遺伝によるネガティブを乗り越える方法とは?臨床心理士が事例を挙げて解説

2016.02.21公開 2017.06.05更新
 
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「ネガティブを克服したい…」「ポジティブ思考を取り入れたい…」などなど、ネガティブな自分を少しでもポジティブにしたいと思うような時ってありますよね。

 

ネガティブかポジティブかは、遺伝の影響も受けるともされています。

 

そこで今回は、そんな遺伝によるネガティブを乗り越える方法について、臨床心理士の先生に解説してもらいました。

 

 

ポジティブ・ネガティブは遺伝で決まる?

「5-httplr」と呼ばれる遺伝子をご存知でしょうか。

 

この遺伝子は大きく分けると3タイプがあります。そしてそのタイプで過敏で心配しやすくなるか、大胆で楽観的になれるかが大きく影響を受けることが知られています。

 

過敏で心配しやすければ必然的にネガティブに、大胆で楽観的になれれば必然的にポジティブになりやすいものです。

 

ポジティブに生きられるか、ネガティブに生きることになるかには遺伝子が影響しているのです。

 

 

日本人は、ネガティブ民族

実は日本人の66%は、遺伝的にネガティブになりやすい5-httplr「SS型」と呼ばれる遺伝子を持っています。

 

なんとこれは世界最多です。

 

一方で、ポジティブになりやすい5-Httplr「LL型」を持つ日本人は、わずか3%です。これは世界最小です。日本人は全般的にネガティブになりやすいようです。

 

 

遺伝子が全てではないことも明らかに

ですが、ポジティブかネガティブかは、この遺伝子の作用だけでは決まらないことも明らかになりました。

 

そのきっかけは、俳優のマイケル・J・フォックス氏です。

 

マイケル・J・フォックス氏は、80年代に一時代を築いた青春スターです。映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズの主演を務めて世界的な名声を手にします。

 

しかし、人気絶頂を極めた28歳の時、信じられない不幸に見舞われます。パーキンソン病を発症し自由に動けなったのです。

 

完治は奇跡に近い難病です。その失意の程は、察して余りありますね。

 

しかし、マイケル・J・フォックス氏は決してあきらめませんでした。粘り強く病気と向き合って、病気と自分自身の市場価値の理解に努めました。

 

そして、病気を利用してパーキンソン病の患者薬で俳優復帰を果たしました。今では症状も軽くなり、自分の名前を冠したTVシリーズに主演するほど活躍しています。

 

 

ネガティブは「才能」

「ここまでポジティブなマイケル・J・フォックス氏は、ポジティブになりやすい「LL型」の保有者に違いない…」研究者の誰もがそう思いました。

 

しかし、実際に検査をしてみると、マイケル・J・フォックス氏は「SS型」でした。

 

過敏で心配性、つまりネガティブになりやすい遺伝子を持っていたのです。

 

実は、ネガティブは「才能」です。

 

「SS型遺伝子」のもたらすネガティブは、過敏さと慎重さ。

 

SS型は、人口が激減する大困難を経験している文化・社会で増えると言われています。

 

日本の場合で考えてみると、度重なる食糧難がありました。山がちで収益性の高い農業には向かない国土です。

 

より慎重に田畑を管理できるSS型が相対的に生き残りやすく、人口構成の中で増えていったことでしょう。私たちのご先祖は、ネガティブを才能に変えて生き残ってきたのです。

 

 

「何かできるはずだ」という信念

どうすれば、私たちにもできるのでしょうか。

 

ヒントはやはり、マイケル・J・フォックス氏にあります。

 

彼は、病気に敏感に反応しました。ただし、病気に恐れおののくのではなく、「病気の正体を見極める」ために反応したのです。

 

マイケル・J・フォックス氏は「何かできるはずだ」という強い信念を持っています。

 

これは彼の子ども時代から積み重ねてきた習慣です。だから絶望せずに、ネガティブ遺伝子を才能に変えることができたのです。

 

 

認知行動療法でネガティブを才能に

遺伝子は変えられませんが、信念は変えられます。

 

マイケル・J・フォックス氏のように、子ども時代からの習慣になっていなくても、心がけを重ねることで、いつからでも変えられます。

 

お一人で変えるのが難しい時は、私たち臨床心理士がお手伝いします。

 

私たちには、信念の書き換えをサポートする「認知行動療法」という方法を持っています。

 

あなたのネガティブも、いつからでも才能にすることができるのです。

 

 

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【執筆者】

杉山崇 臨床心理士

神奈川大学人間科学部 教授

 

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