いじめがトラウマに…いじめ後遺症について臨床心理士が解説

2016.09.13公開 2017.03.24更新
 
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不幸にも、中学などの学生時代にいじめに遭い、数年経った今でも「生きづらさ」を感じる人は少なくありません。

 

いじめによる傷つき経験がトラウマになり、その後の人間関係や心の健康状態にも影響を及ぼすことがあります。

 

そこで今回は、いじめトラウマの後遺症について臨床心理士に解説してもらいました。

 

 

自殺にまで追い込む「いじめ」

子どものいじめ自殺がクローズアップされています。9月1日は、若者の自殺が急増する日だとかで、夏休みの終わり頃になるとよくテレビで取り上げられています。

 

いじめも様々な形があります。私も仕事柄、学校でのいじめにまつわる話をよく聞きます。学校で同級生たちに寄ってたかって継続的に被害に遭われたという経験をお持ちの方も多いです。

 

いじめられた記憶というのは、被害に遭われた方の人生に「破壊的なダメージ」を与えることがあるのです。

 

 

子供時代に傷つくダメージの大きさ

いじめは、被害者に非常に理不尽な想いを与えるものです。

 

そう言うと、「大人になったら、理不尽な想いをすることはよくあることだから大したことない」と思われる方もいらっしゃるかと思います。

 

しかし、子ども時代に傷ついた記憶を抱えることと、大人になってから「世の中にはどうしようもない人もいるのが普通だ」ということを理解した上で遭遇する理不尽な想いとはダメージの強さが違うのです。

 

 

深い傷つき体験が植え付けるもの

深い傷つき体験は、「自分はダメなヤツだ」とか「私には生きる価値もない」という否定的な自己認知を植え付けます。これが子どもを自殺に追い込むものの正体です。

 

いじめの被害に遭った子ども達は「否定的な自己認知」という、周囲からは目に見えない心の中の敵と戦い続けなければならなくなるのです。

 

 

フラッシュバックとして甦る傷つき経験

子ども時代のいじめ記憶を持ちながらも、なんとか努力して善き大人になろうと努力されて、社会に出られて、しっかりと社会の役割を担っている方もおられます。

 

一方で、そういう方の中には、大人になってから理不尽な想いをされたときに、その状況が子どもの頃の傷つき体験と重なって、どうしようもない精神的・身体的な苦しみが襲ってきて、仕事が続けられなくなる方もおられます。

 

過去の子ども時代に深く傷ついた経験や記憶は、できるだけ思い出したくないものです。記憶の底の方に蓋をして封印されている方がほとんどです。思い出すだけできつくなる記憶をあえて思い出そうとする人はいません。

 

しかし、蓋をして封印された記憶は、過去の記憶と同じような理不尽なシチュエーションに陥ると、大人になってからも突然封印が解けて暴れ出し、フラッシュバックが起きることがあります。

 

目の前に直面している理不尽なシチュエーションが過去の傷つき体験のフラッシュバックを呼び覚ましているようです。過去の傷つき体験のときに表現することができなかった怒りの感情や恐怖が襲って来る方もいらっしゃいます。

 

 

いじめ後遺症への対処法は?

子ども時代に起こったいじめ被害をできるだけ最小限に抑える方法は、周囲の大人が、「とにかく、守ってあげる」という姿勢で精神的に支えていくことだと思います。

 

「守ってくれる人がいる」という想いは、いじめられている子どもの大きな支えになるだけでなく、その後の人生で抱え続けることになる傷つきの深さを緩和してくれます。

 

それでも、いじめの後遺症が残ってしまったら、回復して本来の人生を取り戻す方法として、EMDRという選択肢があります。

 

 

さいごに

今回は、いじめトラウマの後遺症について、臨床心理士に解説してもらいました。

 

日常生活の中で、周囲の人との信頼関係を丁寧に築いていきながら、生きづらさを解消していくことが、これから続く人生を善きものにしていく上で大切になりそうです。

 

トラウマの治療法としてEMDRなどもありますので、専門家のサポートも活用することで、ご自身の問題改善に役に立ててみてください。

 

 

【記事提供】

原賀原賀一敏 臨床心理士

詳しい情報・お問合せはこちら

 

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