LGBTとは?割合・カミングアウト対応例・インタビュー【臨床心理士&当事者まとめ】

2018.11.22公開 2019.05.16更新

LGBTと消費活動

2015年4月の調査では、LGBTの消費・サービス市場が5.94兆円であることが発表されました(出典:電通ダイバーシティ・ラボ「LGBT調査2015」)。

 

その規模は、百貨店の年間総売り上げに匹敵します。

 

近年の研究調査では、LGBTを中心にした新たな消費傾向に注目し、「レインボー消費」と位置付けているものもあります。

 

商品やサービスを考える時に、対象をLGBT当事者だけに限定しないことも重要です。

 

例えば、ゲイの人専用につくられた商品がある場合、それを購入すること自体がカミングアウトになってしまいます。

 

LGBTの人を特別視するのではなく、LGBTの人たちと一緒に生きやすい社会をつくるという「インクルージョン」(包括)の視点を持つことが重要です。

 

【関連記事】

>> LGBTに対する企業の取り組みとは?LGBT当事者の臨床心理士がご紹介!

 

 

LGBTと企業活動

LGBTやダイバーシティ施策を行っている多くの企業では、その根本に研修制度を充実させています。

 

研修ではLGBTの基礎知識から、具体的にどういった場面で困っているのかという実際的なロールプレイまで、様々な試みがなされています。

 

日本で初めてとなる、企業のLGBTなどの性的マイノリティ、LGBTに関する取り組みの評価指標「PRIDE指標」が「Work with Pride」という団体により策定されており、53社の日本企業・団体がゴールド賞を受賞しています。

 

臨床心理学の世界では、完璧な人間や問題のない人間はいないと言われています。

 

そのような人間社会だからこそ、それぞれの不完全な部分や問題な部分を相互に認め合い、時に対処していくことが求められている時代なのかもしれません。

 

【関連記事】

>>LGBTフレンドリー企業の具体的な取り組みとは?LGBT当事者の臨床心理士が解説

 

 

LGBTと差別問題

「他よりも不当に低く取り扱うこと」ということを視点に、LGBTの差別問題について考えていきます。

 

G(ゲイ)である筆者は、日本ではパートナと婚姻の関係を結ぶことができません。

 

婚姻の平等が日本で認められていないことは、不当に扱われていると考えることができます。

 

私は自分で選んでゲイに生まれてきたわけではありません。

 

恋愛の対象が同性であるという性的指向は、自分の力で変えられるものではありません。

 

人間として生まれた私が、たまたまゲイであったというだけで、婚姻による様々な行政サービスや配偶者控除などの税制優遇を受けられないことは、「差別状態である」と言えるかもしれません。

 

トランスジェンダーと差別問題

T(トランスジェンダー。生まれたときの性と自認している性が一致しない方)の方は、就職の場面で、不当に低く取り扱われてしまうという話もよく聞きます。

 

例えば、生まれたときの性が男性で、性自認が女性の方は、就労で困難な場面に遭遇することがあります。

履歴書の性別欄はどちらにに丸をつけるのか…

服装や更衣室はどうするのか…

トイレはどう使うのか…

そのようなことに対応していなかったり、配慮が足りない企業では、採用を見送ったり決まった内定を取り消したりという話も聞かれます。

 

これも「差別問題」と考えることができるのではないでしょうか。

 

【関連記事】

>>LGBTと差別問題の実態や背景…差別問題を乗り越えるには?【鈴木茂義さん】

 

 

LGBTとカミングアウト

カミングアウトする割合

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【出典】LGBT当事者アンケート調査~2600人の声から~

 

カミングアウトする人の割合について、以下のようなデータがありました。

 

カミングアウトしたと答えた回答者が多かったことについて、分析を担当した国立社会保障・人口問題研究所室長の釜野さおりさんは次のように分析しています。

“今回の調査は回答者が別の当事者や支援団体などとすでにつながっていて、そこからの声かけで、アンケートに回答した可能性が高く、SNSやネットなどですでにカミングアウトしているという人が多かったのではないか。

この調査の存在を知らなかったり、調査について知っていても、周囲に知られたくないため回答できなかったという人からも回答が得られれば「(カミングアウトを)だれにもしていない」という答えがもっと多くなったのではないか”

私もこのデータを見たときに、カミングアウトをしている人が意外と多いなと感じました。

 

しかし、周りの人の話を聞いていると、誰にもカミングアウトをしていないという人が、もっと多いように感じます。

 

ある程度オープンにしている人はたくさんの人にカミングアウトをしているけど、そうでない人は周囲に全くカミングアウトをしていないという二極化が見られるかもしれません。

 

【関連記事】

>>LGBTのカミングアウトの割合や理由って?事例を挙げてご紹介

 

 

カミングアウトされたときの声かけ例

まずは受け止める

「あー、そうなんだ。」

「伝えてくれてありがとうね。」

「大事なことを話してくれたね。」

自分の気持ちを素直にI(アイ)メッセージで伝える

「身近にいなかったからびっくりしたよ。」

「いまどう反応していいか正直わからないよ。」

など、私は〇〇と思った、今私は〇〇の気持ちだ、と私を主語として伝えることは、相手を傷つけにくいです。

 

同時に、自分の気持ちを抑えすぎずに相手に伝えることができます。

 

相手の許可を取って質問する

「わからないことがあるのだけど、質問してもいい?」

「私にしてほしいことは何?」

「職場で困っていることはある?それともない?」

アドバイスではなく受け止める

相手から投げられたカミングアウトというボールを、「何とかして打ち返さなければ…」と考え、困ってしまったという話も聞きました。

 

初めはアドバイスや質問という打ち返し方ではなく、相手から投げられたカミングアウトのボールをキャッチして受け止めるというやり方がよいかもしれません。

 

【関連記事】

>>LGBTのカミングアウトをされたら?職場・家族の声掛け事例を紹介

 

 

東京レインボープライド2018レポート

2018年5月5日(土)は、ステージイベントに参加。

 

社会に対して声を上げていくことと同時に、仲間を増やしていくことが大事だと感じました。

「今まではゲイの小学校の先生として、自分だけが頑張って100の声を上げないといけないと思っていました。

 

でも今は違います。

 

1人が100の声を出すよりも、100人の仲間が手をつなぎ連携をすればいいのです。100人、1人1人が1の声を上げれば、それは100の力になると思います。」

「社会に対して声を上げることは大事です。でもそれだけではないです。声を上げることはできないけど、一緒に手をつなぐことはできるという人もいます。

 

1人の人が声をあげるだけではなく、その声をつなぎ、その声を広げていくことも大切にしていきたいです。」

といったことをシンポジウムの中でお伝えしました。

 

5月6日(日)は、昼からパレード。(パレードの様子はこちらからもご覧いただけます。公式HPより。)

 

今年はより多くの人に、学校の先生の中にもLGBT当事者の方がいると知って欲しいと思いました。

 

ですので私は、自身のカミングアウトのきっかけとなった「OUT IN JAPAN」のフロートに参加しました。

 

【関連記事】

>>らしく、たのしく、ほこらしく。東京レインボープライド2018レポート

 

 

LGBTに関するインタビュー

【LGBT×臨床心理士】大賀一樹さん

いじめのきっかけになったのは、幼少期からすごく女の子っぽかったことが大きいと思います。行動や振る舞いが、同じ世代の男の子と違うというか。

 

「この子は、なんで人と違うんだろう?」と言われたり、「協調性が無い」ようにみんなに見られていました。

 

「なんで君はこうしないの?」といった感じでずっといじめられていました。幼稚園から高校にかけて、ずっとです。

 

しかし、その頃は、その狭い社会で生きるしか術が無かったので、ちょっと不良みたいになって身を守ってみたり、人を遠ざけて生き抜いたり、自分自身が少し不安定な感じでした。

 

【インタビュー全文】

>>LGBT当事者の臨床心理士が語る、LGBTのマイノリティ性とは?

 

【LGBT×学校の先生】鈴木茂義さん

わりと早い段階、小学校1年生ぐらいで、「自分が好きになるにはどうやら女の子ではない、なんか周りとだいぶ違うぞ」と。気になるのは、近所のお兄ちゃんたちばかりで。

 

何となく「ゲイ?」と思う反面、好きな女の子はずっといたりとか。ちょっと性に対して揺れてる時期が、中学、高校ぐらいまで続いていたんです。

 

でも、そのことを誰にも言えず、当然、友達にも言えず、親にも言えず、先生にも言えず、そこがちょっと苦しかったところです。

 

その分、勉強のほうで認めてもらおうと頑張っていた、もがいていた子ども時代でした。

 

【インタビュー全文】

>>LGBTと教育に向き合う小学校の先生

 

【LGBT×カウンセラー】村上裕さん

私自身がゲイであることは、幼稚園ぐらいからあったと思います。

 

いじめを受ける中で、「オカマ」とか「ホモ」という言葉から同性愛の知識を得て、自分が何者かということを知っていったんです。

 

そんな僕に、高校のときに初恋の男の子がいたのですが、彼が自殺してしまったんです。

 

彼と私の境遇はよく似ていました。彼の場合、母子家庭ではないですが、とても複雑な家庭環境の中で育っていたようでした。

 

その彼が死んでしまったとき、福島という土地にずっといたら、そう遠くないうちに僕もきっと死んでしまうと思ったんです。

 

【インタビュー全文】

>>ゲイ、いじめ、母子家庭、二丁目との出会い

 

【LGBT×保健の先生】井上鈴佳さん

私がカミングアウトした時は、パートナーと一緒に正座して言ったんですけど、母親は「なんとなく分かってたよ」という風に言ってくれました。

 

父親は「すぐには理解できないけど、これから勉強していこうと思ってる」という風に言ってくれて、隣でパートナーは号泣でした。

 

LGBTの当事者として好きな人との子供が産めないというのは辛いですが、友達がいっぱいできて生き甲斐ができた感じがしています。

 

【インタビュー全文】

>>「1億人いれば1億通りの性のあり方がある」

 

【LGBT×うつ】森田和弥さん

最初はLGBTと聞いて、そもそもゲイって、いじめの対象になったり、本当に自分を隠してお芝居して生きなきゃいけない暗いイメージでした。

 

そんなイメージだったのが、堂々と生きている人たちを見た時に、学ぶことのほうが多くて。

 

自分自身、普通に生きていたら見れなかったものに触れることで視野が広がったことで、最初は全く触りたくなかったゲイという自分の一面がそうではなくなったという感覚ありますね。

 

【インタビュー全文】

>>「誰だって、人に言えない弱さや悩みはある」

 

【LGBT×渋谷区】永田龍太郎さん

私の場合は、いきなり「ゲイです」と打ち明ける感じではなく、「週末、みんなで遊んでて…」みたいな普段の会話の中で、徐々に小出しにしていったような記憶はあります。

 

実は、自分自身のカミングアウトをどうやってしたかって、あんまり覚えていないんです(笑)

 

なので、自分のことを知って欲しいというよりは「面倒くさいからもういいや」っていう感覚でしたし、その感覚が持てたという意味で、Gapの環境はすごく有難かったなと思いますね。

 

【インタビュー全文】

>>Gapから渋谷区へ。LGBTとOUT IN JAPANのこと

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  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2018年11月22日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。

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