治らない病気、仕事もできない…生きる意味って?【ますぶちみなこさん Part2】

2017.08.14公開 2017.08.15更新
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就職するはずの会社が…

学生の時にバイトをしていた制作会社への就職するはずが、ちょうど私が入社する時に取引先の会社の制作部として吸収されてしまいました。

 

会社名も変わり、社長さんが営業出身の方で、考え方がすごく体育会系な感じで会社の雰囲気も変わりました。

 

さらに、とある事情で、何が何でも売り上げを上げないと会社がつぶれる…という厳しい状況になっていました。

 

そういった状況の変化があり、新卒なのに重要な会議に毎週出なくてはならず、何か意見を言わなくてはいけなくて、毎回頑張って準備をして意見をひねり出していましたが、とても辛かったです。

 

何かミスがあると徹底的に叩くところがあって。会議もピリピリした空気で、「それは本当に実現できるのか。根拠は何なんだ」と、社長がガンガン聞いていくのですごく気が重かったです。

 

営業さんという、全然違う考え方の人たちと仕事をするというのはすごく難しいんだなと痛感しました。

 

 

終電という言い訳がないと帰れない

その頃は、1時間ほどかけて通勤して、朝9時から終電まで働き、また次の日は9時に出社して…という生活を続けていました。

 

上司が残っていると帰りづらくて、仕事は終わっているのに、残って翌日の仕事を前倒しでやったりしていました。

 

終電という言い訳がないと帰れなくなってしまいました。

 

上司もかなり追い込んで仕事をする人で、「成果を出さなければ存在意義がない」といったことを言う人で、すごく自分を追い詰めて仕事をしていました。

 

当時は、「あまり頑張りすぎず、ちょっとゆるく働く」といった発想が全然ありませんでしたね。

 

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仕事のストレスで心療内科に

さすがにこの状況を辛いと思っていたので、心療内科にかかったりもしました。

 

仕事のストレスで、胸がドキドキする、呼吸がしづらい、手が震えたりする…そんなことを伝えたと思いますが、特に診断名はつかずにお薬を処方されていました。

 

心療内科に通って、お薬も飲みながら仕事をしていたのですが、ストレスの根本である職場環境は何も変わっていないので、薬が効いている感じが全然しませんでした。

 

 

仕事中に泣き出した自分に動揺

症状が明るみに出たのが、上司にちょっとしたことで怒られた時のことです。ストレスなど色々なことが重なって、仕事中に泣き出してしまったんです。

 

仕事中に泣いてしまったことに自分自身も動揺してしまい、「気分を立て直してきます」と給湯室に行った時に、処方されていたお薬を10錠くらい一気に飲んでしまったんです。

 

仕事に戻って日報だけ書いて、「今日は体調が悪いので帰ります」と言って帰りました。

 

その後、予定があったんですけど、その場所に行った時に薬が効いてきたせいか倒れてしまったんです。

 

その時の彼氏が私の上司に連絡して、私にも事情を聞かれて、「実は心療内科に通っていて、薬を飲んでいる」という話をしたら、問題になってしまって。

 

それから、ちょこちょこ休むようになって、そのまま会社を辞めました。正社員になって半年の時でした。

 

 

「君は病気」と突き放した社長

会社を辞めた時は、大変なことをしてしまったなという気分でしたね。いろんな人に迷惑をかけたなと思って。

 

もっと頑張れたんじゃないか、とも思いましたね。

 

体調が悪くなって、会社を辞めるか辞めないかの時、社長に「俺は医者じゃないけど、君の話を聞いていれば分かる。君は病気だ」と言われたんです。

 

それを言われた時、私は社長に上司との関係のことを相談していたんです。

 

「仕事がうまくいかないのは、私が病気だからだ」と言ってきて、すごく突き放された感じがしました。

 

でもやっぱり、「働いていなければいけない」と思っていたので、会社を辞めて、これからどう生きていけばいいのかなと不安になりましたね。

 

 

日常的に怒鳴るモラハラ彼氏

当時、付き合っていた彼氏は、会社での問題について私の味方をしてくれていました。

 

「会社を辞めたら、俺の家でゆっくりして良いよ」と言ってくれて、一人暮らしの彼の家で過ごすことが増えたのですが、日常的に怒鳴られるようになったんです。

 

「食事の味付けが薄い」と怒鳴られたり、「できなかった理由を説明しろ」とすごく怒鳴られて。正座で1時間説教されたりということもありました。

 

共通の友達から「あんたの彼氏モラルハラスメントだと思う」と言われてネットなどで調べて、完全にこれだなと思いました。

 

「何でそんなにイライラしているの?」と聞いたら、「これが本当の俺であって、豹変したわけではない」と言われて、ますますやばい人だなと思いました。

 

でもなぜか、その彼氏とはすぐには別れることができませんでした。

 

心療内科に引き続き通っていましたが、彼氏が仕事に行っている間に、家中の鎮痛剤を飲んだり、リストカットをしたりするようになって、ある時病院で処方された薬を一気に飲んでしまったんです。

 

それで、病院に行った時に、「処方した薬を一気に飲む患者さんはうちでは診られない」と言われてしまい、入院施設もある大きい精神病院を紹介されて、そちらに通うことになりました。

 

 

止められない自傷行為

はじめに通っていた病院では、境界性パーソナリティ障害だと言われました。

 

「境界性パーソナリティ障害って何だろう」と思って、mixiに書いたり、母に連絡をしたり、いろんな人に連絡をしていました。

 

調べてみると、すごく難しい障害だということが分かり、「きちんと治さなければ」と、本を買ったりして知識を得ようとしていました。

 

調べていくと、見捨てられ不安や自傷行為と書いてあったので、「ああ、私はこういう症状が出てくるんだろうな」と思い込んでしまって、症状がどんどんひどくなってしまいました。

 

紹介された大病院でも、「あなたは境界性パーソナリティ障害だと思います」と言われました。

 

ただ、

 

「あなたの症状はすごく軽いので、こんなところに来るような人じゃない」

「早く、ここに来なくてもいいようにしてあげたい」

 

と言われました。

 

その言葉を聞いて「理解されていない」と感じてしまい、私は自分の辛さを分かってほしくて、傷を深くしてみたり、違うところを切ってみたりと自傷行為が止められずにいました。

 

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SNSを活用して自分の辛さを伝える

境界性パーソナリティ障害の診断を受けた後、mixiの日記に書いて、人に自分が辛い状況にあることを伝え始めました。

 

もしかしたら、ドン引きしていた友達もいたかもしれませんし、自分の辛さをmixiで人に伝えることへの抵抗感もありました。

 

そのため、書き方をよく考えたり、暗い内容の日記には、タイトルの頭に※マークをつけて、「これは暗い内容なので気を付けてください」と書いたりしていました。

 

自分の辛いことを誰かに言いたいと思っていましたが、彼氏や母親に直接言うと、その人が全部受け止めなければならなくなりますよね。

 

なので、直接誰かに言う勇気を持てず、インターネットで不特定多数の人に言う方が気が楽でした。

 

 

誰かに相談する方がハードルが高い

今でも、「SNSでそんなに自分の病気のことをオープンにできてすごいですね」と言われますが、私にとっては誰か1人に相談したり、悩みを聞いてもらう方がすごくハードルが高いんです。

 

それだったら、「もしかしたら誰かが聞いてくれるかもしれない」というスタンスで書いた方が、自分も傷つかないかなと思って。

 

実際、私が悩みや辛い状況のことを書くと、「大丈夫?」「明日も生きるんだよ」と励ましをしてくれる人がほとんどで、悪いことを言ってくる人はいませんでした。

 

でも、そういうコメントをもらっても、私の気持ちは「うーん、そうか」という感じで、「そうだね、ありがとう」といつも素っ気ない返信をしていました。それしか言いようがなかったんです。

 

でも、変な反応をする人はいなかったので、吐き出す場所ができたのはすごく助けられましたね。本当、好き勝手に言っていただけでしたが。

 

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彼氏との同棲生活の終わり

前述した、モラハラの彼氏との同棲生活は半年くらいで終わりました。

 

さんざん怒鳴られたあげく、「愛を感じない」と言われて、最後は割とスパッと捨てられました。

 

彼氏としては、私の体調がだんだん良くなって、バイトでもする気になるかと思っていたようでした。

 

ただ、一向に体調は良くならず、家でだらだらしているようにしか見えなかったようで、「家事もまともにできないし、俺のために何かしようという気もない」と言われました。

 

今思うと、障害に対しての理解がなかったんでしょうね。

 

 

実家へ戻り、再就職するも…

その後、実家に帰って、とりあえず働こうと思って、次の会社に入りましたが半年で辞めてしまいました。

 

社長と2人のウェブ制作会社だったのですが、無断欠勤をするようになってしまって。

 

最初の頃は、休む時は頑張って連絡していました。ところが、だんだんと電話やメールが怖くなり、社長から連絡が来ても取れないことが続くようになり、話し合いをして辞めることになりました。

 

 

死ぬことばかり考える日々

体調の波がいい時にしか働けない状態だったので、今振り返ると、もう少し休んでいてもよかったと思うのですが、その時は「働かないといけない」と思っていました。

 

病院を転々として、お薬もいろいろ変わりましたが、どれも効いている感じが全然しませんでした。

 

病気は治らないし、毎日つらいし、仕事もできないし、彼氏にも捨てられちゃったし、いろいろ滅茶苦茶になってしまったので、何か楽しいことが全然ないように感じて。

 

当時は、死ぬことばかり考えていました。生きる意味がないんじゃないかなって。

 

続きは第3回へ

 

 

ますぶちみなこさん全インタビュー

【Part1】心の病と向き合うフリーのイラストレーター

【Part2】治らない病気、仕事もできない…生きる意味って?

【Part3】「誰かになろうとしなくていいと思いたい」

 

 

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また、精神疾患などの当事者の方、メンタルヘルスや人間関係でお悩みの方などのインタビューも行っております。

 

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