幸せな結婚の5つの条件とは?夫婦である意味を臨床心理士が解説

2019.02.26公開 2019.05.16更新

幸せな結婚の欠かせない5つの条件

男女が出会った時に惹かれ合うのは「相違性」だと言われています。

 

例えば、

「自分が苦手なコンピューター関連に精通している」

「自分はインドアだけど、相手は世界中をバックパックで回っている」

といった「自分に無いもの」があると人間は強烈な魅力を感じてしまうのです。

 

しかし、その後の長期的な観点では「類似性」が最も重要になってくることがわかっています。

 

確かに、先ほどの例でみてみると、

 

「コンピューターばかりで外出頻度が低く、一緒にでかけても楽しいことが噛み合わない」

 

「休みになると海外に行ってしまい、なかなか会えない」

 

といったすれ違いが出てきそうですよね。

 

人間は異性と出会ったとき、本能的に「違い」に惹かれる傾向があります。

 

結婚を前提としたときは、少し落ち着いて「類似性」レベルを判別しましょう。

 

人生の類似度の高さ〜類似性〜

それでは、具体的にどういった「類似性」を見ればよいでしょうか?

 

まずは過去についてです。

 

お互いの過去が全く違った場合、「価値観のすれ違いが起きやすい」ことがわかっています。

 

極端な例ですが、相手は超一流企業の御曹司、一方の自分は庶民的な家庭に育ったとします。

 

前者の場合、「競争でいかに相手を負かすか」を重視した教育が行われてきたかもしれません。

 

しかし、後者の場合は「人間の輪」を大切にする養育環境で過ごしてきたかもしれません。

 

こういった家庭環境の違いは後々、価値観の違いとして大きな溝を作る原因となりかねません。

 

大切なのはこういった違いを排除するのではなく、「違いを理解している」ということ。

 

理由がわかれば、無用な対立もなくなります。

 

生活の中で譲れないものは同じ?〜価値観〜

たくさんの価値観がある中で、最も登場頻度が高いのが「毎日の価値観」です。

 

具体的には、

・最も優先する時間は「仕事」「一人の時間」「夫婦の時間」のどれなのか

・家庭内で重視するのは「食事」「掃除」「睡眠時間」「娯楽」のどれなのか

といった点です。

 

これらの価値観にずれがあると、毎日喧嘩が絶えなくなってしまいます。

「ほとんど会社にいて帰ってこない!」「私ばかり掃除して相手は何もしてくれない!」

などなど。結婚前に同棲して、関係が破綻してしまうカップルの原因はこのあたりにあります。

 

目指す家庭像は同じ?〜未来像〜

これは未来に対する「価値観」です。

 

人間は目標があるから行動します。

 

目標がなければ当然なんのモチベーションも湧いてこないため、引きこもってあてもなくゲームばかりする…という状況にもなりかねません。

 

さて、みなさんは結婚した後も会社に通う方もいれば、お家で家事に励む方もいらっしゃるかもしれません。

 

これらの行動には何かしらの目標が必ずあります。この目標にずれがあると、問題が生じます。

 

例えば、男性は「将来の実家の家業を継ぐため」に頑張っていたとします。

 

一方の女性は「将来夫婦で海外に転居することに憧れて」毎日節約に励んでいたとします。

 

このような場合、お互いの将来像がわかった途端に大きな混乱となること必至です。

 

お互いの「献身力」の高さ

進化論的に、男女は相手に「献身力」を求めることがわかっています。

 

献身的、つまり相手にどれだけの資源をあげることができるかが重要になってきます。

 

ここで言う資源とは、「時間・金・心」といった多くの方が持ち合わせているものです。

 

では、なぜ献身力が重要なのでしょうか?それはDNAを残していくためです。

 

子どもを生み、育てるためにはお互いがたくさんの時間・お金(昔であれば食料)・心の余裕を出し合う必要があります。

 

もし一方が、自分のことしか考えなかったとしたら、子どもを命の危険に晒すリスクが出てきます。

 

こういった進化論的背景があるため、「献身力」が重視されているんですね。

 

現在では共働き家庭がとても多くなりました。

 

男女ともに「仕事」に多大な時間を割いているわけです。当然、「家庭」に対する時間を圧縮せざるを得ません。

 

資源には限りがあるからです。

 

限りがある資源のパイをどれだけ相手に提供できるか、が幸せな結婚の鍵を握ります。

 

変化に柔軟な「マインドセット」

最後は心の持ちよう、「マインドセット」です。

 

結婚し、これまで他人だった人と何十年も添い遂げるということは多大な変化を強いられます。

・生活習慣

・食べるもの

・眠るリズム

・お金の使い方

など、枚挙に暇がありません。

 

これらの変化に対応できず、1つ1つをストレスとして感じていると、結婚生活はストレスの塊でしかなくなってしまいます。

 

重要なのは、「変化を受け入れ、適応する」マインドセット。

 

あなたは近い将来やってくる変化の波を乗りこなす自信がありますか?

 

 

さいごに

「結婚は難しい」と感じた方もいるかもしれません。

 

学校で教えてもらえないので、みなさん我流で一生懸命取り組みます。

 

今回の内容をご覧頂いた方ならご理解できると思うのですが、それは一種の運任せでもあります。

 

本能的に惹かれ合うことも大切です。でも少しだけ大脳を使って、心理学的視点から、考えてみてくださいね。

 

みなさんの婚活を心から応援しています!

 

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広瀬絵美

臨床心理士

心理学の大学を卒業後、広告会社にて勤務。退職後、心理系大学院修士課程を修了し臨床心理士資格を取得。精神科病院にて従業員のメンタルヘルスケア業務に従事する。また、国立研究所にて職場組織や妊婦さんのメンタルヘルスに関する研究にも携わっている。理想的な「ワークライフバランス」を目指し、研究と実践の両面から支援を行っている。一児の母。

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2019年2月26日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。