うつ病で休職、死産、離婚…リセットできたきっかけ【朝倉美保さん Part2】

2017.09.20公開
index
 
シェア
ツイート
はてブ
お気に入り
共感
29

うつ病と診断され、休職

大学を卒業後、健康食品の会社に就職しました。

 

ちょうど健康食品ブームが起きていて、テレビでも健康食品がよく取り上げられていた時期でした。

 

実際、テレビで健康食品に関する放送が始まるとすぐに、「〜という商品、ありますか?」と電話がかかってくるので、在庫確保に忙しくしていたこともありました。

 

朝から晩まで仕事をして、親から離れられると思ったら、仕事が増え過ぎてしまい、今度は「帰ってくるのが遅い」と文句を言われるという…。

 

そんな中、急に悲しくなるなど気持ちの異変があって、Part1でお話ししたように、友人の勧めで病院に行ったところ、うつ病と診断され休職しました。

 

 

休職後、知人の会社へ転職

休職中は、1年ぐらいでの復帰を目標に考えていました。

 

友達も同時期にうつ病になってしまって、お互いに励まし合いながら「将来どうしていこうか」と話したりしていました。

 

そうしていた時、知人から「大阪だけど、もし仕事をしたいなら来てみるか?」と声をかけてもらいました。

 

まだ、うつ病の治療中で、朝起きにくいこともあったので、相談してみたところ、出勤時間を10時や12時に変えてもらったり、在宅勤務の日も作ってもらえたので、そこで働くことになりました。

 

その会社はサプリメントを扱う会社だったので、管理栄養士としてお客さま対応を中心に行っていましたが、とても働きやすかったですね。

 

しんどいことがあると、1日休ませてもらって、次の日に出勤したときに、社長に「あの仕事を考えたときにしんどくなるから止めませんか?」と話しに行っていました。

 

何か問題があると思ったときに話しやすい環境だったので、それがすごく良かったと思います。

 

ちょっと体調が悪くなることもありましたが、2年半ぐらい勤めました。

 

201

 

 

結婚後、石川へ。畑仕事で体調も安定

27歳の時、結婚を機に退職して、生活がまたガラッと変わりました。

 

石川県に嫁いだのですが、農家だったので、農作物の手入れの仕方を勉強したり、収穫を手伝ったり、勉強することが沢山ありました。

 

大変なこともありましたが、うつには農業がよかったみたいですね。

 

土を触るのがいいみたいで、日光にも当たるからか、体調面がとても安定してきて、畑仕事を進んで手伝うようになりました。

 

でも、1年ぐらいして慣れてしまうと、やることがなくなってしまって、今度は暇になってしまいました。

 

農業しかやることがないくらいの田舎だったので、買い物に行って家事をして終わったら、もうテレビを見るしかやることがなくて…。

 

 

妊娠後の入院で芽生えた不信感

暇過ぎるのがよくなかったみたいで、またちょっと体調も悪くなり出して、仕事を始めようかなと思っていた矢先、妊娠が分かりました。

 

妊娠が分かって1週間後ぐらいにはつわりが始まり、動けないぐらいになったので入院することになりました。

 

住んでいたところの近くに病院がなかったので、車で1時間くらいかかる金沢の病院まで行かなくてはいけなくて。

 

入院に関して、旦那のご両親があまり協力的ではありませんでした。さすがに困ってしまって、実家の母を呼んで世話をしてもらいました。

 

そして、そのとき、旦那の家族に対しての不信感がちょっと芽生えてしまったんです。

 

 

死産になってしまった

2週間ぐらい入院していたのですが、1週間を過ぎたあたりから、退院後に石川に残るか、実家の京都に帰るか悩んでいました。

 

母親に実家に帰ってもいいか聞いたら、「いいよ」と言ってくれて、旦那もいいと言ってくれたので、実家に帰ったのですが、赤ちゃんの心拍が弱くなっていって、死産になってしまいました。

 

赤ちゃんがいなくなってしまって、これからどうしようとなってしまったんです。

 

もう、旦那のいる石川に戻る理由がなくなっちゃったというか…。

 

181

 

 

話し合いの末、離婚

旦那には「何が不満だったのか」と聞かれ、それまで感じてきた不満を伝えているとき、「入院しているときに1人で耐えるのが普通だろう」と言われたんです。

 

その言葉を言われたとき、「いや、あんたの子でもあるし」とすごく怒って、石川には絶対に戻らないと決めました。そこから少し時間はかかりましたが離婚をしました。

 

もともと夫には、赤ちゃんがいることが分かってもらえてない感じがしていました。

 

妊娠して、つわりで苦しんでいる私の横で、お酒を飲んではしゃいでいて、「この人何してんだろう」と思うようなこともありました。

 

「何とか赤ちゃんに生きていてほしい」という思いで、私は静かに寝ているだけの生活をしている一方で、夫は旅行に行ったり、忘年会だ、新年会だ、と楽しんでいました。

 

別に、それを楽しまないでとは言わないですが、旅行や飲み会のことをわざわざ報告されたりするのが辛かったです。

 

旦那の実家でも、自分の立ち位置がどこか浮いている感じがして、「これからどうしよう」とずっと迷っていました。

 

迷っている間、友達が励まそうとしてくれているのはわかっていたんですが、なんだかあまり響かなくて。

 

自分できちんと1回リセットしよう、と思えるまでには時間がかかりましたね。

 

 

仕事を再開して、区切りをつける

きちんとリセットをしようと、踏ん切りがついたきっかけが仕事の再開です。

 

仕事を再開する上で、まず派遣の登録をしました。その後、派遣社員として何か所か働いてみましたが、派遣先でなかなか馴染むことができなかったんです。

 

女性の集団の中に入り込むことができなくて、少しトラウマになってしまいました。

 

「何で女子の中に入れないんだろう」とは思っていましたが、「私には合っていないんだ」と自分を受け入れて、自分は自分で仕事をしようと思うようになりました。

 

 

家庭教師が一番性に合っていた

その時に、数学が好きだったことを思い出して、30歳の頃に家庭教師を始めたんです。

 

家庭教師としては、まず登録制のところから始めたのですが、口コミや個人サイトも利用して、個人契約でもやるようになりました。

 

家庭教師の仕事は結構楽しいですね。家庭教師が一番性に合っているようで、もう8年半くらいずっと続けています。

 

私自身、勉強ができなかった自分を何とかできるようにしていったので、

 

「こう考えるといんだよ」

とか

「テストの最初には、公式を書いちゃうんだよ」

 

といったテクニックを教えることに役立っています。

 

教えることは楽しいですが、教師になっていれば…といった後悔は全くないですね。

 

220

 

 

不登校や引きこもりの子も

不登校で引きこもりの子や、学校で暴れている子の家庭教師もしていたことがきっかけで、カウンセリングの勉強を始めて資格も取りました。

 

不登校だった子も私と関わりを持った子は、大体半年から1年くらいで学校に復帰しています。

 

ある子が1人、布団から一切出てこなかったことがありました。

 

そのときはそばにいて、1時間ぐらい、私のしんどかった今までの話をして、「次、また来るからね」と言って帰りました。

 

そうやって、勉強を無理強いはせず、気長に向き合うことで、徐々に心を開いてくれました。

 

子どもによって人見知りだったりすることはありますが、ほとんどのケースでは、子どもに警戒されたり拒絶されたりすることはほとんどないですね。

 

 

子どもに勉強を教えることはしなかった

逆説的ですが、家庭教師としての私は、子どもに勉強を教えることはしませんでした。

 

家庭教師ですけど、遊んでいました。もし、家にお父さんやお母さんがいらっしゃったら巻き込んで、一緒に遊びます(笑)

 

コミュニケーション不足な家庭が多いので、帰るときに親御さんに

 

「お風呂でたくさん話をしてくださいね」

「今日の感想を聞いてみてくださいね」

「日記をつけてくださいね」

 

といったことを伝えていました。

 

改めて、家庭教師という仕事は自分にも合っていると感じていましたし、お子さんやご家族の役に立っているという実感も持つことができました。

続きは第3回へ

 

 

朝倉美保さん全インタビュー

【Part1】全否定する母、小学校でのいじめ、うつ病のこと

【Part2】うつ病で休職、死産、離婚…リセットできたきっかけ

【Part3】「障害者でも『きらり』と輝ける」

 

 

インタビューを受けてくださる方、募集中です

臨床心理士、精神保健福祉士、看護師、保健師、産業カウンセラー、支援機関の職員など、すでに多くの方にインタビューを行っています。ご自身が、有名かどうか、権威かどうかは関係ありません。

 

また、精神疾患などの当事者の方、メンタルヘルスや人間関係でお悩みの方などのインタビューも行っております。

 

これまでの経験・取り組みや、ご自身の想いを読者に届けていただき、Remeのミッションである「こころの専門家へのアクセスの向上」「こころの健康に関するリテラシーの向上」の実現のために、お力をお貸しいただけますと幸いです。

 

 

ご興味をお持ちいただけましたら、下記フォームよりお問い合わせください。24時間以内にご連絡いたします。

お名前
メールアドレス
保有資格・所属・ご要望など

LINEバナー
シェア
ツイート
はてブ
お気に入り
共感
29

関連記事