自尊心が低い子供の4つの特徴・自尊心を高める子育て4つのポイントを臨床心理士が解説

2020.09.01公開 2020.09.04更新

自尊心を高める子育てとは?

では、親子関係でどのような言葉がけや習慣をすると良いかについてお話します。

 

具体的な方法に入る前に申し上げたいのは、自尊心を高めるための特別な方法はないということです。

 

私が気に入っている、子供の自尊心に関する論文の結論をご紹介します。

「寝るべき時間に寝、仲間と遊んだり、家の手伝いをしたり、何か良いことをして誉められるといった、毎日の生活のなかでなされる何気ない体験の積み重ねが大切なのである」(横山,2010)

「子供に何か特別なことをさせなければ」と焦る必要はありません。

 

程よい環境のなかで子どもらしく色々な経験をすることで、子どもたちは自然と自尊心を身に付けていきます。

 

ですから、保護者の方もゆったりとした気持ちでお子様と関わっていただけたらと思います。

 

以下の具体例も「こうしなければダメ!」ではなく「こういう声のかけ方もあるんだ」といった具合に参考にして頂けたらと思います。

 

1. きょうだいや友達と比較しない

例:子供のテストの点数が悪かった時

×良くない例

「△△ちゃんはまたテストで100点をとって先生に褒められたみたいよ。あなたも△△ちゃんみたいに頑張りなさい」

 

○良い例

・「前のテストよりこういう所ができるようになったね」

・「解答欄に自分の考えを書けてえらいね」

・「毎日宿題を頑張っているね」

・「一緒に復習してみようか?」

◎伝えたいメッセージ

・テストの点が良くても悪くてもあなたを大切に思う気持ちに変わりはないよ

 

・あなたには既に出来ていることがたくさんあるし、これからも色々なことが出来るようになっていくよ

人と比べるのではなく、その子自身が前と比べてできるようになった所を褒めたり、日々の努力や問題を解こうとする姿勢を認めてあげましょう。

 

また、勉強に困っている様子なら一緒にテストの復習をするなど、困った時にはいつでも味方だと行動で伝えてあげるのも良いでしょう。

 

2. 子供に大きな期待をかけない

例:子供が部活で試合に出場できなかった時

×良くない例

「次の試合には必ず出られるはずよね?あなたが試合に出られないなんてお母さんは恥ずかしい。今度は必ず試合に出て大活躍するって期待してるから。」

 

○良い例

・「今どんな気持ち?」(「〇〇な気持ち?」と表現を助けてあげるのも良いです。)

 

・「一生懸命応援してる姿かっこいいなって思ったよ」

◎伝えたいメッセージ

・あなたは何かを成し遂げなくても大切な存在だよ

・上手くいくときも上手くいかない時も私はいつも見ているよ

子供に大きな期待をかけることは、子供にとってプレッシャーになりますし、その期待に応えなければ愛してもらえないのではないかと不安の原因にもなりえます。

 

良いことがあった時だけでなく、上手くいかなかった時も同じようにあなたのことを見ているし、あなたは大切な存在だと認めてあげましょう。

 

3. 子供を信じて任せる

例:子供に留守番させる時

×良くない例

「17時までに宿題は終わらせなさいよ。宿題が終わったらピアノの練習も必ずやるのよ。テレビは18時からしか見ちゃダメだからね。兄弟げんかもしちゃだめよ。分かった?」

 

○良い例

・「知らない人が来てもドアを開けないってことだけ約束してくれる?」

・(帰宅後)「○○をしてくれたの?すごく助かるよ!」

◎伝えたいメッセージ

・私はあなたのことを信用しているよ

・あなたには自分の力で出来ることがたくさんあるよ

心配だからと子供にたくさんの指示をしたり、何でも代わりにやってあげようとすると、子供の挑戦の機会を奪ってしまいます。

 

そうすると、何か成功した時も子供は「お母さんのおかげだ」と思うようになり、「自分の力でできた」と思えることが少なくなってしまいます。

 

子供のことを信じて、時には子供に何か任せたり、自分で決断する機会を与えることも自尊心を育てるには大切です。

 

4. 子供の感情を受け止める

例:子供が学校に行きたくないと言った時

×良くない例

「学校を休むなんて許しません。学校に行かないのは悪いこと。頑張って行きなさい」

 

○良い例

・「学校に行きたくないのね。どうしてそう思うの?」

・「行きたくないっていう気持ちを話してくれてありがとう」

・「どうしたらいいか一緒に考えよう」

◎伝えたいメッセージ

・あなたの気持ちはどれも大切だよ

・私はあなたのポジティブな気持ち、ネガティブな気持ちどんな気持ちも受け止めるよ

子供の気持ちはどんな気持ちも大切なものとして尊重してあげましょう。

 

特に子供がネガティブな気持ちを表現した時は、無理に励ましたり「弱音を吐くんじゃない」などと否定せず、ネガティブな気持ちをそのまま受け止めることが大切です。

 

子供は自分の感情を大人に受け止めて共感してもらうことで色々な感情について学んでいきます。

 

これを繰り返すことで段々と自分の気持ちを自分で理解し受け止めて、コントロールできるように成長していきます。

 

さいごに

共通するのは、無条件の愛情を示すことです。

 

「親の言うことを聞いたから良い子」

「○○ができるから誇らしい子」

 

これらは条件付きの愛情です。

 

そうすると子供は条件をクリアすることにとらわれ、ありのままの自分を認めることができません。

 

まずは保護者が子供を全面的に無条件に愛することで、子供自身も自分を受け入れられるようになり、自尊心は育っていきます。

 

一方で、基本的には子供は色々な経験をする中で、自然と自尊心を育んでいく面もあります。

 

ですから、ここに書いたような声掛けを必ずしないといけない訳ではありませんし、分かっていても時には感情的に叱ってしまうこともありますよね。

 

そんな時、「ダメな親だ…」とご自分を責めないでください。

 

もしお子様が元気がなかったり、どう関わればよいのか分からない時には、ぜひこのコラムを思い出して活用して頂けたらと思います。

 

自尊心が高まることにより、早寝できるようになったり、お手伝いの頻度が増えたり、学校の授業での挙手や発言が増える研究結果もあります。

 

自尊心は子供の大切な成長の基盤であることを頭の片隅に置いておいていただけたら幸いです。

 

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【参考・引用文献リスト】

兄井彰・須﨑康臣・横山正幸 (2013).子どもの自尊感情と生活のあり方との関係についての研究.生活体験学習研究,13,43-50

遠藤由美 (2000).「自尊感情」を関係性からとらえ直す.実験社会心理学研究,39(2),150-167

池田 寛 (2000) 「学力と自己概念」 解放出版社 PP31-32

井上清子 (2015).両親・教師からの褒められ叱られ経験と自尊感情の関連について.生活科学研究,37,97-105

高知県教育センター (2005).子どもの自尊感情をはぐくむ学校についての一考察

内閣府 (2019).我が国と諸外国の若者の意識に関する調査

小塩真司・脇田貴文・岡田涼・並川努・茂垣まどか (2016).日本における自尊感情の時間横断的メタ分析:得られた知見とそこから示唆されること.発達心理学研究,27(4),299-311

横山正幸 (2010).子どもの自尊感情と体験の関係について.生活体験学習研究,10,53-62

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山崎日菜乃

臨床心理士/公認心理師

心理系大学院在学中よりカウンセリング、フリースクールや児童養護施設の訪問、心理検査業務などを経験。夢だった中学教諭としての就職が決まるもうつ病を発症し断念。大学院修了後、うつ病治療に取り組みつつ臨床心理士と公認心理師の資格を取得。うつ病経験者の心理士としてお役に立てることを模索中

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2020年9月1日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。

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