【発達障害まとめ】仕事上の特徴・ミスへの対処・合理的配慮・周囲の接し方など

2018.11.28公開 2020.04.22更新

【発達障害】職場での接し方や指導法、5つのポイントとは?

上司の方は、他の部下への教え方や指導法では通用せず、どうしたらいいか分からず困ってしまい相談に来るケースが多いです。

 

発達障害の方への指導法は少し工夫が必要ですが、5つのポイントを押さえることで指導が楽になりますので実践してみてください。

 

 

1.具体的に伝える

曖昧な指示ではなく、何をどうするのか具体的に伝えるようにします。

 

言わなくても分かるだろうという暗黙のルールが通じない可能性もあるので、なるべく簡潔に細かく伝えた方が良いです。

 

 

2.視覚化

耳で聞いた情報を記憶として保持するのが苦手なので、目に見える形で指示することも有効です。

 

機械の操作方法は口頭で伝えるだけではなく、マニュアルを渡すのが良いでしょう。

 

また、想像するのが苦手なため、何かを教えるときは実際の物を見ながら伝えることをおすすめします。

 

 

3.メモを取らせる

自分の特性に気づいていない部下は、なかなかメモを取ろうとしない可能性があります。

 

まずはメモを取る癖をつけること、そして上手なメモの取り方を伝えることで、一度伝えた仕事の再現度が大きく変わってきます。

 

メモの取り方が苦手な方も多いので、ふせんを貼ったり多機能ノートを使うなど道具に頼る方法もあります。

 

 

4.相談して良いことを伝える

発達障害の部下はあきらかに困っているのに、なかなか相談して来ない場合が多いです。

 

相談して良いのか分からなかったり、人に頼るのが苦手な場合があります。

「何か困ったことはないか?」

「相談して良いんだよ」

と声をかけ、部下が相談しやすい環境を作ることも大切です。

 

発達障害の方はストレスが高くなると特性がより強くなる傾向があります。

 

環境を整えることで特性が薄くなる場合もあります。

 

 

5.叱るときに人格否定しない

これは発達障害の部下に限らないことですが、人格を否定しないように気をつけましょう。

 

怒られ続けて自己肯定感が低下している方は、二次障害として鬱になりやすいです。

 

また、言葉に敏感な特性を持つ部下は、上司のひとことにとらわれ、怒りを強く感じたり、環境を変えない限りいつまでも続くことがあります。

 

【関連記事】

>>発達障害の部下への仕事の教え方や指導の5つのポイントとは?臨床心理士が解説

 

 

【発達障害】合理的配慮と3つの対応例

「今の会社の仕組みでは困難なことがあるので、配慮をお願いします…」

 

このような申し出があった場合は、職場は合理的な配慮をしなければなりません。

 

その人が何に困っていて、どんな配慮を必要としているのかは人によって異なりますので、話し合いをしながら、職場でできることを考えていくことが必要です。

 

それではここで、3つの例を紹介します。

 

 

ケース1.情報の伝え方に工夫を

話を最後まで聞かない、話したことを忘れてしまうA君。

 

A君のようなタイプの方に話を伝えるときは、

・静かな部屋で

・できるだけシンプルに

・要点を手短に伝える

とよいでしょう。

 

雑談を交えたり、話が脱線すると、このような特性を持つ方には伝わりにくくなります。

 

聴覚情報処理が苦手なタイプの方と、文字情報の処理が苦手なタイプの方がいます。

 

聞くことが苦手な人には、文字や図を書いて説明したり、文字が苦手な人には、文書をただ渡すのではなく説明を加えたりするとよいでしょう。

 

 

ケース2.片づけのルールや段取りを伝える

片づけができない、物をすぐになくしてしまうBさん。

 

発達障害の方の中には、片づけがとても苦手な方がいます。

 

このような方には、頭ごなしに「ちゃんと片づけて下さい」と怒っても、どうやって片づけてよいのかわからず困惑してしまう人がいます。

 

会社で「暗黙の了解」とされているルールは、定型発達の方にとっても、わかりにくいものです。

「壊れた筆記用具は処分する」

「不足した文房具は、いつまでに倉庫から持ってくる」

「必要なものはいつまでに発注する」

「古い書類は何年分まではフォルダーに格納してキャビネットにしまう」

「机の上に出しておくものはコレ」

…と分類や整頓の手順やルールを具体的に示してあげるとよいでしょう。

 

 

ケース3.スケジュールを可視化する

いつも時間ギリギリになってしまうCさん。

 

このような方には、タスクを細分化して、スケジュールを可視化すると効果があります。

 

例えば、大雑把に「何曜日の会議までに書類を作って…」という依頼の仕方をするのではなく、

「何日までに、何を調べて」

「何日までに調べたことをまとめて」

「何日までにまとめたことを書類のフォームにして」

「何日までに何部印刷してホチキスで留めて会議室に運ぶ」

といった具合に、やらなければいけない業務を分解して、示してあげるとわかりやすいです。

 

【関連記事】

>>大人の発達障害は職場で迷惑?3つの対応例と合理的配慮を精神保健福祉士が解説

 

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近藤雄太郎

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  • 本記事は2018年11月28日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。