夫婦仲良しの秘訣!コミュニケーションのコツを臨床心理士が解説

2016.08.09公開 2016.09.06更新
 
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「最近、口を聞いてくれない」「すぐケンカになる」と、パートナーに不満を持つことは、一度や二度ではないかもしれません。

 

夫婦間のコミュニケーションにおいて、「共通のゴールを持つ」ということが大切になると言われています。

 

「そう言われても、なかなか難しい…」と思ったあなたに、夫婦円満のコミュニケーションのコツにについて、具体的な例を挙げて、臨床心理士の先生に解説してもらいました。

 

 

1回の話し合いで結論を出そうとしない

家庭内で起きる問題は、色んな要因が重なり合っていることが多いため、一度の会話で解決することは難しいものです。なるべく、何度も話し合える環境を作っていく必要があります。

 

夫婦間のやり取りとして、例えば、以下のような例が挙げられます。

 

(悪い例)

妻:「休みの日には、朝からそうじとかして、午後はゆっくりしたいんだけど…」

夫:「いや、平日は仕事で疲れてるから、ゆっくりさせてよ」

妻:「でも、そんなこと言ってたら、何もできないじゃない」

夫:「いや、休日は休みのためにあるもんだろ?」

妻:「だから、片づけを早く終わらせてゆっくりしたいんじゃない」

夫:「どうせやるんだから、どっちでもいいじゃないか」

妻:「私は、面倒なことは早く終わらせておきたいのよ」

夫:「自分でやるぶんはいいけど、おれは寝かせといてよ」

妻:「そしたら、私ばっかりやることになるでしょ」

 

 

(良い例)

妻:「休みの日には、朝からそうじとかして、午後はゆっくりしたいんだけど…」

夫:「いや、平日は仕事で疲れてるから、ゆっくりさせてよ」

妻:「でも、そんなこと言ってたら、何もできないじゃない」

夫:「確かにね。僕としては、後でやるから、午前中は寝てたいんだけど」

妻:「うーん。いっつも、この話になると、結論がつかないのよね」

夫:「そうなんだよね。また、ゆっくり話そう。」

妻:「うん。わかった。もっと、イライラしてないときなら、いいアイデアが出るかもね」

 

悪い例では、話し合いがヒートアップして、冷静な話し合いにならなくなっているのが、お分かりになると思います。一方、よい例では、話し合いがヒートアップする前に、話し合いを終え、次の話し合いへと繋げています。

 

はじめは、感情的なやり取りになる前に、上手く話し合いを終えることが難しいかもしれません。ただ、一度の会話で問題を解決しようとせず、多少、長い目で問題を解決していこうという心がけが大切になっていきます。

 

 

相手の意見や感情は変えられない

言い合いになってしまうと、「相手の意見や感情を変えよう」とあらゆる試みを取ろうとしがちではないでしょうか。

 

そのため、時には大声を出したり、家から出て行ったりなどの行動で、自分の意見を伝えようとすることがしばしば見られるかもしれません。

 

コミュニケーションのコツとして、「変えられるのは、自分の考えと行動だけ」という意識が大切になるでしょう。

 

(悪い例)

夫:「この書類、郵便局に出しておいてって何度も言ってるじゃないか」

妻:「ごめん。今日も忙しくて出せなかったのよ」

夫:「期限が決まってるんだから、時間あるでしょ?」

妻:「私だって、色々やることあるんだから。あなただって、書類出すぐらいできるんじゃない?」

夫:「時間ある時はあるけど、家に書類おいてるし…。とにかく、やっておいてよ」

妻:「結局、郵便局に行くのが面倒なだけなんじゃない?」

 

 

(良い例)

夫:「この書類、郵便局に出しておいてって何度も言ってるじゃないか」

妻:「ごめん。今日も忙しくて出せなかったのよ」

夫:「期限が決まってるんだから、時間あるでしょ?」

妻:「そういう言い方されると、私はきついんだけど。」

夫:「悪い悪い。でも、ちゃんと出しておいてよ」

妻:「出せるときは出すわ。あなたも、時間があれば出しに行ってね」

 

悪い例では、否定的なことを言われたときに、妻が報復しようとしている様子が見て取れます。言い換えれば、夫を攻撃することで、夫の態度を変えようとしています。

 

一方、良い例では、自分の感情を素直に表現し、相手に対する要求の形で会話を進めています。

 

「相手が、○○という態度だから、私は××という行動をとった」と言うことを止めて、「私は○○という感情を感じ、××という行動を選んだ」という形を取ることで、より建設的なコミュニケーションが可能になっていくでしょう。

 

 

人格・態度について批判しない

さらに、言い合いがひどくなると、相手の行動ではなく、人格・態度について批判したい衝動にかられる、なんてことはないでしょうか?このような場合は、「どの行動に注目にしているのか」を明確にすることが大切になります。

 

(悪い例)

妻:「茶碗を流しに持っていったら、油物とそうじゃないものは分けておいてって言ってるでしょ」

夫:「洗いだしたら、別に変わらないじゃないか。どうせ、洗うんだし」

妻:「洗う手間が全然違うんだから。私の身になって考えてよ」

夫:「だいたいさぁ、細かいんだよ。なんでも、完璧にできないんだって。」

妻:「あなたは、大雑把すぎるし、私の身になって考えてないのよ」

 

 

(良い例)

妻:「茶碗を流しに持っていったら、油物とそうじゃないものは分けておいてって言ってるでしょ」

夫:「洗いだしたら、別に変わらないじゃないか。どうせ、洗うんだし」

妻:「洗う手間が全然違うんだから。私の身になって考えてよ」

夫:「時間はそんなに変わらないって。」

妻:「全然違うのよ。それに、落ちにくいものもあるのよ」

夫:「ふーん。じゃあ、今度、俺が試してみるよ」

 

悪い例では、夫・妻の双方とも、ヒートアップして、気がついたら、相手の人格・態度について非難をしてしまっています。

 

一方、良い例では、一つの行動・一つの出来事をめぐって話を進めていることが分かると思います。このようなコミュニケーションを心がけることで、嫌な思いをせず、本当に伝えたいことを伝えられるようになると考えられます。

 

 

「お願い」は具体的に

お願いや指示が具体的でないと人はどうしていいか分かりません。お願いした内容に不備があったり、相手が間違えて解釈してしまって、会話がこじれてしまうことは良くあるのではないでしょうか。

 

(悪い例)

「今日は、忙しいから家のことまかせた」

「ちょっと、なんとかしておいてよ」

 

 

(良い例)

「今日は、忙しいから食事の準備と子供の様子をみておいて」

「ちょっと、相談にのってよ」

 

 

また、お願いをする際に、ポジティブな形で伝えるのもポイントです。具体的には、できるだけ、「○○をして欲しい」という形でお願いをするというものです。

 

(悪い例)

「私宛の郵便物は勝手にみないで」

「勝手にテレビのチャンネル変えないで」

「私に文句ばかり言わないで」

 

 

(良い例)

「私宛の郵便物を見る時は、私に一声かけて」

「自分の見たい番組があるときは言って」

「私に意見がある時はやさしく言って(/落ち着いているときに言って)」

 

とてもシンプルなことではありますが、お願いするときは、ただ「伝える」だけではなく、相手に「伝わる」ことが大切になります。お願いする相手のことを思って、より具体的にお願いを伝えてみてください。

 

 

相手の攻撃的な態度と意見を分けてとらえる

相手の態度と意見を一緒に考えてしまうと、感情的な反応しかできなくなってしまいます。

 

例えば、大きな声で、「俺に連絡しろと言っているじゃないか」と言われたとします。

 

この場合、相手の意見については「賛成できる・賛成できない」という判断をし、大きな声や強い口調に対しては、「大きな声で言われると、びっくりする」という意見を持つ、といったようなことです。

 

相手が、高圧的な態度で何かを伝えた場合、伝えられた内容よりも、高圧的な態度に反応してしまい、不毛なやり取りが続いてしまう可能性があります。

 

こういった時こそ、一歩引いた態度で、相手の態度と意見を分けてみようとすることで、落ち着いてコミュニケーションを取ることが期待できるでしょう。

 

 

すぐに反応しない

会話の中で、自分の感情や意見はめまぐるしく変わっています。ですので、自分の感情について気をつけていないと、感情的な発言をしてしまうことがあります。

 

どうしても感情的な反応・行動をとりたくなる場合は、意識的に一呼吸置いてみましょう。そして、「自分はどんな気持ちなのか」「相手に何を求めればいいのか」を整理して言ってみると伝わりやすくなるでしょう。

 

また、感情的な反応のしやすさは、自分の体調によっても変わってくると言われています。そのため、気持ちが落ち着かない場合は、休憩をして、意見をまとめることも大切になります。

 

その場合、「ちょっと、考えをまとめるから時間をもらう」「ちょっと、考えを整理するから待って」という言葉を使って休憩をすると、スムーズに休憩をとりやすくなるでしょう。

 

 

批判の対象になっている内容を明確にする

以下の会話のやり取りをまず見てみてください。

 

(悪い例)

妻:「あなたが、いつも帰りが遅いから、私がこんな風になるのよ」

夫:「でもさ、俺は仕事をやってきてるんだし、帰ってきたらきついんだ」

妻:「あなたはいつも、そればっかりでしょ。それが駄目なのよ」

夫:「そういわれても、しょうがないじゃないか! じゃあ、お前がかわりに仕事をするか?」

 

 

(良い例)

妻:「あなたが、いつも帰りが遅いから、私がこんな風になるのよ」

夫:「そうか。帰りが遅いと何が嫌なの?」

妻:「だって、二人で話し合わないといけないことが沢山あるでしょ。あんまり遅いと、あなたはきつそうだし、なんか気をつかうのよ」

夫:「そうか、だから早く帰ってきて欲しいわけね」

妻:「そう。そうしたら、二人でゆっくり話せるでしょ」

夫:「でも、今はなかなか早く帰ってこれないんだ」

 

相手の要望等を詳しく聞いた結果、建設的な内容であれば、批判を受けいれ、どうしていけばいいか考えてみましょう。もし、批判の内容が建設的でなければ、批判に同意しないことを伝えつつ、批判に対する理解を示すことも大切です。

 

批判に理解を示す方法として、以下のような言葉が挙げられます。

 

①部分的な同意:

「私は、確かに○○だった。」「そういう、一面もある。」

 

②可能性に同意:

「そうね。そうなるかもしれない。」

 

③価値観に同意:

「あなたが、それを大切に思うのは分かる。」

 

 

(悪い例)批判が建設的な内容の場合

妻:「子供がまだ小さいんだし、早く帰れるように上司に言えないの?」

夫:「なんで、そんなこと俺が言わないといけないんだ。それは、俺の問題じゃないよ。」

妻:「でも、あなたが遅く帰ってきて、家のことは私に押し付けるのよ」

夫:「そんなこと言われても…」

 

(良い例)批判が建設的な内容の場合

妻:「子供がまだ小さいんだし、早く帰れるように上司に言えないの?」

夫:「確かに、上司に相談するのは、一つの考えかもね。言ってはみるけど、上司が無理っていうかもしれないけど…そのときは、ごめん」

妻:「とにかく、言ってみてよ。時々は、早く返してくれるかもしれないし」

夫:「分かった。ありがとう」

 

 

(悪い例)批判が非建設的な内容の場合

妻:「もっと、早く帰ってこれる会社にしてよ」

夫:「いきなりは、難しいよ」

妻:「なんで?」

夫:「すぐに仕事はやめれないし、次の仕事もすぐに決まるか分からないし」

妻:「私だって、いっぱいいっぱいなのよ」

夫:「俺だって、いっぱいいっぱいなんだから」

 

 

(良い例)批判が非建設的な内容の場合

妻:「もっと、早く帰ってこれる会社にしてよ」

夫:「いきなりは、難しいよ。一体、どうしてほしいんだ?」

妻:「もっと、私の家での仕事を手伝って欲しいのよ。あなたは、私や子供に対して全く協力的じゃないじゃない」

夫:「確かに、仕事が忙しくて、そういうふうな所もある。」

妻:「いつも、そうやって、言い訳ばっかりしてるでしょ。私とか子供とかに全然時間をさいてくれないじゃない」

夫:「そうだね。君が、家族で過ごしている時間を大切にしているのは分かる。でも、会社を変えるのは難しいよ。」

 

 

タイムアウト

タイムアウトとは、自分の怒りがコントロールできないときに一時的にその場を離れ、自分の気持ちを落ち着けるテクニックです。

 

(悪い例)

妻:「あなたのね、そういう言葉に私は傷ついてきたのに…全く反省がないのね」

夫:「俺だって、色々と勉強もしたし、色々実践してるのに、そんな言い方はないよ」

妻:「だって、あなたは、全然変わらないじゃない!」

夫:「もう、イライラするから、頭を冷やしてくる(タイムアウトすると言ってもよい)」

妻:「そうやって、私から逃げるつもり?」

夫:「逃げるわけじゃない。」

妻:「じゃあ、どうするの?」

夫:「イライラするのを解消するために、パチンコに行ってくる」

妻:「なにそれ!逃げるのと何が違うの?」

夫:「だから、頭冷やすんだって。うるさいな」

 

 

(良い例)

妻:「あなたのね、そういう言葉に私は傷ついてきたのに…全く反省がないのね」

夫:「俺だって、色々と勉強もしたし、色々実践しるのに、そんな言い方はないよ」

妻:「だって、あなたは、全然変わらないじゃない!」

夫:「もう、イライラするから、頭を冷やしてくる(タイムアウトすると言ってもよい)」

妻:「そうやって、私から逃げるつもり?」

夫:「これは、タイムアウトって言ってならったやつだよ」

妻:「そう言って、あなた、どうせパチンコに行くんでしょ?」

夫:「パチンコにはいかないよ。前もって約束してたとおり、家の周りを一周したら帰ってくる」

妻:「ふーん。それで? それで、この話は終わりなの?」

夫:「タイムアウトは、気持ちを落ち着かせる時間だから、頭冷やしたら、戻ってくる」

妻:「そういって、話をやめるつもりなんじゃない?」

夫:「少し落ち着いたら、またこの話に戻ってくる。いま、話したら大声出すかもしれないし、落ちついたら、ちゃんと話すよ」

妻:「そう。だったら、いいわよ。約束だからね」

 

タイムアウト期間は、自分の気持ちを落ち着ける時間なので、なるべくリラックスできるような時間にします。タイムアウトは、タイムアウトを取る前に、あらかじめ会話の中で、伝えておく必要があります。

 

夫婦間の会話で、事前に決めておいたほうがいい事柄は、以下のような内容です。

・タイムアウトの時間(期間)

・その時間どこにいるか

・何をしてすごすか

 

 

 

その他に役に立つこと

 

もし批判されていると感じたら…

①何が起こっているかが分かるまでは、行動を起こさない。

②何を批判されているのかを、たずねる。

③批判されていることが明確になれば、それが建設的かどうかを確かめる。

 

・批判に対しては、「でも」「だって」「どうせ」を使って返事をしない

 

・「あなたは、○○と考えていて、(そして)、私は、☓☓と考えている」と伝える

 

・「私は、○○をするから、××はしてよ」という言い方をする

 

 

さいごに

夫婦間を問わず、円滑なコミュニケーションを取るための正解はないかもしれませんが、役に立つコミュニケーションのコツは、意外とたくさんあります。

 

いきなり、全部を駆使して、コミュニケーションを取ると、かえってぎこちなくなってしまうこともあるかもしれません。まずは自分の中で、しっくりきたポイントから、会話に取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

 

【記事提供】

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矢野宏之 臨床心理士

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