傷病手当金とは?対象者・計算方法・申請書類・事例を専門家がポイント解説

2017.03.30公開 2017.03.31更新
 
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傷病手当金とは?

もしも、病気やケガで会社を休むことになったら、生活費が心配ですよね。

 

業務上の病気やケガについては労災がおりますが、業務以外だとどうなるのでしょうか?

 

実は、業務以外での病気やケガでも、会社員なら健康保険組合から「傷病手当金」というお金をもらうことができます。

 

療養中の生活費を保障するため、給料の約2/3の額が、最長で1年6カ月の間、支給される仕組みです。

 

これは、国民健康保険に加入している自営業の人にはない、会社員のための制度です。

 

ただ、自動でもらえるわけではなくて、会社に相談するか、自分で申請書を取り寄せて申請手続きをする必要があります。

 

 

傷病手当金の対象者

傷病手当は、次の(1)から(4)の条件をすべて満たしたときに支給されます。

 

(1)業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること

健康保険給付として受ける療養に限らず、自費で診療を受けた場合でも、仕事に就くことができないことへの証明があるときは支給対象となります。

 

また、自宅療養の期間についても支給対象となります。

 

ただし、業務上・通勤災害によるもの(労災保険の給付対象)や、病気と見なされないもの(美容整形など)は支給対象外です。

 

 

(2)仕事に就くことができないこと

仕事に就くことができない状態の判定は、療養担当者の意見等を基に、被保険者の仕事の内容を考慮して判断されます。

 

(3)連続する3日間を含み、4日以上仕事に就けなかったこと

業務外の事由による、病気やケガの療養のため、仕事を休んだ日から連続して、3日間(待期)の後、4日目以降の仕事に就けなかった日に対して支給されます。

 

待期には、有給休暇、土日・祝日等の公休日も含まれるため、給与の支払いがあったかどうかは関係ありません。

 

また、就労時間中に、業務外の事由で発生した病気やケガで、仕事に就くことができない状態となった場合には、その日を待期の初日として起算されます。

 

【待期3日間の考え方】

待期3日間の考え方は、会社を休んだ日が連続して3日間なければ成立しません。連続して2日間会社を休んだ後、3日目に仕事を行った場合には、「待期3日間」は成立しません。

 

 

(4)休業した期間について給与の支払いがないこと

傷病手当金は、業務外の事由による、病気やケガで休業している期間について生活保障を行う制度のため、給与が支払われている間は、傷病手当金は支給されません。

 

ただし、給与の支払いがあっても、傷病手当金の額よりも少ない場合は、その差額が支給されます。

 

任意継続被保険者である期間中に、発生した病気・ケガについては、傷病手当は支給されません。

 

 

傷病手当金の制度内容

傷病手当金は、病気休業中に、被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度です。

 

被保険者が病気やケガのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。

 

 

傷病手当金の支給期間

傷病手当金が支給される期間は、支給開始した日から最長1年6ヵ月です。

 

これは、1年6ヵ月分支給されるということではなく、1年6ヵ月の間に仕事に復帰した期間があり、その後、再び同じ病気やケガにより、仕事に就けなくなった場合、復帰期間も1年6ヵ月に算入されます。

 

支給開始後、1年6ヵ月を超えた場合は、仕事に就くことができない場合であっても、傷病手当金は支給されません。

 

 

傷病手当金の計算方法

傷病手当金は、1日につき「標準報酬日額」の2/3の額がもらえます。

 

「標準報酬日額」は、「標準報酬月額」を1/30にしたものです。傷病手当金は非課税なので、支給された額から税金が引かれることもありません。

 

 

傷病手当の申請書類

休業から4日目以降2年以内に、勤務先の担当者か、健康保険組合などに必要な書類を提出します。

 

必要な書類とは、

 

・傷病手当金支給申請書

・出勤簿の写し

・賃金台帳の写し

 

の3点です。

 

傷病手当金支給申請書は、健康保険組合などのホームページからダウンロードできます。

 

医師に必要事項を記入してもらいます(書類作成にはお金がかかります)。

 

 

傷病手当の該当する事例

Dさんの働いている会社は、ここ1ヶ月で何人か退職したため、Dさんの仕事の負担が増え、毎日のように仕事が深夜まで続きました。

 

気が付くと、Dさんは夜眠ることが出来なくなり、病院に行ったところ「うつ病」の診断があり、しばらく会社を休むよう言われました。

 

主治医に、傷病手当金支給申請書に必要事項を記入して貰い、出勤簿の写しと賃金台帳の写しを用意し、健康保険組合に提出しました。

 

Dさんの報酬月額は7000円で3ヵ月間会社を休んだため、7000円×2/3×(92日(欠勤日)-3日間(待機期間))≒41万5333円を支給されました。

 

 

傷病手当申請の注意事項

給与や、傷病手当金以外の公的な給付金を受ける場合には、傷病手当金が支給されなかったり、他の給付金との差額のみが支給されたりします。

 

他の給付で生活費が確保できるとみなされると、重複での受給ができません。

 

例えば、出産手当金や労災保険の休業補償給付を受けるときや、老齢年金・障害年金・障害手当金を受けるときが挙げられます。

 

 

icon_4【執筆者】

森裕司 精神保健福祉士 社会福祉士

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