育児中の妻からの文句、愚痴、八つ当たりの元凶になるNGワードと簡単言い換え術

2020.06.25公開

妻の文句、愚痴、八つ当たり…夫はどうすれば?

近藤
妻の文句や愚痴、八つ当たりの背景にある心理と、夫が取るべき行動やNGな行動について教えてください。

 

夫に対する妻の心理とは?

第一に、自分の頑張りを認めてほしい、わかって欲しい気持ちが考えられると思います。

 

育児中のママは正解が分からなかったり、周りのママがとても上手に育児をしているように見えてしまい、自己否定へ陥りがちです。

 

育児は、仕事などと異なり「頑張れば頑張っただけ成果が上がる」ものではなく、「思い通りにいかない体験」の繰り返しです。

 

そのため、自分で何とか出来るという“自己効力感”や自分を肯定的に見ることが出来る“自己肯定感”が弱まりやすいと考えられています。

 

また、頭では分かっているけれど感情が追い付かない場合に、八つ当たりといった行動が生じやすいですので、何が何だかわからないけれど、とにかく気持ちを吐き出したいと考えられますね。

 

夫がとるべき行動とは?

まずは「否定をしないこと」が大切です。

 

情緒が不安定になってしまっている状態ですと、話に矛盾が生じたり、ママ自身も何が伝えたいかわからないくらいグチャグチャな内容になっている可能性が考えられます。

 

パパも感情的に言われることで、ついカッとなってしまったり、揚げ足を取ったり、論理的に反論したくなる気持ちが生じるかと思いますが、それをしてしまうとますますエスカレートしていってしまうと思います。

 

ですので、まずはひとしきり話を聞くこと、吐き出させてあげることが大切です。

 

「うん、うん」「そうなんだね」と相づちを打つこともおすすめですよ。

 

さらに、少し難しいけれどとても大切なのが、話の表面だけに乗っからないことです。

 

パパへの文句、不満、責めるような言葉をたくさん聞かされたときに、言葉通りに受け止めてしまうとパパ自身の無力感へと繋がってしまいます。

 

また、中にはカッとなって言い返したり、話し合うことを投げ出してしまうパパもいるかもしれませんね。

 

情緒不安定なときには、わずかな1の不満が、モヤモヤしている間に10、100へと膨らんでしまうことがあるのです。

 

先ほどにもお伝えしたように、「聞いてもらいたい、分かってもらいたい」SOSがママの言動の背景に大きくあると思うので、内容に引っかかるよりも「まずは聞く」ことに集中してみてくださいね。

 

夫が避けるべき行動とは?

NGな言動としては、先ほどからお伝えしているように、

「感情的になること(じゃあどうすればいいんだよ!めんどくさい!うるさい!など)」

 

「論理的に反論すること(それは〇〇だよね。ということは~っていう点でおかしくない?など)」

 

「内容にそのまま反応すること(俺が全然やってないって言いたいの?仕事があるからしょうがない。など)」

が考えられます。

 

すべてに共通するのは、否定的なニュアンスが強いこと。

 

もちろん、パパにも言い分があると思いますが、まずは否定せず聞くことで気持ちを落ち着かせることが大切です。

 

その上で、パパ自身が感じていることを伝えたり、どうしていくかを考えることが良いと思います。

 

妻への共感は夫のメンタルにも◎

近藤
共感がもたらすパパへのメリットはありますか?

まず共感を示すことで、話が早く収束するメリットがあるかと思います。

 

否定をしたり、論理的に返したり、ついパパも仕事モードで対応したくなってしまうかと思いますが、話が余計にこじれてしまい、ますますパパを傷つけるような発言が出てきてしまう可能性が考えられます。

 

そうなると、パパ自身も苦しくなってしまいますので、まずは共感が大切ですね。

 

さらに、「どんな気持ちなのだろうな」と考えながら話を聞くことで、先ほどの話の表面に乗っからないことが自然に出来るメリットもあると思います。

 

「共感を示す」と言われると、若干ハードルが高かったり、難しい課題のように感じられてしまうかもしれません。

 

推理小説や漫画、小説など、登場人物の気持ちを考えたりすることと同じように、まずはゲーム感覚で(というとママには怒られてしまうかもしれませんが)取り組んでみることもおすすめです。

 

育児のことや、ママ自身の情緒不安定な問題に関しては、100%の正解や解決法がなく、そのことがストレスの源になりがちです。

 

特に、パパの場合は仕事を通して「成功していくこと、自分が認められていくこと、頑張れば頑張っただけ評価を得られること」などに親和性がありますので、思うようにいかない、頑張っても報われない状況は相当ストレスフルとも考えられます。

 

その中で絶対的な答えを探して頭を使ったり、ママの言葉を100%真に受けてしまうことは、パパの精神状態にとってもネガティブに働いてしまいます。

 

ですので、「とりあえず共感」を一つのツールを持っておくことは、パパ自身を守るためにも大切なことだと思います。

 

育児中の妻が嬉しい夫の言葉5選

近藤
妻への共感を伝えるための言葉で、実際に言われて嬉しかった言葉って何ですか?

 

「いつもありがとう」「ごちそうさま」

どうしても育児や家事は同じことの繰り返しですので、自然と「当たり前」のことになっていきがちです。

 

目まぐるしく過ぎていくので、普段はあまり気にならないのですが、ふとしたときに不満が生まれやすいポイントです。

 

積極的に感謝の気持ちを伝えることは、「頑張っていることを分かっているよ」とのメッセージにもなると思いますよ。

 

「それは大変だったね」「それは嬉しかったね」

気持ちに焦点を当てて、気持ちに寄り添ってくれる言葉は「そう!そうなの!」と嬉しく感じますね。

 

おすすめの方法としては「〇〇(事実)なんだね。それは~(感情)だったね」といった返し方です。

 

子どもがご飯を全然食べてくれなかった愚痴を聞いた例を挙げてみると、

「ご飯全然食べなかったんだね。それは心配だったね」

「せっかく作ったのに悲しかったよね」

など、感情を伝え返してあげると良いですね。

 

そうすることで、ママとしては分かってもらえた気持ちになり、気持ちが落ち着きやすくなると思いますよ。

 

「こんなこと出来るんだね」「すごいね」「嬉しいね」

子どもの成長を喜んだり、パパの子どもへの感情を表したりするポジティブな言葉です。

 

どうしてもパパはお子さんと過ごす時間が少なく、ちょっとした変化に気づきにくいかと思います。

 

ほんのちょっとの気づきでも積極的に伝えていくことは、ママが「一人で子育てをしているような孤独感」に襲われにくくなるため、おすすめです。

 

とは言え、毎日何らかの成長を感じるのも難しいですので、

「今日も笑顔がかわいいね。笑ってくれると嬉しいね」

などといった言葉でも十分だと思いますよ。

 

「頑張ってるね」

ママ自身が頑張っていることを伝える言葉です。

 

人には“承認欲求”があり、誰かに認めてもらうこと、受け入れてもらうことは、様々な行動のモチベーションにつながり、情緒的に安定することへも繋がると言われています。

 

育児中のママは、思うようにいかない体験が多いため、どうしても承認欲求を満たせずに苦しくなってしまいやすいと思われます。

 

ですので、パパが積極的に言葉にして伝えていってあげることが大切だと思います。

 

面と向かって伝えるのが恥ずかしいのであれば、お子さんに、

「ママが頑張っておいしいごはん作ってくれたよ。嬉しいね」

と声をかけるなど、間接的なものから始めてみることもおすすめです。

 

「心配」「マッサージしようか?」

頑張りすぎてしまうママをそれとなく労わってくれる言葉です。

 

ママはどうしても頑張らざるを得ない状況に置かれがちなので、つい自分のキャパシティを越えてまで様々なことをしてしまいやすいと思われます。

 

もちろん、頑張ってること自体に気づいてくれて、共感してくれることも嬉しいのですが、心配されること、ケアしてくれることもとっても嬉しいのです。

 

「頑張りすぎじゃない?」と言われるだけだと、少し投げ出されたように感じてしまうので、

「頑張っていること、すごくありがたいけど疲れていないか心配」

など、感謝の面と心配である面の両面を一緒に伝えられると良いですね。

 

さいごに

今回は、育児中のママがイラッとくるパパの言動についてご紹介いたしました。

 

育児中特有の精神的なストレスによって、今までのコミュニケーションがかえってママの負担になることもあります。

 

言葉遣いや言い回しひとつで、改善できることもありますので、ぜひ日々の子育てライフで実践してみてくださいね。

 

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古橋さき

臨床心理士/公認心理師/保育士

心理系大学院修了後、臨床心理士資格を取得。医療、教育、産業領域など様々な機関にて、子ども(発達障害や不登校など)から大人(精神疾患、自分の生き方、就労支援など)まで幅広い年代への支援活動に従事。自身の出産、育児体験を契機に保育士資格、公認心理師資格を取得。現在は教育現場や相談機関にて子育て支援や親子関係、夫婦関係の問題などを抱える方の支援を行っている

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2020年6月25日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。

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