うつ病を美談にはできない【小松亜矢子さん第7回】

2017.04.24公開 2017.05.07更新
 
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うつ病に限らず、いろいろな病気を経験した人たちの中には、

 

「病気になって学んだことがある」

「病気があったから今の私がある」

 

と、上手に受け入れてプラスに捉えられている方がいます。

 

そう思えることは素晴らしいと思うけれど、そう思えないとダメな気もしてしまいませんか?

 

私は、病気の体験を上手に受け入れてプラスに捉えられてなくてもいいと思っています。

 

 

病気はならないに越したことはない

病気って、ならないで済むのであれば、絶対にならないほうがいいはず。

 

お金も時間もかかるし、

働けないこともあるし、

たくさんの人に心配や迷惑をかけるし……

 

マイナスなことや、つらい思いをすることがたくさんあるからです。

 

私も、うつ病にならなくて済むのなら、経験したくはなかったです。

 

うつ病を乗り越えるのにかかった時間でできたことは、たくさんあったはず。うつ病になる前に気づくこともできたはず。

 

今はうつ病も乗り越えて、楽しく暮らせるようになったし、うつ病になったから気づけたこともありました。

 

それでもやっぱり、うつ病になった経験は必要だったかと言われると、必ずしもそうではないなと思うのです。

 

 

重要なのは、どう糧にするかということ

病気の経験はないほうがいいけれど、なってしまった事実は変えられません。

 

病気をどう乗り越えるか、病気とどう付き合っていくのか。そして、その経験をどうこれからの糧にしていくのかが大切だと思っています。

 

私は試行錯誤をしながら、どうにか、うつ病のひどい時期を乗り越えることができました。

 

この経験を無駄にしないために、二度と同じ思いをしないよう気をつけたり、誰かに相談されたら、精一杯のことを話したり、必要があれば、こうやって文章にしたりしています。

 

これは私なりの、うつ病になった経験の昇華方法。

 

きっと、病気の経験をうまくプラスに捉えられている人たちも、たくさんの試行を重ねた結果、そう思えるようになったのではないかと思います。

 

 

うつで苦しむ時間を少なくするために

うつ病になったばかり、あるいはまだ闘病中といった状況では、うつ病になったという事実をプラスに考えることは難しいかもしれません。

 

乗り越えられたとしても、プラスになると思えない場合もあるかもしれません。

 

捉え方は人それぞれですから、それでもいいと、私は思います。

 

うつ病を経験した人全員が、その経験を生かした何かをする必要もないんです。

 

まずは、安定した生活ができて、うつで苦しむ時間が少なくなることが大切

 

その経験をどう捉えてどう糧にしていくのかは、その後にゆっくりと考えてみればいいのではないでしょうか。

 

 

Komatsu_Prof_2aa【執筆】

小松亜矢子 元看護師のフリーライター

1984年生まれ、自衛隊中央病院高等看護学院卒。福岡県出身、現在は神奈川県横須賀市在住。22歳でうつ病を発症し、寛解と再発を繰り返し今に至る。自分自身のうつ病がきっかけで夫もうつになり最終的に離婚。夫婦でうつになるということ、うつ病という病気の現実についてもっと知ってほしいと思い、ブログやウェブメディアを中心に情報発信中。

blog:http://www.ayk-i.com

 

 

小松さんの連載まとめはこちら

 

 

小松さんインタビューはこちら

【Part1】新卒1年目で適応障害、夫婦でうつ病を経験して感じたこと

【Part2】うつ病当事者かつ看護師として伝えたいこと

 

 

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