働くの「先」を見つめる、一人ひとりに合った障害者就職支援

2019.02.15公開 2020.04.22更新

個別支援計画で大切にしていること

リミー
先ほどお話にも出た「個別支援計画」について詳しく教えていただけますか?
田中さん
はい。こちらはサンプルですが、利用開始時にお一人ずつ作ってもらっています。

 

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木所さん
まず見学時にお話を伺って、その後に3回ほど体験で来ていただきながら、方向性を一緒に考えていく流れですね。
リミー
方向性を考える上で大切なポイントはどんな点ですか?
田中さん
仕事に就くにあたって、「この仕事を通してどんなふうになっていきたいのか」「そもそもなぜ働きたいのか」といった、ご本人の価値となる部分がポイントですね。
田中さん
支援計画書は3ヶ月に1回は更新するので、その都度、進捗を確認したり、本人の希望が変化がないかなどの振り返りも必ず行っています。
リミー
「どうなりたいか」って最初から明確なわけではないですもんね。
田中さん
そうですね。「何ができるのか分からない」という方は、得意不得意を見極めていくところから始めたり、無理なく進められることが大事ですね。
リミー
利用者さんの中で、最初に多い課題感というのは?
木所さん
最初は「体調を安定させること」が多い印象です。朝起きて家を出るまでが、体が重くて辛いという方も多いので、まずは感情や体調を整えるところからサポートしています。

 

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リミー
訓練で仕事のスキルが高まっても、生活面が安定しなければ、安定して働くことは難しいですもんね。
田中さん
最初はできないことも必ず出てくると思うんです。でも、それは決して無駄にはならないんですよね。やってみた結果を振り返って、次に活かす繰り返しが大切です。
田中さん
最長でも2年という期間だからこそ、ひとつも無駄にしてほしくない。できない部分があっても問題なくて、それを乗り越えるために最大限サポートしたいと思っています。
リミー
ズバリ、良い個別支援計画とは?
田中さん
利用者さんの名前を隠しても、誰のものか分かると良いですね。
リミー
なるほど!
田中さん
あとは、ご本人の希望欄が就職だけに留まらず、これからの人生で目指していきたい事が反映されていると、ウェルビーで過ごすモチベーションにも関わってくると思います。
木所さん
支援員との振り返りがしっかり行われていると、就職後も安定して続いている方が多い印象ですね。
田中さん
最初は「就職したい」という気持ちが高まっている状態から、慣れが生じてモチベーションが下がることも少なくないんですね。
リミー
たしかに、そういうことって思い当たることあります…。
田中さん
そこで個別支援計画を通じて、ご本人の希望や「なぜウェルビーに来たのか」など、いつでも振り返られることはモチベーションを維持する上で重要だと思っています。

 

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木所さん
個別支援計画の内容も訓練や振り返りを通じて、どんどん具体的になってくれば、就職にも近づいてきますよね。
リミー
「事務職で働きたい」で済ませないということですね。支援スタッフの腕の見せ所でもありますね。
田中さん
重要ですね。利用者さんは一人ひとり違いますよね。同じ事務職を希望しても理由はそれぞれですし、信頼関係を築く上で個別性を認識することは非常に大切です。

 

トラブルってチャンスでもある

リミー
グループワークはどんな雰囲気なんでしょうか?
田中さん
楽しいものと真面目なものとテーマによって変わりますが、みんなが話しやすいように「否定しない」などのルールはしっかり作っています。
木所さん
それでも、言い争いやトラブルは起きますけどね。
リミー
人間、ですもんね。笑
木所さん
でもトラブルってチャンスでもあるんです。その方の価値観とかコミュニケーションスキルの課題が見えるところなので。対処方法を一緒に考えたり、ご本人がどうしたいかを伺います。

 

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リミー
なるほど。あと、発言すること自体に抵抗感がある人もいますよね。
田中さん
意見を言っちゃいけないと思っている方もいるので、「言って良かったな」「発言することは良い経験なんだ」と思ってもらえる空気づくりはすごく大事ですね。
リミー
いい空気づくりのために、スーパーバイザーとしてとっておきの一言ってあります?
田中さん
すごい振りですね。笑 一言って難しいな…。

 

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リミー
せっかくの機会なんで!
田中さん
そうですね、一般的に「気付き」が良いと言われますが、気付きが得られるということは、過去の経験と違ったことをやっているからですよね。
リミー
ふむふむ
田中さん
そうすると、もしかしたら過去のことを「何やってたんだ、自分」と落ち込んでしまう可能性もあるんですね。
リミー
たしかに…
田中さん
なので、「これまであなたが経験を積んできたから、ここに気付くことができたんですよ」と過去の経験を尊重した姿勢は常に意識しています
リミー
素人ながら、すごく納得します。さすが、スーパーバイザー!
田中さん
なんか恥ずかしいですね…笑
リミー
無茶振りついでに、「これは面白い」と感じた独自のカリキュラムってありますか?
田中さん
また無茶振り…笑

 

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リミー
すごく面白かったカリキュラム、お願いします!
田中さん
そうですね…、なんですかね……。印象に残ってるものとして、音楽好きな職員が、DJになってみんなで音楽を楽しもうという余暇活動は取り組みとして面白いなと思いました。
リミー
支援員さんがDJに!普段のカリキュラムと余暇活動にメリハリがあっていいですね!
田中さん
先ほどのは特殊な例ではありますが、利用者さんの声も踏まえながら、土曜日は自由に参加できる余暇活動を各センターでやっていますね。

 

最長3年の定着支援

リミー
就職後のサポートもお伺いしたいんですが、「定着率87%」って高いですね。
木所さん
就職後に支援者がいるのといないのでは、定着率が全然異なってきますね。

 

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リミー
定着支援では、具体的にどんなことをするんでしょうか?
木所さん
入社後、月1ペースでお仕事の現場の状況を見せてもらいます。会社との間に入ってお話を聞いたり、直接センターに来ていただいてお話を聞くこともあります。
田中さん
2018年度から定着支援事業も始まり、最長3年間は定着支援を受けることも可能になりました。
リミー
就職してからも関係が途切れないのは心強いですね。
木所さん
就職する前に担当していたスタッフがそのまま定着支援でもご一緒することが多いので、困りごとを発信しやすい環境ではあると思います。
リミー
就職後の最初の時期も、コミュニケーションの部分で課題感を感じる方は多いですか?
木所さん
やっぱりありますね。「同僚がギスギスしてて…」「飲み会に誘われるんだけど…」みたいな細かい部分でも、気になることは伝えてもらうようにしています。
田中さん
定着支援では、徐々にこちらが介入する頻度を下げていって、支援がなくても自立できている状態を目指しています。

 

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印象に残っている利用者さん

リミー
利用者さんの年代や男女比はいかがですか?
田中さん
年代は幅広いですね、平均すると30〜40代。男女比は6:4くらいですね。
木所さん
最近は発達障害の方が多くなってきています。ハローワークとか役所からの紹介も増えていますね。
田中さん
埼玉ですと、県からの委託でジョブセンターがありまして、そこで相談された方が医療機関で受診されてからウェルビーをご利用になるというケースもありますね。
リミー
どれくらいの期間で卒業するといった目安みたいなものあるんですか?
木所さん
1年〜1年半くらいの方が多いとは思いますね。早い方だと3,4ヶ月というケースもあります。

 

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リミー
生活習慣や体調管理ってしっかり時間をかける部分ですよね。
田中さん
3ヶ月ほど通えるようになると、生活習慣が整ってきていると判断しやすくなりますね。来てもらえる分、訓練の時間が増えるので、スキルも自ずと伸びていきますしね。
リミー
印象に残っている利用者さんはいますか?
木所さん
直近では、気分障害の男性の方ですね。それまで障害を開示せず働いていたこともあり、なかなか自分の苦手な事を言えなかったんですよ。
リミー
障害のことを打ち明けたり、苦手な事を言うって勇気が要りますよね。
木所さん
仕事ができる方でもあったので、人に頼れなかったり、頑張りすぎる面があったんです。「自分のことを見つめ直したい」と1年ほどかけて体調を整えて、無事就職されました。
リミー
木所さんからみて、その方が大きく変わられた点でどこでしたか?
木所さん
「人を頼れなかったけど、頼れるようになった」と仰っていましたね。「寝るのももったいない」という方でしたが、睡眠から生活リズムが整ったことも大きいですね。
リミー
人に頼る、しっかり寝る。この2つですね。
木所さん
契約社員として入社して、正社員を目指す道もありますからね。「我慢して体調を崩すよりも、何かあったときに配慮してくれる環境の方が良い」とも仰っていました。

 

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「あの時のひとことが支えに」

リミー
この仕事をやってて良かったなと思うのはどんな時ですか?
田中さん
週3日くらいから始められた利用者さんが、週5日通所できるようになり、無事就職まで支援できて、「一緒にちゃんと走れているな」と感じられた時ですね。
リミー
一喜一憂せず、長い目で見ることが大切なんですね。
田中さん
そうですね。就職までの長い目で見て、「今どこにいるのかな」「ずれてきてないかな」という視点は大事にしたいですね。
リミー
木所さんはどうでしょう、やっていて良かったエピソードとかは?
木所さん
…(知らんぷり)

 

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リミー
木所さん、聞いてますか?!
木所さん
…知らんぷりしてればスルーできるかなと。
リミー
いやいや、ぜひ聞かせてほしいです!笑
木所さん
では真面目に。利用者さんが卒業される時、「実は、あの時のひとことが支えに」と仰っていただくことがあり、すごくありがたいことだなと思っています。
リミー
素敵なエピソード、ちゃんとあるじゃないですか!なんで一回無視したんですか。笑
木所さん
少しふざけてしまいました。笑

 

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リミー
ちなみに「あの時のひとこと」で何かひとつ教えてくれませんか?
木所さん
引きこもりがちな方が見学に来られた時に、「人と話せるか不安」と仰るので、「私たちとしっかりお話できているので大丈夫です。」って言ったんです。
リミー
その「大丈夫」の一言に勇気づけられたんですね。
木所さん
もちろん、前向きになるような一言ではあるんですけど、今思えば、あまり言い切るのは良くないですよね。笑
リミー
逆にそれくらい人間味を感じられるのも嬉しいと思いますけどね。
木所さん
フォロー、ありがとうございます。笑 あとは純粋に「就職決まりました!」と電話をくれる方も結構いらして、すごく嬉しいですよね。
リミー
利用者さんとの距離が近いんですね。利用者さん同士はどうですか?
木所さん
過度に仲良くなる必要はないですが、「仕事をする時に困らないだけのコミュニケーションはしっかり身につけていきましょう」とお伝えしています。

 

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リミー
たしかに、仲良くなりすぎるのも考えものかもしれないんですね。
木所さん
皆さん大人なので、お任せしている部分はありますが、利用者さん同士、仲間というか同志みたいな意識が芽生えて、羨ましくもなります。
リミー
同志って、いい響きや…。

 

こんな方はウェルビーへ

リミー
最後に読者へのメッセージをお願いします。
田中さん
皆さん、一人ひとり違うという個別性を意識して、その人なりの事情や想いをしっかり把握した上で支援を始めることにかなり力を入れています。
田中さん
体験は何回もできるのでまずは気軽に見学にいらしてください。

 

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木所さん
「就職したい、でも不安」という人こそ見学に来てほしいです。
木所さん
生活面、キャリアプランなど不安も人それぞれかと思いますが、一人ひとりに担当が付くので、困ったときはすぐ相談して解消できますし。

 

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木所さん
就職したいという気持ちを実現するのはご本人なのですが、そのお手伝いがマメにできるのはウェルビーの良さでもありますので。
リミー
田中さん、木所さん、今日はありがとうございました!

 

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【ウェルビー】

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  • 本記事は2019年2月15日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。

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