アルコール依存症の家族ができる4つの対処方法とは?心理士が解説

2017.03.23公開 2017.04.01更新
 
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家族がアルコール依存症になってしまったら、どのように接していけば良いのでしょうか?

 

「お酒の飲み過ぎはダメ」といった精神論や説教は、アルコール依存症の状態を悪化させるリスクも潜んでいます。

 

そこで今回は、家族がアルコール依存症になった場合、どのように接していけばよいか、カウンセラーに解説してもらいました。

 

 

アルコール依存症とは?

アルコール依存症とは、お酒の飲み方を自分でコントロールできなくなる状態を言います。

 

アルコールを飲む量や状況、タイミングを適切に図ることができなくなった結果、人間関係や社会生活に支障をきたします。

 

そもそも依存症には、

 

・関係依存

・プロセス依存

・物質依存

 

があり、アルコール依存症は「物質依存」と呼ばれ、医療機関で専門的な治療が必要な病気であるとされています。

 

 

家族がアルコール依存症かも…

「もしかして、自分の家族はアルコール依存症ではないか」。

 

そのように感じられても、本人は自分がアルコール依存症といった病気である事を認めず、なかなか受診しないケースも多いようです。

 

また、本人の言動や飲酒を繰り返す事に対し、家族も疲れてしまい、家族間の関係性が悪化してしまう危険性があります。

 

ご家族も疲労困ぱい状態であり、アルコール依存症の本人同様、症状に巻き込まれ、混乱状態にいらっしゃるのは無理もありません。

 

ですので、まずは家族が専門家や支援機関を訪ね、気持ちや状況をいったん整理した上で、出来ることから始めてみることが大切になります。

 

 

アルコール依存症の家族の重要性

 

アルコール依存症本人に巻き込まれ、依存者同様、家族も気持ちが不安定になったり、冷静な判断が出来なくなることがあります。

 

そのような状態になってしまうと、家族の存在が、逆にアルコール依存者の問題飲酒に拍車をかけ、また家族が疲弊する…といった悪循環に陥ってしまいます。

 

まずは、そのような負のサイクルに陥ってしまうのを断つ必要があるのです。

 

良い相互作用が生まれる為には、アルコール依存症本人か家族のどちらかだけではなく、アルコール依存症本人もその家族も、お互いが回復を目指して動き出す事が望ましいのです。

 

 

アルコール依存症の家族が出来ること

正しい知識を身につける

専門家から、まずアルコール依存症に対する正しい知識の説明を受けます。アルコール依存は、性格の問題や、気持ちが弱いから、エスカレートするのでもありません。

 

その為、本人を変えるのではなく、行為そのものに焦点を当て解決していきます。

 

ダメな依存者、そのダメな家族を抱えるダメな自分…といった間違った概念は1日も早く捨てましょう。

 

現在は、CRAFT(Community Reinforcement and Family Training)というプログラムを取り入れている病院もあります。

 

これは、依存症者の良い行動(シラフの状態等)を強化する事で、アルコール依存を克服するという内容のもので、具体的な家族の在り方や対処法を学ぶことができます。

 

正しい知識を得て、アルコール依存症や依存症者を肯定的に捉えましょう。

 

否定的な気持ちは、悪循環を招きかねません。周囲が依存者に対しての不信感を克服し、信じてあげる事は、回復していくうえでとても大きな支えとなります。

 

 

仲間を作りましょう

家族だからといって、抱え込むのは、かえって状況を悪化させてしまいます。

 

専門家だけでなく、今の自分の状況を共感し、受け止めてくれる第三者の存在が、周囲の人にも必要です。

 

AA、アラノン家族グループ、全日本断酒連盟に問い合わせてみる事をお勧めいたします。

 

 

飲酒できる環境を作らない

回復の基本は、完全に飲酒を断つことです。1人では止められない為、家族の協力が必要になります。飲酒できる環境をつくらない事が求められます。

 

また、アルコールが切れてくると、離脱症状が出たり、気持ちが不安定になったりします。巻き込まれずに、毅然とした態度で接し、その場から離れるなどして対応しましょう。

 

危険な場合は、警察を呼ぶなど第三者に介入してもらう事も1つの方法だと思います。離脱症状は、本人も病気によって強いられている状態です。

 

病気の症状として見えている時と健全な時をしっかりと見分ける事が大切です。話をするときには、冷静な時に行いましょう。

 

 

自分を大切にする

家族としてサポートしていくと、いつしかアルコール依存症者中心の生活になってしまっていることも少なくありません。

 

家族も疲弊してしまうと、アルコール依存症を改善していく上での障壁となってしまいます。

 

ですので、家族の方は何よりも、ご自身の時間を大切にしていただきたいと思います。

 

アルコール依存症本人の領域に立ち入りすぎないと意識しておくことが大切です。言いなりになったり、言い訳や嘘、飲酒を許さず、毅然とした自分でいてください。

 

 

家族の中に子どもが居る場合

アルコール依存症であることを隠したり、嘘をついたりせず、真実を伝えましょう。

 

その際、アルコール依存症に対する正しい知識も子どもにしっかり伝えましょう。

 

 

さいごに

アルコール依存の慢性化や悪化をする前の早い段階で、対応できるに越したことはありません。

 

そのためにも、「最近おかしいな」「ちょっとお酒の量が増えてきたかな」と思ったら話を聞くなどし、コミュニケーションをとるよう気にかけてみてください。

 

もし、何らかの理由で話をするのが難しければ、友人や誰か頼めそうな人にお願いするのもいいかもしれません。

 

初めはちょっとしたことでも、バランスを崩し、放置し、抱え込でしまっては悪化の一途をたどるばかりです。

 

早期発見の前には予防があります。

 

日ごろのストレス対策や、周囲とのコミュニケーションを今一度見直してみてはいかがでしょうか?

 

 

【執筆者】

渡辺綾 施設心理士

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