【大人の発達障害】家族の対応方法とは?相談先は?精神保健福祉士が解説

2018.11.03公開 2019.05.17更新

親が発達障害の場合の対応方法は?

自分の親は発達障害だった…?

「もしかして、自分の親は発達障害だったのかもしれない…」

 

発達障害の概念が周知されるにつれて、自分の親が当てはまるかも…と考える人が増えています。

 

発達障害者支援法が制定される以前から、発達障害の特徴を持つ方は大勢いましたので、周知されるにつれ、気づく人が増えるのも当然です。

 

【関連記事】

>>発達障害者支援法とは?概要や改正のポイントについて臨床心理士が解説

 

では、自分の親が発達障害の可能性がある場合はどのように対応すればよいのでしょうか?

 

病院に行った方がよいか?

発達障害の治療は、不安や興奮を抑えるお薬が処方されることもありますが、基本は、本人の特性をよく理解して、環境を調整していくケースワークが中心となります。

 

発達障害自体は脳の特性なので、それだけでは問題になりません。

 

社会的障壁があって、

①本人がつらい

②家族や職場で周囲の人が困っている

③引きこもりなど社会不適応になっている

等の問題が生じている時は、クリニックや行政に相談するのも良い方法です。

 

自分で自覚して、自らの希望で相談に行くのが理想的ですが、本人が困っておらず、家族が困っている場合は、まずは家族が相談に行ってみるというのも一つの方法です。

 

親への怒り、恨み…感情の解決が難しいときは

発達障害の特性を持つ方の中には、自分の子どもに対しても、

・コミュニケーションが苦手

・親としての受容的な対応が上手にできない

・家事や養育能力の低い

といった方がいます。

 

そのような親御さんに育てられて成人した方は、自分の親に対して、子ども時代にもっと気持ちを受け止めて欲しかった、共感して欲しかったと思っている方もいることでしょう。

 

また、自宅がいつも散らかっていて、毎日探し物をしていて嫌だった、親がすぐにパニックになって怒るので、怖かったという方もいることでしょう。

 

自分自身が大人になり、子育てを始める時、自分の子ども時代を思い出して、あの時の親の態度は許せない、と怒りや恨みの感情を持つ方もいることでしょう。

 

このような感情を持つのは当然のことです。

 

しかし、親御さんに、怒りの感情をいくらぶつけても、自分の気持ちを受け止めてもらうのは難しいかも知れません。

 

発達障害は脳機能の特性です。

 

このことを理解した上で、「いつかは自分の気持ちを受け止めてくれるかも知れない」と親に期待することをやめましょう。

 

その上で、今後、どのように付き合っていきたいか?現実的な問題を考えましょう。

 

気持ちの解決が難しい場合は、心理カウンセラーに相談するのも一つの方法です。

 

 

成人の子供が発達障害の場合の対応方法は?

相談に行った方がよいか?

成人した子どもさんに発達障害に該当するような症状が出ている場合はどのように対応すればよいでしょうか?

 

まず、発達障害は脳の特性で「通常低年齢で発現する障害」と定義にもあるとおり、幼児期までにその特徴が現れます。

 

子供時代に、全くその特性が見られなかったのに、成人になってから問題が出てきたという場合は、別の病気やストレスが関係している場合もあります。

・本人がつらい

・家族や職場で周囲の人が困っている

・引きこもりなど社会不適応になっている

…等の問題が生じている時は、発達障害であるかどうかも含めて、医療機関に相談してみましょう。違う病気の場合は、治療方法も異なってきます。

 

家庭内のルールを決める

成人している子どもさんが発達障害で、一緒に暮らしている場合は、家庭内のルールをきちんと作ることが重要です。

 

偏食が激しかったり、片付けが苦手でどんどん散らかしてしまったり、逆に、洋服や靴を決まったルールで並べないと気が済まないという方がいます。

 

家族には、それぞれの生活スタイルがあるので、ルールを決めることが大切です。

・共有スペースと個人のスペースを分ける

・健康を壊さない

・家族に迷惑をかけない

といったことを約束した上で、自分のこだわりは、個人のスペースの範囲でやるように決めましょう。

 

他の人から見ると理解できないこだわりでも、発達障害を持つ本人にとっては、生活リズムや精神安定を図るためにとても重要なこだわりである場合があります。

 

しかし、巻き込まれると家族の生活も成り立たなくなるので、ルールを決めることが重要です。

 

多様な価値観の人たちが、一緒に暮らすシェアハウスのように、お互いを尊重しながら共同生活に必要なルールを作っていけるとよいですね

 

クールダウンの場所を作る

発達障害の特性を持つ方は、時々パニックを起こすことがあります。

 

もちろん、定型発達の方でも、パニックを起こすことはありますが…、発達障害の特性を持つ方の中には、激しいパニックを度々起こす方がいます。

 

パニックを起こしている最中は、何を話しても無駄なので、落ち着くまで自室にいてもらう等、家族と少し離れることができるクールダウンの場所があるとよいでしょう。

 

そのような場所が無い場合は、家族の方が散歩に出る等、ちょっと離れる、時間を置くというのも一つの方法です。

 

物を壊したり、暴力暴言をふるうことは、発達障害のパニックだとしても決して許されることではありません。

 

どんな理由があったとしても、暴力はいけないことです。

 

興奮している最中に話しても伝わらないので、落ち着いた時に、そのことはきちんと伝えましょう。

 

そして、どうやって感情のコントロールをしていけばよいか?話し合っていけるとよいでしょう。

 

 

家族の相談先として活用できるものは?

お住いの自治体(市区町村)の障がい福祉課、社会福祉協議会、医療機関(クリニック、病院)のほか、下記機関も参考にしてみてください。

 

>>発達障害情報・支援センター(国立障害リハビリテーションセンター)

>>発達障害者の就労支援(厚生労働省)

>>ひきこもり地域支援センター(厚生労働省)

 

 

まとめ

発達障害の家族と暮らすのは、大変なことも多々あります。

 

まずは、本人と家族が、その特性についてよく理解することです。

 

発達障害は同じ診断名でも症状の現れ方がひとそれぞれです。

 

その人の得意なこと、苦手なことをよく理解した上で、どんな暮らし方をしていけば、お互いに気持ちよく暮らせるか、家族で話し合っていけるとよいですね。

 

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桜衣真里

精神保健福祉士

大学院修士課程修了後、専門学校、短大講師等を経て、公的機関の相談員として勤務。精神保健福祉士、保育士のダブルライセンスで、家庭問題、子どもの発達、保育・教育・療育関連の仕事に従事。東京都出身。二児の母。

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  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2018年11月3日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。

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