夫婦喧嘩の子供への影響…泣く子供へのケア方法とは?

2016.08.13公開 2016.09.06更新
 
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できるだけ避けたい夫婦喧嘩ですが、パートナーに対する、日々の小さなストレスが溜まってくると、感情的になって言い争いの一つや二つは起きてしまうものですよね。

 

しかし、もし夫婦喧嘩をしている光景を子どもが見てしまったら…。夫婦喧嘩の子どもに対する影響は、一時的なものではなく、子どもの人生にも影響を及ぼすこともあると言われています。

 

そこで今回は、夫婦喧嘩による子どもへの影響や、アフターケアの方法について、臨床心理士の先生に解説してもらいました。

 

 

夫婦喧嘩は、あって当然

今回は、夫婦喧嘩に焦点を当てていきたいと思います。書店には、「夫婦喧嘩をなくす方法」などと題の付く自己啓発本が多数並んでいます。

 

私個人の意見になりますが、数々の夫婦関係の問題を見てきて、夫婦喧嘩はないにこしたことはありません。

 

しかし、夫婦といえども意見の食い違いやぶつかり合いは当然あることなので、“なくす”という発想よりは、あっても“ごく自然なこと”だと考えています。

 

 

大切なのは、子どもへのケア

大切なのは、喧嘩をした後の子どもへのアフターケアです。

 

ここで、あるご家庭での夫婦喧嘩の一場面を紹介します。喧嘩と一言で言っても、軽い口論のものからお皿や包丁が飛び交うなど暴力が伴う激しい喧嘩もあります。

 

ここでは分かりやすいように、比較的激しい喧嘩の一例を挙げたいと思います。

 

 

ありがちな喧嘩の一例

酔っぱらって仕事もせずにフラフラしている父親が、母親と突然ケンカを始めたとしましょう。

 

お皿や酒瓶の割れる音なども聞こえてきます。眠りについていた子どもは大きな物音に目をさまし、両親のいるリビングへ入ろうとします。しかし、両親の怒鳴り声とすさまじい音を聞いて緊張してしまい、廊下でたたずんでいます。

 

子どもは、「いったいどうしたんだろう、何が起こっているのだろう」と不安になります。

 

「両親に何があったのか説明してもらいたい」

「『心配ないよ、大丈夫だよ』と不安をしずめてもらいたい・・・」

 

ところが、父親は部屋から出てくると、子どもに目もくれず、家から出ていってしまいます。続いて出てきた母親は、「お父さんは仕事で疲れてるのよ」と、一言だけ言うと風呂場へ行き忙しそうに洗濯を始めてしまう。

 

母親は、まるで何もなかったかのように片づけていますが、どこかピリピリしていて、とても「お母さん」と声をかけられるような雰囲気ではありません。

 

 

子どもは親への不信感と不安でいっぱい

そのような状況で、子どもはますます不安を抱えて、でも誰にも何もいえず「これは何でもないことなんだ」と、ただそう思い込もうとします。

 

このようなことが頻繁に起こる家庭の子どもは、「何が本当で何がウソなのか」わからなくなってきます。もちろん親の言うことは信用できません。

 

親も親で、自分のストレスや自分の悩みで精いっぱいで、子どもの不安を受け止めて安心させてあげるところまで手がまわらないのです。

 

 

子どもの感情がマヒしてしまう

そのうちに、子どもはこういうことが起こっても、何も感じないように感情を鈍麻させていきます。毎回毎回ケンカが起こるたびに、不安や恐怖を感じていたらやっていけません。

 

自己防衛的に、何も感じないように感情を麻痺させていくのです。

 

一番信頼すべき親に対して、自分が不安でいっぱいのとき、見守ることさえせずに無視をする。一番親を必要としている時に、放っておかれる。これが頻繁に起こる家庭では、他人に対する信頼感が育ちようがありません。

 

重要なことがあっても誰にも助けを求めず、自分ひとりの胸に押し込んで処理する癖がみについてしまうのです。この様な家庭で育った子どもが大人になった時に、突然の大声や大きな物音を聞いた時に、一気に緊張感が高まり、パニックに陥ってしまうのは容易に想像がつくと思います。

 

 

子どもへのアフターケアの方法

では、こういった夫婦喧嘩が起こってしまった時、どうすればいいのでしょうか。

 

子どもが不安におびえているときは、そっと抱き寄せ、

 

「お父さんがいったことにお母さん、怒ってしまったのよ。あなたにまで怖い思いをさせてごめんなさいね。お父さんが帰ってきたら仲直りするから大丈夫、心配しないで」

 

などといえば、子どもは「お父さんとお母さんが怒っているから、びっくりした」とその時の感情を正直に話すことができます。

 

 

父親も子どもに、

 

「お母さんとついケンカしちゃったよ。たまには意見が合わないこともあるんだよ」などと伝えればいいのです。

 

「お父さんとお母さんもケンカすることがあるんだな。でも、また仲直りするから大丈夫なんだな」と子どもも納得でき、不安から解放されます。

 

 

さいごに

何かあっても、それで自分の世界が壊れてしまうわけではないということがわかります。怒った時はケンカをしてもいいし、「怖いよ」といってもいいんだ。自分の感情を押し込めなくてもいいことがわかってきます。

 

もしこのような対応が難しいようであれば、夫婦喧嘩のアフターケアとして「お父さんとお母さんがケンカしているのは、○○のせいじゃないよ」と一言伝えるだけでも子どもは安心してくれるでしょう。

 

子どもは幼ければ幼いほど、親の喧嘩を目の当たりにした時に、

 

「自分が悪い子だから・・・」と思い込みやすいものです。

 

子どもの自責感を和らげるための「一言」をアフターケアとして、子どもに伝えることで安心できるのではないでしょうか。

 

 

【記事提供】

佐藤文昭 臨床心理士

おやこ心理相談室 室長

詳しい情報・お問合せはこちら

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