【就活特集】内定承諾書の意味や拘束力って?キャリアコンサルタントが解説

2017.07.18公開
 
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就職活動も終盤戦になると、複数の企業から内定をもらい、内定承諾書へのサインを求められることもあるでしょう。

 

内定が出る時期になると「オワハラ」「オヤカク」など、ネット上で話題になりますよね。

 

内定承諾書を目の前にして、果たしてここにサインをしてしまっていいのだろうか…そんな風に悩むこともありますよね。

 

そこで、改めて内定承諾書の意味や拘束力について考えてみようと思います。

 

 

内定の法的意味合いとは?

まず、内定の法的な意味合いとは何でしょうか。

 

簡単に言うと、「条件により解約できる労働契約」です。

 

それでは内定承諾書とは何でしょうか。

 

こちらも簡単に説明すると、「内定により、卒業後に労働契約が発生します。条件付きの労働契約です。社会通念上妥当な理由があれば、内定取り消しできる条件付きですが、承諾してください。」というものです。

 

内定の法律上の意味は、「始期付解約権留保労働契約」と最高裁判所の判例上で解釈されています。

 

独立行政法人 労働政策研究・研修機構のホームページでは、モデル裁判例として「大日本印刷事件」(最高裁二小 昭54年7月20日判決)の判例が示されています。

 

そこには「始期付解約権留保労働契約」、つまり内定の意味が記されています。

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ここでいう、解約権留保・就労始期付労働契約とは、採用内定時に成立する労働契約のことであり、仕事を開始する時期を大学卒業直後とし、それまでの間に誓約書記載の採用内定取消事由が発生した場合には使用者が解約権を行使することができることを内容とするものである。

 

(出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構 ホームページ

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内定承諾書の意味とは?

内定承諾書は、「御社で働きます」という意志表示です。

 

企業側が学生一人の内定を決定するのに、膨大な労力と人的な協力体制、コスト等がかかっています。

 

そのことを考えると、安易に内定承諾書にサインし「辞退すれば大丈夫」という意識では、企業に対して多大な迷惑が掛かります。

 

一方、学生側にとっては選ぶ権利があります。内定承諾書にサインするということは、学生と企業が一緒に働く約束を交わすということです。学生側、企業側の双方に誠実な対応が求められます。

 

 

内定承諾書の拘束力について

次に、内定承諾書の拘束力についてです。

 

まずは、内定を出した企業側においては、誓約書記載の採用内定取消事由が発生した場合、「社会通念上妥当」と認められれば、学生の内定を取り消すことができます。

 

「社会通念上妥当」の定義が焦点になりますが、一般には、

 

・学校を卒業できなかった場合

・健康上の理由で就業が不可能になった場合

・犯罪行為があった場合

・会社に経営上の問題が発生した場合

 

などが考えられます。

 

それでは学生側はどうでしょうか。

 

承諾をした場合は、条件付きの労働契約が発生します。しかし、その労働契約は卒業するまで発生しません。よって内定承諾書の拘束力は、事実上ないと言えるでしょう。

 

ただ、学生側がその企業に入社したいという意志表示であることは確かです。安易に何社もの内定承諾書にサインすることは避けなければなりません。

 

 

内定承諾後に別の内定が…

そうは言っても、ある企業の内定承諾書にサインをした後に、より志望度が高い企業から内定をもらってしまった、というケースもあるでしょう。

 

その場合は今一度、自分の気持ちに向き合い、本当はどの会社に就職したいのかを考えましょう。場合によっては、内定先の会社の社員と直接会って、話し合いを重ねる必要もあるでしょう。

 

その上で、結果的に内定辞退をする場合は、まずメールや電話などで一報を入れ、その後直接会ってお詫びをしましょう。

 

そして、正直な気持ちや考えを話しましょう。

 

企業の採用担当者が、心無い言葉をかけてくるかもしれません。しかし、学生側も企業側も、精一杯採用活動をした結果なのです。

 

お互いに誠実な姿勢で向き合うことが理想です。

 

 

まとめ

就職活動は一期一会です。自分を信じて決断をしたいものです。

 

内定承諾書の意味を理解し、拘束力は事実上なかったとしても、その採用活動にかける想いを、学生側も企業側も理解する必要があります。

 

どちらかが不誠実な対応をしてしまうと、相手は幻滅してしまいます。

 

就職活動においては、学生は企業を選び、企業は学生を選ぶというフェアな関係性であるべきです。

 

就職とは人生において大事な選択をする時です。後悔のないように、自分の気持ちと向き合い、誠実な対応をしたいものです。

 

迷いも不安もあると思いますが、私は人生の大切な選択を支援する者の一人として、皆さんを応援しています。

 

 

suzukiyumiko【執筆者】

鈴木祐美子

国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、

CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)

鈴木さんのインタビュー記事はこちら

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