夫婦仲良しの秘訣!コミュニケーションのコツを臨床心理士が解説

2016.08.09公開 2019.05.16更新

「最近、口を聞いてくれない」

「すぐケンカになる」

 

パートナーに不満を持つことは、一度や二度ではないかもしれません。

 

夫婦間のコミュニケーションにおいて、「共通のゴールを持つ」ということが大切になると言われています。

 

「そう言われても、なかなか難しい…」

 

そう思ったあなたに、夫婦円満のコミュニケーションのコツにについて、具体的な例を挙げて、臨床心理士の先生に解説してもらいました。

 

 

1回の話し合いで結論を出そうとしない

家庭内で起きる問題は、色んな要因が重なり合っていることが多いため、一度の会話で解決することは難しいものです。

 

なるべく、何度も話し合える環境を作っていく必要があります。

 

夫婦間のやり取りとして、例えば、以下のような例が挙げられます。

(悪い例)

妻:「休みの日には、朝からそうじとかして、午後はゆっくりしたいんだけど…」

夫:「いや、平日は仕事で疲れてるから、ゆっくりさせてよ」

妻:「でも、そんなこと言ってたら、何もできないじゃない」

夫:「いや、休日は休みのためにあるもんだろ?」

妻:「だから、片づけを早く終わらせてゆっくりしたいんじゃない」

夫:「どうせやるんだから、どっちでもいいじゃないか」

妻:「私は、面倒なことは早く終わらせておきたいのよ」

夫:「自分でやるぶんはいいけど、おれは寝かせといてよ」

妻:「そしたら、私ばっかりやることになるでしょ」

 

(良い例)

妻:「休みの日には、朝からそうじとかして、午後はゆっくりしたいんだけど…」

夫:「いや、平日は仕事で疲れてるから、ゆっくりさせてよ」

妻:「でも、そんなこと言ってたら、何もできないじゃない」

夫:「確かにね。僕としては、後でやるから、午前中は寝てたいんだけど」

妻:「うーん。いっつも、この話になると、結論がつかないのよね」

夫:「そうなんだよね。また、ゆっくり話そう。」

妻:「うん。わかった。もっと、イライラしてないときなら、いいアイデアが出るかもね」

悪い例では、話し合いがヒートアップして、冷静な話し合いにならなくなっているのが、お分かりになると思います。

 

一方、よい例では、話し合いがヒートアップする前に、話し合いを終え、次の話し合いへと繋げています。

 

はじめは、感情的なやり取りになる前に、上手く話し合いを終えることが難しいかもしれません。

 

ただ、一度の会話で問題を解決しようとせず、多少、長い目で問題を解決していこうという心がけが大切になっていきます。

 

 

相手の意見や感情は変えられない

言い合いになってしまうと、「相手の意見や感情を変えよう」とあらゆる試みを取ろうとしがちではないでしょうか。

 

そのため、時には大声を出したり、家から出て行ったりなどの行動で、自分の意見を伝えようとすることがしばしば見られるかもしれません。

 

コミュニケーションのコツとして、「変えられるのは、自分の考えと行動だけ」という意識が大切になるでしょう。

(悪い例)

夫:「この書類、郵便局に出しておいてって何度も言ってるじゃないか」

妻:「ごめん。今日も忙しくて出せなかったのよ」

夫:「期限が決まってるんだから、時間あるでしょ?」

妻:「私だって、色々やることあるんだから。あなただって、書類出すぐらいできるんじゃない?」

夫:「時間ある時はあるけど、家に書類おいてるし…。とにかく、やっておいてよ」

妻:「結局、郵便局に行くのが面倒なだけなんじゃない?」

 

(良い例)

夫:「この書類、郵便局に出しておいてって何度も言ってるじゃないか」

妻:「ごめん。今日も忙しくて出せなかったのよ」

夫:「期限が決まってるんだから、時間あるでしょ?」

妻:「そういう言い方されると、私はきついんだけど。」

夫:「悪い悪い。でも、ちゃんと出しておいてよ」

妻:「出せるときは出すわ。あなたも、時間があれば出しに行ってね」

悪い例では、否定的なことを言われたときに、妻が報復しようとしている様子が見て取れます。

 

言い換えれば、夫を攻撃することで、夫の態度を変えようとしています。

 

一方、良い例では、自分の感情を素直に表現し、相手に対する要求の形で会話を進めています。

 

「相手が、○○という態度だから、私は××という行動をとった」と言うことを止めて、「私は○○という感情を感じ、××という行動を選んだ」という形を取ることで、より建設的なコミュニケーションが可能になっていくでしょう。

 

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矢野宏之

臨床心理士

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  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2016年8月9日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。