【カウンセリングの効果】8つの疑問に論文を用いて臨床心理士に答えてもらいました

2020.04.10公開 2020.05.07更新

カウンセリングで話す内容って?

近藤
カウンセリングで話す内容はどんなことですか?どこまで話すべきでしょうか?
藤本さん
基本的にどんなことでも大丈夫、というと迷うかもしれませんね。

 

でも実際、どんなことでも大丈夫です。カウンセラー側から聞きたいことがあれば尋ねます。

近藤
カウンセラーから質問してくれると話しやすいかもですね。
藤本さん
答えたくない場合には「答えたくない」というのがあなたの答え。

 

それを正直に伝えてもらえると、とても助かります。

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近藤
そこはちゃんと言ったほうが良いんですね。
藤本さん
カウンセラーは、その「答えたくない」という気持ちや事柄に関して、必要があれば分析をしていきます。

 

そこに問題が隠れていることもあります。

近藤
なるほど。
藤本さん
なので、安心して話したいこと、そして話したくないことを選びながら話して頂ければと思います。
近藤
話すのが苦手だから、カウンセリングは行きたくないという人もいますよね。
藤本さん
カウンセリングというと話さなければいけないイメージが強いですもんね。

 

でも話すだけではなく、絵を一緒に描いて眺めてみたり、何かを一緒に作ったりするセラピーもあります。

 

最近流行りのマインドフルネス呼吸法を一緒に練習して、ただ自分の体の感覚に注意を向けてみるというようなことも可能です。

近藤
話を聴いたり、絵を一緒に描いたり、何を一緒に作ったり。

 

カウンセラーはそれで何を知ろうとしてるんですか?

藤本さん
性格をガラリと変えるというよりも、

 

・その人の持ってる力で今何ができるのか

 

・持ってはいるけど使えてないものがないか

 

などを探していくイメージですね。

近藤
何か具体的な例など教えてもらってもいいでしょうか?
藤本さん
例えば、よく聞く「いつも心配だ」「いつも寝れない」といった言葉。

 

「いつも」と縛っている人が少なくないですが、よく聞いてみると、そうではない時間もあるんですよね。

 

では、心配だったり寝れない時間とそうではない時間は何が違うのか、そういうところを聞いていきます。

近藤
たしかに無意識のうちに「こうだ!」と決めつけちゃってることもありますよね。
藤本さん
はい。ですので、「あなたが思ってることは本当なの?」ということを丁寧に確認していきながら、本当の部分に気づいてもらうという感じです。
近藤
問題の原因を探っていくわけではないんですね。
藤本さん
そうですね。

 

原因ではなく、変化できるところを探していきます。

 

原因って過去じゃないですか。過去は変えられないから、今変えられるところに目を向けることを意識しています。

近藤
たしかに過去の事実は変えられないですが、過去の事実への考え方は変えられますよね?
藤本さん
可能か不可能かと聞かれれば可能です。

 

でも、考え方を変えるって難しくないですか?

近藤
そうですよね…
藤本さん
そこで、その「考え」は一旦置いておこうという技法もあります。
近藤
え、ぜひ教えてください!
藤本さん
第三世代の認知行動療法と呼ばれる、アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)というものです。
近藤
ア・ク・トですか?
藤本さん
はい。

 

すごく簡単に説明すると、自分のネガティブな考え方や感情ではなく、自分の大切にしていることを明確にして、その大切なことを達成するためにできることをひたすらやっていこうとするセラピーです。

近藤
ふむふむ。でもそれで今の不安感やうつっぽさの問題が軽減されるのでしょうか?
藤本さん
このセラピーでは、不安を下げるためではないのですが、自分のやりたいことに意識を向けて進んでいくことで、不安の存在を忘れることができるんですよ。

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近藤
なるほど。不安を消そうと頑張れば頑張るほど、かえって不安が意識されてしまう…ということもありますもんね。
藤本さん
そうなんです。

 

例えば、「家族のために何かしたい」という人なら、家族のために料理を作ってあげたり掃除をしたり。

 

そういった「価値」に基づいた行動をしていくことで不安とうまく付き合うという考え方ですね。

近藤
アクト、初めて聞きましたが何か良さそうですね!
藤本さん
アクトについては、また別の機会に詳しくお伝えできればと思っています。

 

ひたすら傾聴されるカウンセリングって?

近藤
たまに、ひたすら話を聞かれるだけでカウンセリングが終わった…という声も聞きます。
藤本さん
まず、カウンセリングの流れとして、基本的に初回はどうしても聞くことが多くなります。
近藤
カウンセリングを進めていく上で、問診的なやり取りはたしかに必要そうですね。
藤本さん
その中で、「何回くらいで改善したいと思っていますか?」というのも聞くようにしています。
近藤
それは1回で改善することに越したことはないですよね…
藤本さん
「できれば、1回で」という方には、

 

「全部は変えられないかもしれないけど、こういうことができるかもしれない」

 

と提案までして終わることはあります。

 

でもそれが全てではないから、「続けるかどうかは、今回お伝えしたことを試してみてからでいいですよ」と言います。

近藤
それだと安心ですね。

 

ちなみに、2回目以降も傾聴中心になるカウンセリングってあるんですか?

藤本さん
セラピストの反応の仕方には、傾聴、励まし、質問・助言、身体接触などと様々な方法があります。

 

ですので、カウンセラーとクライエントさんの信頼関係を作る上で傾聴が必要な場面もあります。

近藤
たしかにそれは理解できるのですが、「お金を払って、ただ話を聞いてもらった」では満足しないという人も多いのではないでしょうか?
藤本さん
お金を払ってカウンセリングを受ける以上、すぐにでも役立つ助言や方法を教えて欲しいという感覚は、ある意味当然だと思います。
近藤
ですよね…。
藤本さん
これについては、カウンセラーがどういったプランを持ってカウンセリングに臨んでいるかを説明する責任があると思います。

 

例えば、「あなたは話すことで自分で整理する力があるから、まずは話を聞きますね」といった説明も傾聴を続ける場合、必要になってくるのかなと。

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近藤
大まかであっても、カウンセリングの見通しを知れると、カウンセリングを受ける人にとっても安心になりますよね。
藤本さん
一方で、傾聴が自殺行為や自殺願望の克服に役立つという知見もあります*9)。

 

「死にたい」という気持ちについてとにかく聞いてもらいたいという思いがそこにはあるからかもしれません。

近藤
傾聴そのものがダメなわけではなく、抱えている問題などによってはむしろ傾聴が中心になることもあるということですね。

 

カウンセラーと相性が悪い…意味ないと感じる場合は?

近藤
カウンセリング始めたけど意味ないと感じたり、カウンセラーと相性が悪いと感じた場合、どうしたら良いのでしょうか?
藤本さん
カウンセラーと相性が悪いかもしれないと思うのは、思っていたカウンセリングと違っていたり、状態がむしろ悪化しているように感じるときだと思います。

 

とても言いづらいかもしれませんが…そのことをぜひカウンセラーに伝えてみてください。

近藤
なかなか言いづらくないですか?

 

「カウンセラーが怒ってしまうのではないか」と不安に思う方もいるとは思いますが。

藤本さん
耳が痛いような話もカウンセラーなら、それこそ「傾聴」してくれるはずです。

 

また、「うまくいっていないよ」などのアラートを出すことで、カウンセリングの効果が上がるという研究もあるんですよ*10)。

近藤
それなら勇気を出して、言ってみたほうが良さそうですね。
藤本さん
そうですね。

 

あなたがなぜそう感じているかをこれまでのセラピーの経緯を見直したり、アセスメントをし直したりするなどの対応をしてもらえると思うので、安心して伝えてみてほしいと思います。

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近藤雄太郎

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  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2020年4月10日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。

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