うつ病で休職中…退職前に考えておきたいことを心理相談員が解説

2016.08.21公開 2019.05.16更新

「退職しか選択肢がない」と考えてしまう時は

「うつ病になるまで働かせた職場に戻りたくない」と、怒りに満ちた気持ちが強いこともあると思います。

 

ですが、怒りや苛立ちに任せた決断は、方向性を間違うこともあります。

 

その場合には、休職中に“転職シミュレーション”を十分に行うことを提案します。

 

この時のポイントは、次の職場で同じことが起きそうになった場合の対処法を考えることです。

 

例えば、

・残業が続き、疲れがたまっているとき、どう対処すればよいのか

・転職先でも、似たような上司だった場合に、どう対処すればよいのか

・仕事内容で困ったとき、失敗しないための方法はどうか

などです。

 

心のバランスが崩れている時は、事実に感情が上乗せされがちです。

 

ですが、“感情を事実と切り離して考える”習慣を身に付けないと、次の職場で同じようなことが起きた場合に、解決していない感情が上乗せされ、感情のコントロールができなくなることがあります。

 

しっかりと考えた末に、「退職をする」という選択をすることは、悪いことではありません。

 

次の職場では、あなたらしく生き生きと過ごせるかもしれません。

 

しかし、多くの場合、どんな職場でも抱えている問題はあるものです。

 

次の職場でも、またつらい状況にあなたが追い込まれないために、休職時間を、上手に使ことをお勧めします。

 

 

まとめ

うつ病で休職中の時は、復帰すべきか、退職すべきかの答えを出す前に、「何が、あなたの心のバランスを崩させたのか」を考えてみましょう。

 

そして、そのストレスの元をできるだけ明確にするとともに、退職した場合のシミュレーションを行うことをお勧めします。

 

物事には、色々な考え方やとらえ方、選択肢があります。

 

「0か100か」と焦らずに、休職時間を有効に使ってください。

 

 

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村松真実

看護師・心理相談員

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2016年8月21日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。