先生がいじめに加担?「学校内虐待」について臨床心理士が解説

2016.09.21公開 2016.09.22更新
 
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「先生に助けてを求めたのに、ひどいことを言われた」「先生が介入したことで、さらにいじめがひどくなった」

「先生は何もしてくれない…」

 

学校内で起こるいじめなどの問題において、先生の役割はとても大きいものがあります。その一方で、先生の介入方法によっては、いじめから派生して虐待となるケースも見受けられるようです。

 

そこで今回は、教室内で起こりうる問題について、「学校内虐待」という観点から臨床心理士に解説してもらいました。

 

 

教師がいじめに加担?

いじめにも様々な形があります。私も仕事柄、学校でのいじめにまつわる話をよく聞きます。なかには、教師がいじめる側に加わっていたとしか思えないような事例と出会うことがあります。

 

教師がいじめに加担するとき、単なるいじめというよりは、傷つき具合のインパクトに大きな違いがあることから「学校内虐待」と表現する方がよいのではないかと思えるときもあります。

 

 

教室の閉鎖性と教師の力

教師と生徒、大人と子どもという圧倒的な力関係がある場で、たまたま児童や生徒が作った集団の力動に乗っかってしまい、教師がいじめる側に加担してしまっていることに気づかずに間違いを犯すことがあるようです。

 

教室という閉鎖された空間の中で起こることについては、教師の間違いを止める人はいません。

 

過去には教室で、いじめっ子たちが企画した「葬式ごっこ」に教師まで加わってしまい、不幸にしていじめられていた子どもが自ら命を絶ってしまうという事件がありました。

 

これは極端な例かもしれません。しかし、これと似たような出来事は、教室という外からはなかなか見えない空間で、よく起こっているのかもしれません。

 

 

虐待による激しい後遺症

養護施設や児童自立支援施設においては、職員から入所児童への暴力事案が後を絶たず「施設内虐待」という言葉まであります。施設内虐待については、さまざまな形で取り沙汰される機会も増えました。

 

学校における教師と児童・生徒の関係においても、施設内における職員と入所児童と同じ側面があるのではないでしょうか。

 

大人と子どもという圧倒的な力の差が背景にあり、一歩間違えると虐待が起こりうる関係にあるにもかかわらず、外部から見えにくいところで起こっていることから、よほどのことがないと取り沙汰されることがありません。

 

教師のみなさんにも、いじめられている子どもが虐待によるトラウマまで抱えることになると、成人してからも激しい後遺症に苦しみ続ける場合があることを知ってほしいものです。

 

 

さいごに

今回は、教室内で起こりうる問題について、「学校内虐待」という観点から臨床心理士に解説してもらいました。

 

閉鎖性の強い組織における上下関係には、問題を無自覚に大きくさせ、取り返しのつかなくなるリスクが潜んでいる一面が伺えます。

 

テレビのニュースなどで取り上げられる、学校内でのいじめや生徒の自殺などのショッキングな出来事の予備軍となるような問題は、すぐそばで起こっているかもしれません。

 

 

【記事提供】

原賀原賀一敏 臨床心理士

詳しい情報・お問合せはこちら

 

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