認知行動療法を自分でやる7つの方法!ノート活用術を臨床心理士が解説

2019.02.02公開 2019.05.16更新

ノートを使って自分でやる7つの方法

認知行動療法を自己流でやるよりは、本屋さんなどでワークブックを購入し、手順に沿って進めることをおすすめします。

 

認知行動療法の種類により多少異なりますが、大まかな手順をご紹介します。

 

認知行動療法の仕組みを理解する

まずは認知行動療法がどのようなものか理解します。

 

気持ちに気づく

次に、具体的なストレス状況などを思い出し、自分はどんな気持ちだったのかを振り返りましょう。

 

意外と自分の気持ちに気づくのは難しいものです。気持ちに気づいたら、その気持ちを1-100%の間で数値化します。

 

現在の問題を整理する

どんな状況でどんな気持ちになり、どんな考えが浮かんだのか振り返ります。

 

気持ちと考えが一緒になってしまう方が多いので、分けて考えるように注意しましょう。

 

自分の気持ちがなかなか掴めないという方は、代わりに身体感覚でも良いと思います。例えば、お腹が痛くなる、頭痛、胃の不快感などです。

 

自動思考に気づく

自動思考とは、ストレス状況で頭に浮かぶ考えやイメージのことです。

 

その時の状況とは直接関係ないはずなのに、よく浮かぶ考えやイメージがあるかもしれません。

 

「自分はいつも失敗してしまう」「もうおしまいだ」などです。

 

自動思考にアプローチする

自動思考に気づいたら、

「その自動思考を支えている証拠はあるのか?」

「その自動思考は反証できるのか?」

など考えていきます。

 

自分のことだとうまく考えられない場合は、

「友達や家族が同じ状況で悩んでいたら、どうアドバイスするか」

と視点を変えて考えても良いかもしれません。

 

気持ちの変化に気づく

自動思考にアプローチした後に、気持ちが変化したか確認します。

 

先ほどと同じように、1-100%の間で数値化してみましょう。

 

下がっていたら、アプローチはうまくいったのかもしれないですし、変わらないようでしたら、別のアプローチが良いかもしれません。

 

継続する

上記の手順を、いろいろなストレス場面で振り返り、作業を継続していきます。

 

 

認知行動療法を自分で行う際の注意点

自分自身で取り組む場合

コストがかからない、自分のペースでできるというメリットがある一方、疑問があったときにカウンセラーに質問できない、やる気がないと続かないなどが挙げられます。

 

また、心理療法は相性もあるため、認知行動療法が合わない場合は具合が悪くなってしまう場合もあります。

 

そして、エネルギーを使う作業なので、ある程度、病気が回復してから取り組む方が安全です。

 

自分で行う場合は、多少のリスクがあることも頭に入れておいた方が良いですし、通院・服薬中の場合は必ず主治医に相談してください。

 

すぐに効果は出ないので継続すること

認知行動療法はすぐに効果が現れません。

 

今まで何年も慣れ親しんだ自動思考なので、一瞬で魔法のように変わることはできません。

 

少しずつ、少しずつ、日々の練習で変わっていくものです。

 

筋トレをイメージすると良いかもしれません。筋肉も一晩ではつかないと思います。

 

毎日、考え方の筋トレをして、

「あれ、いつの間にか考え方が柔軟になったな」

「許せるものやいろんな見方が増えたな」

と気づくと思います。

 

 

さいごに

今回は認知行動療法の基本的な部分をご紹介しました。

 

認知行動療法に取り組まなくても、ワークブックなどで自分の認知の仕組みについて理解して、知識をつけるだけでも効果がある場合も多いです。

 

私たち人間は、訳が分からない・見えないものには不安になりますし、恐怖を感じやすいものです。

 

しかし、つらいストレス状況に対して、

「こんな自動思考があるから、こんな気分になったり、こんな行動を取ってしまったのだ」

と仕組みが分かれば、それだけで気持ちに余裕ができたり、有効な対処法が浮かんでくるものです。

 

【関連記事】

>>認知行動療法の効果とは?期間や効果ないケースは?臨床心理士が解説

>>認知行動療法の発達障害への効果のエビデンスとは?臨床心理士が解説

>>自動思考が止まらない…コントロールする4つのコツとは?臨床心理士が解説

>>認知の歪みの10項目とは?傾向と対策を事例で臨床心理士が解説

 

【参考】

ADHD治療システムの中の薬物療法,その意義と限界(齊藤万比古 国立国際医療センター国府台病院)

エビデンスにもとづいた発達障害支援 : 応用行動分析学の貢献(<特集>エビデンスに基づいた発達障害支援の最先端)山本 淳一, 澁谷 尚樹

・大野裕『こころが晴れるノート』

伊藤絵美『認知行動療法入門講義』

シェア
ツイート
ブックマーク

石上友梨

臨床心理士

大学・大学院と心理学を学び警視庁に入庁。5万人の職員のメンタルヘルスを管理し、カウンセリングや心理検査、メンタルヘルス講義、拳銃選手のメンタルトレーニングなど幅広く活動。6年目で退職し、フリーランスに。発達障害を支援する活動に力を入れている。‬>>HPはこちら

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2019年2月2日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。

関連記事