うつで仕事のミスを連発…ミスの特徴と3つの対処法を精神保健福祉士が解説

2018.07.19公開 2019.05.16更新

うつでのミスの対処法とは?

では、ミスが起きないようにするにはどうすればいいでしょうか。

 

確認作業を他の人に担当してもらう(ダブルチェックを行う)

時間がかかっても、仕事の第一段階は自分でできることがあります。困難になるのはその確認作業です。作業内容のダブルチェックを行う意味でも、自分以外の人にも内容を確認してもらいましょう。

 

 

負担の多い作業は午後にまわす

うつ症状には日内変動があります。

 

午前中は集中力がきれやすいですが、午後は比較的できることが増えます。

 

頭がぼーっとして仕事がはかどらないときは、ファイリングや備品の整理などを行い、集中力が増す午後に仕事をまわしましょう。

 

 

休憩をとって頭を休める

眠気がひどかったりどうしても集中できなかったりするときは、休憩をとりましょう。頭を休めることが必要です。

 

 

ミスの対処に周囲の協力が必須

うつ症状によって起きるミスを自分で解決するには限界があります。

 

「自分の仕事を他の人に確認してもらうなんてできない」

「仕事中に休憩なんてとれない」

 

という方もいらっしゃるかもしれません。

 

しかし、うつから起こるミスは「自分さえがんばればなんとかなる」ものではありません。

 

できるだけ、周囲に協力を求めましょう。上司に相談し、負担を減らしてもらうことも必要です。

 

 

そもそも仕事が合っていない場合は?

基本的には「うつだから合わない仕事」はありません。

 

どちらかといえば、働きやすい環境にできるかどうかがポイントです。

 

人が足りず、ひとりが完璧に仕事をこなさなければまわらない状況やフォローを頼みにくい場合など、職場によって環境は異なります。

 

うつであってもそれ以外であっても「誰かがいないときにフォローに入れる体制」を作ることが必要なのです。

 

職場全体でそのような動きをとれなかったり、ひとりの負担が重すぎたりする場合は、仕事や職場が合っていないといえるでしょう。

 

 

さいごに

精神的な疾患以外にも仕事の負担を減らさなければならないことはたくさんあります。

 

インフルエンザ、出産、育児など、どれも仕事と生活のバランスを取りながら働かなければならないものです。

 

「自分ができる労働を提供する」という前提を忘れず、そのときできる仕事について職場と交渉しましょう。

 

もちろん、休養も大切です。

 

自分を仕事によって追い詰めないようにしていきましょう。

 

>>【まとめ】うつ病と仕事…精神保健福祉士コラム・お悩みQ&A【随時更新】

 

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菊池恵未

精神保健福祉士

精神保健福祉士として、都内NPOにて精神障害者の支援を行う。就労支援担当として面接同行や就職後の業務メニュー作成などをしてきた。障害年金や生活保護受給の相談にものっている。JCTA日本臨床化粧療法士協会認定のもと臨床化粧アドバイザーとしてメイクアッププログラムを実施。

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2018年7月19日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。