指示待ちの子供の積極性を育むには?臨床心理士が解説

2016.09.25公開
 
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子どもに対して、つい「早くしなさい!」「宿題はやったの?」などと言ってませんか?

 

子どものことを気にかけているが故に、細かい確認をしたり、場合によっては、子供のために習い事の準備をやってしまうなんてことも、少なくないようです。

 

しかし、子どもへの過度な干渉は、いつしか子どもの積極性や自発性を損ない、「指示待ち」となるリスクも潜んでいます。

 

 

そこで今回は、指示待ちの子どもの積極性の育み方について、臨床心理士に解説してもらいました。

 

 

増える「指示待ち」の子ども達

「ああしなさい、こうしなさい」と言われれば動くけれど、指示がなければ、自分からは自発的に動こうとしない…

 

そのような子ども達は「指示待ち」の子と言われていて、年代問わず、比較的多く見受けられます。

 

指示待ちの子どもたちは、自分から「こうしよう。ああしよう」という積極性に乏しく、自発性が欠けてしまっています。

 

そして、とても依存的です。

 

 

指示待ちの子どもとその親

どうして、そのようなこころの状態になってしまうのか見ていくことにしましょう。

 

ここでは、A子(10歳)という女の子の例を挙げたいと思います。

 

A子の母親は、「子育てが生活の全て」と言っても過言ではないような専業主婦です。

 

とてもよく気が付くし、A子が何かしたいと思うと、すぐにそのことに気づいて、「こうしたいのね。ああしたいのね」と、それをすぐに口に出し、A子の気持ちを先取りしてきました。

 

この母親の「先取り」が、もう当たり前になってしまったA子は、自分が意思表示をする代わりに、母親にそれを悟ってもらうことが当然になっていました。

 

 

親に「先取り」される子ども

実は、A子は幼い頃から、ピアノ・水泳・英語・体操と様々な習い事をしています。母親はA子の将来を心配し、早い段階に、できるだけ色々な経験をさせてあげようと必死でした。

 

一方、A子はいっこうに自分にとって重要な習い事だという気持ちがありません。母親に「ほら、塾の時間よ!早く準備しなさい!」と言われないと行動に移すことができないのです。

 

すべてに対して、母親の先取りが徹底しているため、A子は母親の言葉を耳にしないと、自分の気持ちがはっきりしたものにならず、指示がないと動き出さない、そうしたロボット的なこころの持ち主になってしまったのです。

 

 

指示待ちの子どもはどう育つか

こういった「指示待ち」の子の特徴の一つに、すぐに他人の責任にするというものがあります。

 

自分の意志や考えは、すべて母親や周囲が先取りして表示してしまうため、ひとたび困難や問題が起きた時に「別に私が決めたことじゃないし!」とすぐに責任転換してしまうのです。

 

そして、何事も自分事として考えられないので、常に不平不満を口にしているという特徴もあります。これではいつまでたっても、自発性が育ちようにありません。

 

 

指示待ちの子どもへの接し方

このような「指示待ち」の子どもに対する接し方のコツは、まず子どもが「自分から何かをやりたい」というニーズが起こる、そういう場面をつくることです。

 

「自分からやらなかったら、どうしても困る」

そういう現実に出会うことが、子どもが自分を発揮するためには必要な条件なのです。

 

「自分でやらなかったらどうにもならない」、そういう現実に出会った時、初めて子どもは自分の力を発揮します。

 

要は、母親としての忍耐力が試されるわけですね。これは、子どもの力を信じられることにもつながります。

 

 

そして、一度そういう状況で、自分らしさというものを実感したときには、それ以降、自分の自発的な意欲や意思を大いに発揮するようになります。

 

 

周りの大人の態度が試されている

「指示待ち」の子ども達は、多くの場合、自分から積極的にやらないために、「ダメな子ね」とか、「意気地がない」とか、「怠けている」とか、「無気力だ」とか、いろいろなレッテルを張られてしまったり、非難を浴びせられています。

 

その結果、ますますいじけたり、ひがんだり、自信を失ってしまうのです。

 

まず、彼らのコンプレックスをやわらげ、「自分にも出来るんだ!自分もやらなくちゃ!」という自発的な意欲が発揮されるような、そして、また、自信を回復できるような母親(周囲)の関わりが必要になってくるのです。

 

 

さいごに

今回は、指示待ちの子どもの積極性の育み方について、臨床心理士の先生に解説してもらいました。

 

記事の内容から分かるように、周囲にいる大人が「忍耐力」をもって子どもに接することが大切なようです。まずは、ご自身の子どもの力を信じてあげることからはじめてみてはいかがでしょうか?

 

 

【記事提供】

佐藤文昭 臨床心理士

おやこ心理相談室 室長

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