怒りと上手に付き合うアンガーマネジメントって?5つの方法を臨床心理士が解説

2018.11.17公開 2019.05.16更新

 

怒りと上手に付き合う5つの方法

①吐く時間が長めの呼吸

怒りが強すぎるときは、まずは身体にアプローチします。

 

鼻からゆっくりと息を吸い、口から細く長く吐き出します。

 

吐く時間を長くすることで、副交感神経を優位にし、リラックス効果があります。

 

②1から6までゆっくり数える

また、一般的に怒りのピークは6秒と言われているので、1から6までゆっくりと数を数える方法も有効です。

 

それでもうまく集中できないときは、

・相手のボタンの数を数える

・部屋にある窓の数を数える

といった方法もあります。

 

③その場を離れる

他には、一旦その場を離れて気持ちを切り替えるタイムアウトという方法もあります。

 

その場合は、状況によっては「少し外の空気を吸ってきます」と周囲に声をかけた方がいい場合もあります。

 

④紙に書き出して捨てる

身体にアプローチをして、少し冷静に考えるようになった場合は、外に出す方法が有効です。

 

感情は頭の中に入れたままにしておくと、どんどん大きくなります。

 

ただ怒りをそのまま言葉にしたり、何かを破壊することは適切な方法ではありません。

 

おすすめは紙に書き出す方法です。

 

濃い筆圧で紙に書きなぐり、そのまま捨てましょう

 

紙に書き出せないときは、スマホやパソコンで、ばーっと打ち込み、消してしまうのもおすすめです。

 

頭の中に留めておかず、どんどん外に出していきます。

 

⑤iメッセージで伝える

状況によっては相手に伝えなくてはいけない場合もあります。

 

そんなときは、怒りは不愉快なズレのサインだったことを思い出します。

 

自分の期待と現状にどんなズレがあるのかを考えた上で、そのズレによって、自分はどんな風に困っているかと置き換えてみます。

 

怒りは不愉快なずれによって困っている場合がほとんどです。

 

その困り事を自分を主語にした「i メッセージ」で相手に伝えます。

 

先ほどの例だと、

部下に対して「下案はどうなっているんだ!君は仕事をちゃんとやる気はあるのか?」

と相手を主語にするのではなく、

「下案がないと、進捗状況も分からないし、アドバイスも出来ない。私も困ってしまうよ。」

自分を主語にした「iメッセージ」にするのがポイントです。

 

 

さいごに

今回はアンガーマネージメントについて紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

 

怒りの対処は、他のどのような感情よりも難しいかもしれません。

 

怒りとの上手な付き合い方は、ポイントを押さえ、少しずつ練習することです。

 

突然うまくやることは難しいので、少しずつ日々の生活に取り入れていってください。

 

まずは、身体へのアプローチは取り組みやすいと思います。

 

また、怒りを冷静に分析するのが大変な場合は、カウンセラーなど第三者と一緒にやってみるのもおすすめです。

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石上友梨

臨床心理士

大学・大学院と心理学を学び警視庁に入庁。5万人の職員のメンタルヘルスを管理し、カウンセリングや心理検査、メンタルヘルス講義、拳銃選手のメンタルトレーニングなど幅広く活動。6年目で退職し、フリーランスに。発達障害を支援する活動に力を入れている。‬>>HPはこちら

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2018年11月17日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。