
「ほどよい母親」が良い理由とは?臨床心理士が解説
子育て真っ只中のお母さん、毎日、家事に育児と本当にお疲れ様です。
そんな日々がんばっているお母さんたちに、「ほどよい母親」が良い理由について、臨床心理士の先生に解説してもらいました。
「ほどよい母親」とは?
イギリスの小児科医・精神分析医でウィニコットという先生は
「ほど良い母親 good enough mother が良い」ということを言っていました。
完璧である必要はない、少しミスするくらいがちょうど良い、という意味です。
「ミスに気づいたら修正するようなお母さんが良いお母さんだ」ということですね。
「完璧なんて無理」が健康の証
私が出会うお母さん方の中には
「子どもを可愛く思えない…立派なお母さんになれない…」と思い悩む方がいます。
実はそういったお母さんに見られる共通点は、お母さん自身が子どもの頃から「いい子」を求められてきたということです。
「きちんとしなければいけない」と言われ続けてきた人は、大人になり、母親となってもそれを必死に続けようとします。
食事は手づくり、お部屋はいつもきれい、子どものしつけや教育、近所づきあいなども全てパーフェクト!そういった高い意識で母親業を行うことは別に悪いことではありません。
しかし、実際子育て真っ最中では、時間的にも体力的にも余裕が持てず、とても難しいことです。
むしろ「完璧な母親なんて無理!」と思うのが健康の証であって、無理にそうあろうとするのはイエローカード、もし完璧にできているとしたらレッドカードかもしれません。
もし完璧だったとしても…
もし完璧にできているお母さんがいたとすると、多くの場合、その子どもが大変苦労していることも少なくありません。
「家庭」というものは他人と比べることがなかなか難しく、一見よそは皆しっかりしているように見えますが、それは大きな間違いです!多くの母親は、部屋もたいていは来客時だけきれいにしている程度です。
さいごに
子育ては24時間、年中無休。
子どもといえども、異なる人格のぶつかり合いですから、時にはキレて当たり前。むしろそれだけ真剣に接している証拠であり、正面から向き合っていることの証明でもあるのです。
つい完璧を求めてしまっていたら、ぜひ「ほどよい母親」を心がけてみてくださいね。
【記事提供】
佐藤文昭 臨床心理士
おやこ心理相談室 室長