うつ病は治る?治らない?初期症状・原因・再発防止・接し方【専門家まとめ】

2017.03.29公開 2020.04.22更新

うつ病の再発予防は?

回復期の段階に入ってきている人にとって、「早く治したい」と思われることは、とても自然な気持ちですが、心の病からの回復にとって「焦り」は禁物です。

 

「焦り」からくる行動は逆効果になり、再発の可能性が高まってしまうくらいに思っておいた方が良いかもしれません。

・疲れたと思ったら、しっかり休むこと

・疲れた状態をできるだけ長引かせないこと

・通院や薬を勝手に中止しない

・疲労をためない、生活リズムを崩さない

といった心がけが再発を予防する上で大切です。

 

焦る気持ちは理解できますが、今、取り組んでいることに集中して、一歩一歩前に進むことが必要なことだと思います。

 

また、あなた自身が心を許せる友人、医師、カウンセラーなどに気持ちを吐き出すことや、心がリラックできる方法をいくつも持つことも、うつ病を再発しないための方法です。

 

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>>うつ病の回復期で、生活習慣を直したりしていますが早く治したいです

 

 

うつ病で休職中の場合

うつ病で休職中の時は、「復帰すべきか、退職すべきか」の答えを出す前に、「何が、あなたの心のバランスを崩させたのか」を考えてみましょう。

 

様々な状況の影響を受けて、うつ病発症や休職に至ったと思います。そこで、心の疲れが取れてきたら、「様々な状況」が何であったのかを、書き出してみましょう。

 

カウンセラーなどと一緒に言葉にしながら行うことも良いと思います。

 

次に、書き出したものに点数をつけてみましょう。

 

例えば、

・仕事内容(仕事内容が変わった 80点、仕事でミスをした 70点)

・上司を含めた人間関係(上司と折り合いが悪い 60点)

・労働環境(職場が遠い20点、休日出勤が多い、残業が多い90点、賃金が安い)

・家庭の問題(家族がバラバラ、病人や介護を必要とする家族がいる30点)

といった形です。ストレスの原因が分かることで対処法も広がっていくでしょう。

 

また、転職をしたいと考えている場合も、

・残業が続き、疲れがたまっているとき、どう対処すればよいのか

・転職先でも、似たような上司だった場合に、どう対処すればよいのか

・仕事内容で困ったとき、失敗しないための方法はどうか

などと、シュミレーションしてみることがおすすめです。

 

怒りや苛立ちに任せた決断は、方向性を間違うこともあります。

 

転職シミュレーションを通じて、次の職場で同じことが起きそうになった場合の対処法を考えてみましょう。

 

【関連記事】

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>>うつ病で休職中…退職前に考えておきたいことを心理相談員が解説

 

うつ病から復職する場合

まず大原則として、「基本的に復職のタイミングは主治医が決める」ということがあります。

 

まだ治りきっていないのに、会社や本人だけの判断で復職させるのは予防医学の観点からも危険だと言わざるを得ません。

 

また、短距離のアスリートが骨折して、退院翌日から100mを走れないように、「復職=以前と同じように働ける」ということでありません

 

「週3回の時短勤務」や「週1回の通常勤務」など色々な復帰の形態が考えられますが、基本的には「本人が出来そうだと言い、主治医が許可した方法」で復職を始めるようにしてください。

 

「最初は簡単であれば簡単であるほど良い」と言われています。

 

【関連記事】

>>うつ病の復職のタイミングや復職後の注意点とは?臨床心理士が解説

 

 

障害者手帳を持つ場合の就職

メリット

・うつ病を隠して働かなくて済む

・通院時間を確保することができやすい

・服用などの気兼ねなくできる

・ストレスを感じる仕事よりも、得意分野の仕事に就くことができる

・職場の面接を受けるときに、支援者を同行することができる

・会社に支援体制ができているために、ストレスがたまる前に相談しやすい

 

デメリット

・障害者枠の就職先が少ない

・うつ病であることが、会社に知られる

・障害者枠で就職したことで、特別視される可能性がある

・自分の能力以下の、軽い仕事を与えられる

 

【関連記事】

>>うつ病で障害者手帳を持っている人の就職事情とは?心理相談員が解説

 

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近藤雄太郎

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  • 本記事は2017年3月29日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。