【動画付き】パニック障害の症状とは?臨床心理士が詳しく解説

2016.04.01公開 2019.05.16更新

パニック障害に気づくまでのケース

一般的な、パニック障害の方の経過では、最初にバス・電車などでパニック発作を経験します。

 

パニック発作は、なんの前触れもなく突然やってきます。

 

そして、一気に「このまま死ぬのではないか?」という不安が襲ってきます。

 

なんとか、助かりたいけれど、助けを呼べない、逃げられないという恐怖でいっぱいになります。

 

その後、救急車で運ばれたり、その場はなんとか切り抜けて内科・呼吸器科等にかかりますが、異常は発見できません。

 

納得がいかないまま、病院から帰ってきます。そして、バス・電車に乗ると、「パニック発作が起こるんじゃないかな?」という予期不安が襲ってきます。

 

そのうち、急行で通勤している方が、いつでも下車できるようにと各駅停車の電車に乗るようになったり、バス通勤を止めて、いつでも助けが呼べるように車通勤にしたりする広場恐怖が出てきます。

 

その頃、やっと心療内科・精神科を紹介され、パニック障害だと診断をされるというケースが散見されます。

 

 

「パニック発作」と恐怖心・不安

パニック障害と診断されると、薬物療法によりパニックの消失が目指されます。パニック発作が起きると、次のパニック発作が出やすいためです。

 

薬物療法によって、パニック発作が止まったとしても、他の症状が残ってしまいます。

 

「パニック発作は、しばらく起こっていない」と頭のどこかで分かっていても、バス・電車に乗ると、「また、パニック発作が出てきたらどうしよう」と考えてしまいます。

 

そんな不安を消すために、相変わらず、各駅停車の電車にのり、ちょっと不安になると、「念の為に…」ということで、駅をおりて一休みします。

 

車に乗っていても、渋滞にはまると、「ここで、パニック発作が出てしまったら…」と考えて、渋滞を回避しようとするかもしれません。

 

このような「広場恐怖」が残ってしまいます。

 

また、実際にバス・電車などに乗った際には、少しのことで、「今の状態でパニック発作が出たら、どうなるんだろうという「予期不安」がやってきます。

 

走ったりすると息切れをして、「息切れがパニック発作を誘発するのではないか?」と考えて、走ることが怖くなる人もいます。

 

また、体のちょっとした不調がとても気になり、「自分は薬の副作用がでやすい体質だ」と思うなど、身体感覚に対する過敏性もあります。

 

 

克服法① 認知行動療法

認知行動療法では、このような症状に対して「エキスポージャー」という方法を用いて治療していきます。

 

エキスポージャーとは、あえて不安が生じる場面に直面していくことで、実際はパニック発作がでないこと、実は安全であることを学んでいく方法です。

 

例えば、急行電車にあえて乗ってみたり、高速道路で車を運転してみたりする広場恐怖へのエキスポージャーがあります。

 

また、エレベーター内でパニック発作が出てきたらどうなるかという最悪の想像をしてもらう、イメージ・エキスポージャーも用います。

 

実際に息切れをしたら、どうなるのか、目眩を起こすとパニック発作が出るのかということを実験してみる内部感覚エキスポージャーも用います。

 

このような、方法により、自分が考えている不安・心配は実際には起きないことであり、実際に起きても死ぬことはないという体験を繰り返してもらいます。

 

 

克服法② マインドフルネス

さて、もう一つのパニック障害の方の問題として、日常生活で不安に敏感になってしまうことがあります。

 

例えば、

・建物に入ったら、いつでも逃げられるように目で出口を探してしまう

・人が運転する車に乗ったら、その人の運転を細かくチェックしてしまう

などのように、常に不安の要素を消そうとしてしまい、日常生活で疲れてしまうのです。

 

そこで、マインドフルネスという技術も学んでもらいます。

 

マインドフルネスとは、自分の心の状態を静かに観察して、その感情を消そうとせずにその感情と共にあるという状態を作り出す方法です。

 

別の表現をすれば、不安を消そうとすればするほど、不安に弱くなってしまうので、不安を受け止めようとしていく方法とも言えます。

 

このように、パニック障害の治療では、薬物療法で治療できない部分に対して、認知行動療法やマインドフルネスといった治療法を行う必要があるのです。

 

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矢野宏之

臨床心理士

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  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2016年4月1日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。

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