」と自分に問いかけることすら忘れてしまっていたし、自分の心の声を聴くことも忘れてしまっていたのだと思います。

 

 

自分よりも相手が大事?

仕事や家族のことで忙しくなると、とかく自分のことが後回しになります。

 

また、私たちは子どものころから「自分の心よりも、人の心を大切にしなさい、相手のことを考えなさい。」と教えられることが多かったのではないでしょうか?

 

また、日本には「滅私奉公」(私利私欲を捨てて、主人や公のために忠誠を尽くすこと)という四字熟語も存在します。

 

私自身も小学校で仕事をしながら、子どもたちに向かって、そう言ってばかりいる時期もありました。

 

いつしか、自分の心は置いてけぼりになり、自分の好きなものすら言えないようになってしまいました。

 

 

相手の心も自分の心も大事

でも、あるとき気づいたのです。

 

相手の心はもちろん大事です。でも、自分の心も同じくらい大事です。

 

相手の心を満たすために、私たちはたくさん時間もパワーも使ってきました。それと同じくらい、自分の心を満たすために時間もパワーも使おうと。

 

まずは自分の心に、改めて質問をしてみました。

 

「心から好きなものは何ですか?」

「僕は誰が好きですか?」

「僕は誰と一緒にいると心が安らぎますか?」

「何をしているときが1番ワクワクしますか?」

 

なかなかすぐには、答えられるようにはなりませんでした。しかし、焦らず自問自答を繰り返しました。

 

日常生活で、何か心が動いたときに、「あ!そうだ!これが好きだったのだ!」と再び気づくこともできるようになってきました。(ちなみに今日のお昼に、オクラのサラダを食べたのですが、オクラが大好きなことを思い出しました。笑)

 

 

「好き」に正直だった子どもの頃

子どもの頃は、

 

「女の子の〇〇ちゃんが好き!」

「ドラゴンボールが好き!」

「サッカー野球が好き!」

 

と、いとも簡単に言えていました。(ゲイである僕は、男の子の〇〇ちゃんが好き!とは言えなかったですが…笑)

 

 

今はある程度、ゲイであることのカミングアウトができているので、「あの俳優が好き」とか「あのさわやかな男性アナウンサーが好き」と言えるようになりました。

 

でも、いつからか、好きなものを好きと言えなくなっていたり、好きなものを好きと言うことに、勇気が必要になっていた自分がいました。

 

 

誰かに見られる自分に支配される

「〇〇が好きと言ったら、変な奴だとおもわれるのではないだろうか?」

「みんなに嫌われないために、とりあえず〇〇が好きと言っておこう。」

 

というように、誰かに見られる自分、誰かに評価される自分に支配されてしまっていたのですね。

 

「自分がどうありたいか」よりも、「他人にとって自分がどうあるべきか、どうあらねばならぬか」というところに自分の軸が動いていました。

 

 

「ねば・べき」からの脱却

そこから、自分の軸を取り戻す作業と練習が始まりました。もともとは、自分に軸があったと思います。

 

それが動いてしまったのなら、もう一度その軸を自分の場所に取り戻すこともできると思います。

 

「自分の心の声に耳を傾けながら」

「自分の本当に好きなものを確認し」

「自分や人に、私は〇〇が好きと言ってみる」

 

僕もいま、練習しているところです。

 

 

先生は心から好きな仕事

私は去年の3月まで、正規の小学校の先生を14年間やっていました。去年の今頃は6年生を担任していて、卒業式に向けて毎日せわしなく仕事をしていました。

 

今は働き方を少しコンパクトにして、非常勤講師として働いています。収入はかなり下がりましたが、時間的には大きな余裕が生まれました。

 

時間ができたおかげで、今までなかなか会えなかった人に会うことができつつあります。また、なかなか行けなかったイベントやセミナーに参加することもできるようになりました。

 

正規教員の頃は、授業準備の大変さや子ども同士のトラブルの解決に、先生の仕事が辛くなってしまうこともありました。

 

しかし、子どもたちとの日々の授業は、とても充実していて楽しかったのです。

 

こうやって振り返ってみると、僕は結局、どこまでいっても先生であり、先生の仕事が好きなのだと再確認することができました。

 

 

さいごに

今回は、「心から好きなものは何ですか?」をキーワードにお話をしてきました。いかがでしたか?

 

もし、自分の好きなことを向き合えずに悩んでいたとしても、自分の軸を取り戻すことができると思います。

 

「自分の心の声に耳を傾けながら」

「自分の本当に好きなものを確認し」

「自分や人に、私は〇〇が好きと言ってみる」

 

こういった心がけを通じて、もともとあった自分の軸や新たな自分の軸の発見に役立つかもしれません。

 

あ!

 

最後に僕の心から好きなものとして、「卒業式の後に立派に巣立っていく子どもたち」「社会人になった教え子との同窓会」を追加しておきます。

 

また次回の記事も、お楽しみに!

 

 

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【執筆】

鈴木茂義  東京都の区立小学校非常勤講師

専門は小学校全科、特別支援教育、教育相談、教育カウンセリングなど。茨城県、北海道、東京都で小学校勤務を経て現職。教育研究会や教育センターでの講師経験も多い。児童生徒へ性の多様性や生き方を伝えるため、2016年にゲイであることをカミングアウト。小学校勤務の傍ら、LGBTと教育に関する講演活動を行っている。

 

▼第1回の記事はこちら▼

 

 

鈴木さんインタビューはこちら

【第1話】LGBTと向き合う小学校の先生…学生時代に味わった性への葛藤とは?

【第2話】ゲイをカミングアウト…その時の率直な思いや周囲の反応とは?

【第3話】ゲイを告白して激怒された話と素朴な想い

【第4話】世の中には色んな人がいることをポジティブに伝えたい

 

 

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