アルコール依存症家族に必要な3つの対応とは?再飲酒はどうすれば?【体験談】

2018.04.23公開 2020.05.13更新

アルコール依存症の対応を変えると何が変わる?

では、対応を変えることで、何が変わるのでしょう?

 

まずは、あなたの苦しみがずっと軽くなります。

 

それは、アルコール依存症患者を、そして自分自身を、責め続けなくて良くなるから。

 

怒りを溜めこんだり、相手や自分を責め続けるのって、ものすごくエネルギーを使いますね。

 

だから、今まで怒ることや責めることに使ってきた、あなたの貴重な時間とエネルギーを、自分自身の回復のために使えるようになります。

 

そして、あなたがアプローチを変えることで、状況も自ずと変化します。

 

では、実際にどのような対応をすれば良いのでしょうか。

 

ここでは、家族の適切な対応を3つ挙げたいと思います。

 

 

アルコール依存症家族の適切な3つの対応

お酒を飲む飲まないは本人に任せる

家族の適切な接し方1つめは、お酒を飲む飲まないは、すべて本人に任せて、干渉しないこと。

 

「でも、放っておいたら、もっとひどくなるのでは?」と心配になるかも知れませんね。

 

「このままでは大変なことになってしまう!」と心配だったから、今まで必死に頑張ってきたんですものね。

 

けれど、本人がコントロール出来ないものを、他の人がコントロールできるはずがないのです。

 

家族には、飲むのを止めさせたり、飲む量を少なくさせる力はないことを、まずよく理解して下さい。(たとえ認めるのが悔しくても!)

 

では、家族が干渉しなくなることで、どのようなメリットがあるでしょう?

 

まずは、今まで見張ることに使っていた多大なエネルギーと時間ができます。

 

それを、自助グループや家族教室などに通うなど、自分自身の回復に使うことができます。

 

また、干渉や監視をされなくなったアルコール依存症患者の状態が、良くなることもあります。

 

家族の干渉や監視に腹を立てたり、敵対する必要がなくなるからです。

 

そもそも、干渉されたり監視されて、モチベーションが上がる人はいませんね(笑)

 

 

飲酒の理由に振り回されない

適切な対応の2つめは、飲酒の理由に振りまわされないこと。

 

飲酒が原因で、次から次へと問題が起きているのに、アルコール依存症患者は、どうして飲み続けるのでしょうね?

 

「仕事のストレスがあるから」

「家族の態度が悪いから」

「心配事があるから」

 

アルコール依存症患者本人から、そんな理由を言われたかも知れません。

 

でもね、違います。

 

こういう理由があったから飲んだのではなく、飲んだことを正当化するために理由を考え出すのです。

 

本当の理由は、ただひとつ。

 

病気だから。

 

なので、「これさえなければ、飲まないでいてくれる」と思って、本人の言う理由を、あなたがなくそうと努力する必要はありません。

 

お酒が入った時の言動は、病気によるもの。

 

あなたはすごく傷ついたかも知れません。恨みたくなったかも知れません。

 

でも、それは「あなたに対して」しているのではなく、「あなたがいるにも関わらず」していることなんです。

 

その人はたまたまアルコール依存症という病気になり、苦しんでいる。

 

そして、あなたもちょうどそこにいた、ということなんです。

 

病気だからと言われて、完全に納得はいかなくても、少しは楽になるのではないでしょうか。

 

まずはあなたが楽になることが大事なのです。

 

 

病気の時と健康な時の言葉を見分ける

3つめは、病気の言葉と健康な言葉を見分けること。

 

アルコール依存症は、心の病気でもあります。

 

比較的心の落ち着いた状態の時と、病的な状態の時とがあります。

 

そのため、涙を流して断酒を誓ったかと思うと、「酒を飲んで死ねるなら本望だ」「自分の金で飲んで何が悪い」と平然と豪語したりするのです。

 

これはそれぞれ健康な心と病気の心が表に出ているんですね。

 

健康な心と病気の心の区別ができていないと、家族は二重人格ではないかと理解に苦しみ、振り回されて疲弊してしまいます。

 

病気の心から出ている言動は、病気がそうさせているのであって、その人本来の性格ではありません。

 

また、飲酒していない時でも病的な症状が出ることがありますので、飲んでいる時と飲んでいない時とだけで区別しないで下さいね。

 

病気の心からの言動は、まともに受け取る必要はなく(ただ、バカにした態度を取るべきでもありませんね)、その時は病気の症状が出ているのだと受け止めて下さい。

 

 

さいごに

以上、家族の適切な対応を3つ挙げました。

 

アルコール依存症患者に対する適切な対応を考える時、その前提となり、最も重要なのは、アルコール依存症は病気だと知ることです。

 

アルコール依存症が病気だと認識していないために、また、どういう病気なのかを理解していないために、本人も家族も、必要以上に苦しんでいることが多いのです。

 

アルコール依存症患者も、好き好んで病気になったわけではありません。

 

わざわざ病気になることを選ぶ人なんていませんから。

 

アルコール依存症が病気であり、目の前の人は病気で苦しんでいる病人だという視点を持つと、自ずと対応も変わってくるのではないでしょうか。

 

家族が見方を変え、対応を改めると、アルコール依存症患者にも何かしら変化が現れると思います。

 

まずは、自分自身が少しでも楽になるように、上に挙げた対応を心がけてみて下さいね。

 

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プリームみどり

ベルギー在住。夫がアルコール依存症になり家庭崩壊の危機に直面するが、 病気について学び自分自身を取り戻す。 自身のブログ「私から始めよう」では、周りに振り回されずに、 幸せに生きるためのメッセージを発信している。>>blog

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  • 本記事は2018年4月23日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。