子供の自傷行為の心理や対応法とは?臨床心理士が解説

2016.08.20公開 2016.09.06更新
 
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「子供がリストカットをしているのを発見してしまった…」

 

できれば、あまり遭遇したくない状況ですが、リストカットをする子供は少なくありません。そこで今回は、リストカットなどの自傷行為の心理や周囲の人の対応方法について、臨床心理士の先生に解説してもらいました。

 

 

10人に1人は自傷行為の経験あり

わが子が自分の身体を故意に傷つけると、ご両親はとてもショックだと思います。また傷や行為を発見した時に、どのように対応したらよいか戸惑ってしまうかもしれません。

 

日本の女子中高生の12・1%、男子でも9.5%に自傷行為の経験があるというデータがあります。女子の間では、「友達の○○ちゃんがやっているから、私もやっている」など一つの流行のように軽い気持ちでやっている子も少なくありません。

 

 

自傷行為を行う心理とは

リストカットなどの自傷行為は、必ずしも自殺するつもりで行うわけでもなければ、周囲の気を引きたいだけでもなく、不快な感情をやわらげるために切っているケースが多いようです。

 

つまり、リストカットは何らかのストレス解消の役割を果たしていて、わざわざ自分で手首を傷つけなくてはならないほどのストレスを抱えた状態にあると考えられます。

 

 

周囲の人がやってしまいがちなこと

リストカットなどの自傷行為が、何らかのストレス解消の役割を果たしていると考えると、「リストカットなんてやめなさい!」と頭ごなしに叱ったり、「もっと自分を大切にしないとダメ!」と、たしなめたりするだけでは止める効果はなさそうです。

 

私の出会ったあるご家族では、リストカットを繰り返す娘に代わって、母親がカッターやナイフを取り上げた結果、自分の爪や歯を使い、より激しく身体を傷つけ始めてしまい、何の解決にもならなかったというケースもありました。

 

一般的には、問題行動が起こると、その行動自体を何とかしようとしますが、残念ながらその多くは失敗に終わってしまいます。

 

 

自傷行為の背景にある気持ちを見つめて

心の問題を扱う場合、行動に注目するのではなく、その行動の背景にある気持ちに焦点を当てることがポイントになります。

 

まずは、子どもが手首を切らずにはいられないほどの辛い思い(気持ち)を抱えていることを受け止めたうえで、

 

「できればしない方がいいと思っていること」

「あなたの傷を見るとお母さんはとても悲しい」

 

と、親としての素直な気持ちを伝えてあげることが大切です。

 

そして、そのために手助けできることがあれば教えて欲しいということ、悩みやストレスがあるのなら相談してほしい、ということを穏やかに真剣に伝えてあげるのがいいと思います。

 

 

さいごに

自傷行為は、ショッキングな出来事であるが故に、周囲の人は、つい感情的に対応してしまうことも少なくありません。

 

しかし、自傷行為そのものを止めようとし続けていても、いたちごっこになり、お互いにストレスがかかり、状況が悪化してしまうことも考えられます。

 

自傷行為を避けるためにも、まずはその背景にある、ご本人の気持ちを丁寧に汲みとってあげることが大切なのではないでしょうか。第三者的な立場からアドバイスをしてくれる、臨床心理士などの専門家がいる相談機関を頼るのも一つです。

 

 

【記事提供】

佐藤文昭 臨床心理士

おやこ心理相談室 室長

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