新年度、新生活…先生の働き方と病気休暇について【鈴木茂義さん第5回】

2017.04.09公開 2017.05.13更新
 
シェア
ツイート
はてブ
お気に入り
共感
58

4月になりました。あなたは、春の訪れをどんなことで感じているでしょうか?

 

桜の開花や暖かさでしょうか。入学や入社などの新生活でしょうか。

 

170409_suzuki

 

↑だいぶ春らしい陽気になってきました。

 

学校の先生として働く私としては、子どもたちの進級や進学で春の訪れを感じることがあります。

 

また、同僚の先生の異動で、春の訪れを感じることもあります。

 

子どもたちも大人たちも、不安や期待で新年度の春を迎えているかもしれません。

 

期待高まる新年度、あなたにとってもわたしにとっても、充実した日々が訪れるといいなあと感じています。

 

 

先生の働き方について

そんな期待高まる新年度に大変恐縮ですが、このような記事を見つけました。

◎「休憩できない」教員の一日(Yahoo!ニュースより)

 

先生方の働き方についての内容です。私にとっても考えさせられる内容です。

 

私が今まで勤務してきた小学校にも、もちろん休憩時間が設定されていました。

 

子どもたちが下校した16時前後から、45分の休憩時間が始まる場合が多かったです。

 

休憩時間は職場を離れることもできる時間ですが、実際はそれをすることはありませんでした。子どもたちが下校した後は、会議をすることが多かったからです。

 

職員の打ち合わせ、行事や委員会の打ち合わせ、研究の打ち合わせの会議などをしていました。休憩時間まで会議を続けてしまうことも、しばしばありました。

 

また、休憩時間が確保できても、子どものテストの丸つけや保護者への電話連絡など、結局仕事をしてしまうことがほとんどでした。

 

そうでもしないと、仕事が終わらないのです。

 

いつしか、休憩時間を取らない勤務が、自分の体の中に染みついてしまいました。

 

そうした厳しい勤務実態も、教員の仕事の大変さの1つかもしれません。

 

文部科学省のホームページを見てみると、「精神疾患による病気休職者の推移」が掲載されています。

◎精神疾患による病気休職者の推移(文部科学省ホームページより)

 

平成27年度は、全国で5000人を超える先生が精神疾患による病気休暇に入っていることがわかります。決して少なくない数字です。

 

「あの先生が、病気休暇に入ってしまったらしい。」という話は、未だによく耳にします。そのたびに私も、心が痛くなる思いです。

 

 

シゲ先生は病休にならない?

私自身も病気休暇を意識したことがあります。

 

・自分のクラスの子どもたちがうまくまとまらない

・子どもたちとの関係がいまいちしっくりこない

・教室で暴れる子がいる

 

などなど。翌日のクラスや授業のことが不安になり、心配する気持ちばかりが大きくなりました。

 

夜はなかなか眠れなくなり、眠れたとしても、夜中の2時や3時に目が覚めてしまうこともありました。

 

なんとなく同僚からも「シゲ先生のクラスの子どもたちは、落ち着きがない!」と見られているのではないか、という思い込みが大きくなった時期もありました。(実際にそんなことはなかったのですが)

 

自分の仕事に自信が持てないときは、どうしてもネガティブな気持ちになりがちでした。

 

 

絶対に病休になってやる!

ネガティブな気持ちになったとき、私は早めに校長先生に自分の辛い気持ちと状況を伝えに行きました。

 

「校長先生、クラスのことがとても心配です。」

 

と、校長先生に伝えたところ、

 

「うん。シゲ先生は大丈夫だ。病気休暇と一番遠い場所にいるから。」

 

と、校長先生は私に言いました。

 

校長先生からその言葉を聞いた私は、とても驚きました。

 

次の瞬間は、怒りの気持ちが湧き起こりました。

 

「どうして自分の不安な気持ちに寄り添ってくれないのだろうか。」と落胆と怒りが入り混じった気持ちになりました。

 

そして、私は「こうなったら、意地でも病気休暇に入ってやる。校長先生を後悔させてやる。」という気持ちにまでなってしまいました。(恥ずかしい)

 

 

結局、病休に入らず

結果的に、私は病気休暇に入ることはありませんでした(笑)

 

今この記事を書いていても、当時の自分の浅はかさに恥ずかしくなります。校長先生に対して、大変失礼だったと大いに反省しています。

 

当時の校長先生は、当然いじわるな気持ちで、私にあのようなことを伝えたのではありませんでした。

 

私の仕事の様子や、プライベートの様子をよく理解してくれていました。

 

それらを総合的に判断して、甘える私に対して、敢えてあのようなことを伝えてくれたのだと感じました。

 

クラスの子どもたちにもよく話していたのですが、やはり校長先生は「先生たちの先生」だと感じました。

 

 

なぜ持ち堪えたか?

ではなぜ、私はあのとき持ち堪えたのでしょうか。

 

平日の仕事の大変な状況は、劇的に良い方向に変化はしませんでした。

 

クラスもまだまだ上手にまとめられない状況でした。

 

では、何がよかったのでしょうか?そのときの取り組みを紹介します。

 

「助けてください」と言った

「クラスがうまくいっていません。先生方の力を貸してください。助けてください。」と職員会議で言いました。

 

すると、同僚の先生たちが授業の補助に入ってくれたり、休み時間の子どもたちの様子を私に教えてくれたりしました。

 

また若手の先生仲間からは、「教育カウンセリング」の手法を教えてもらい、一緒に研修会に参加することもありました。

 

週末によく飲んだ

170409_suzuki_1

 

私の中では、週末は金曜日の17時から始まります。

 

金曜日の17時から、日曜日の寝るまでが週末という考えでした。金曜日は仲間を誘って飲みに行き、仕事のことを話し合いました。

 

気の置けない仲間とのおいしいお酒や料理は、何よりのストレス解消になりました。

 

職場以外のコミュニティーに属した

そのとき私は、ピアノ教室に通ったり、スポーツサークルに通ったりしていました。

 

ピアノ教室では毎年1回発表会があり、そこで仲良くなった人と集まることもありました。

 

仕事や年齢、肩書きも違う方々とのコミュニケーションは、多様な価値観と生き方に触れる機会になりました。

 

学校で仕事をするだけが、人生の全てではありませんでした。

 

そのことを、職場のスクールカウンセラーの方に話したことがありました。すると、

 

「シゲ先生、職場以外のコミュニティーに所属することは、すごくストレス発散になるのですよ。」

 

と教えてくれました。

 

 

終わりに

今回は、先生にまつわる「働き方」や「病気休暇」についてお話をしました。いかがでしたか?

 

今回のようなネガティブな内容を取り上げるには勇気がいりますが、そこを見つめたり考えたりする機会も大事だと考えています。

 

170409_suzuki_2

 

新年度、私自身も新たな出会いを楽しみにしています。自分に優しくしながら、同僚に優しくしながら、仕事に臨みます。

 

先生であるあなたも、他のお仕事をしているあなたも、どうぞご自分のことを大事にしてくださいね。

 

また次回、お会いしましょう。今回もありがとうございました!

 

 

170228_suzukishigeyoshia

【執筆】

鈴木茂義  東京都の区立小学校非常勤講師

専門は小学校全科、特別支援教育、教育相談、教育カウンセリングなど。茨城県、北海道、東京都で小学校勤務を経て現職。教育研究会や教育センターでの講師経験も多い。児童生徒へ性の多様性や生き方を伝えるため、2016年にゲイであることをカミングアウト。小学校勤務の傍ら、LGBTと教育に関する講演活動を行っている。

 

 

▼以前の記事はこちら▼

 

 

鈴木さんインタビューはこちら

【第1話】LGBTと向き合う小学校の先生…学生時代に味わった性への葛藤とは?

【第2話】ゲイをカミングアウト…その時の率直な思いや周囲の反応とは?

【第3話】ゲイを告白して激怒された話と素朴な想い

【第4話】世の中には色んな人がいることをポジティブに伝えたい

 

 

あなたの経験談もシェアしてみませんか?

Reme(リミー)では、「私の経験談」で紹介する体験談を匿名で募集しています。

経験や想いを、同じような苦しみと向き合う方に届けてみませんか?

いただいた情報は、個人が特定されない範囲で、サイト上で公開させていただきます。

 

【ペンネーム】
【体験談】

 

LINEバナー
シェア
ツイート
はてブ
お気に入り
共感
58

関連記事