恋愛コンプレックスを克服するには?3つの心理学視点で臨床心理士が解説

2019.06.06公開 2019.06.28更新

恋愛コンプレックスの3つの心理

恋愛コンプレックスは、ご自身に

“劣等感”

があることで生じやすくなります。

 

劣等感は友だちや家族、学校や職場など、対人場面にて植え付けられることが多いです。例えば、

・友だちと同じ志望校だったのに自分だけ落ちた

・いつも優秀な兄と比べられて自分は親から認められない

・学校や職場でいじめられていた

といった経験は、あなた自身に劣等感を抱かせる原因となります。

 

こういった劣等感があると、自分に自信がないため、恋愛に対しても極度に自信を失い、恋愛コンプレックスになってしまうのです。

 

恋愛コンプレックスが生じる劣等感について、テーマごとに詳しく見てみましょう。

 

1.自分自身に自信がない

ご自身に劣等感があり、解消できていない場合に“恋愛コンプレックス”として現れることがあります。

 

例えば、“容姿コンプレックス”がある場合。

 

自分は髪の毛が薄い…

他の子はみんなカワイイのに自分だけブス…

 

といった強い劣等感は恋愛の妨げになります。

「自分なんかがあの人に好かれるはずがない」

「ふられることが怖くて、告白なんてできない」

といった気持ちにつながっていきます。

 

2.恋愛でとてもつらい経験をしたことがある

過去の恋愛が劣等感となり、次の恋愛を邪魔しているケースもあります。

 

・相手に騙されて借金してしまった

・相手と婚約し、式場もおさえたのに詐欺だった

 

など、大きな心の傷となる場合、

「自分は好きになる相手の本心も見抜けないダメな人間なんだ…」

という劣等感になります。

 

この劣等感が恋愛コンプレックスを生み出すと、

・相手のことが信頼できず監視してしまう

・束縛しすぎる

といった行動につながるケースもあります。

 

3.複雑な家庭環境で育った

ご自身が複雑な家庭で育ち、そのことに対して劣等感を抱いている場合も、恋愛コンプレックスが生じやすいです。

 

例えば、ご自身の両親が共に不倫をしていた場合。

 

「なぜ自分の家族は他の家庭のように普通ではないのか?」

「自分は本当に愛されていたのか?」

 

といったコンプレックスを抱くこととなります。

 

当然、こういった両親への不信感は恋愛に影響を与えます。

・彼も浮気するのかもしれない

・自分なんて愛される価値がないのに付き合ってもらって申し訳ない

など、交際関係に対してネガティブな気持ちを抱きがちになります。

 

 

恋愛コンプレックスを克服するには?

1.内言を視覚化する

人間は常に自分の心と会話をしています。

 

これを心理学では“内言”と呼びます。誰かと声を出して会話するのは外言ですね。

 

この内言は、自分自身の考え方や行動を決めるエンジンのようなものです。

 

(お腹空いたな…)と内言で考えたあと、ご飯を作ったり食事をしたりします。

 

恋愛も同じです。なにか出来事があったあとに内言があるはずです。

 

例えば、

・彼氏の連絡が遅い

(多分他の女の子と会ってるから遅いんだ)などの内言が生じているはずです。

まずはあなたの内言を可視化しましょう。

 

いつもは無意識なので、気づいていない思考の癖を見つけ出すことができます。

 

2.内言が正しいか検証する

次に、その内言が本当に正しいのか検証しましょう。

 

特にネガティブな内言に着目し、

・この考えは本当にあっているのか?

・他の人(友だちなど)なら、どう考えるだろうか?

・以前同じように考えた時、実際にその考えは合っていたか

について考えてみましょう。

 

お友達に聞いてみたり、カウンセラーに相談することも有効です。

 

3.問題が起きなかった時の理由を探す

これまで“問題が起きず上手くいった”恋愛について、

・なぜうまく行ったのか

・その時自分はどのように考え、行動していたのか

を具体的に振り返ってみましょう。

 

恋愛コンプレックスを解消するヒントが隠されているはずです。

 

 

さいごに

恋愛コンプレックスが強ければ強いほど、その背後にはあなた自身のコンプレックスが隠されています。

 

でもこれは決して悪いことではありません。

 

コンプレックスは人生を導くエネルギーです。

 

辛いからこそ、もがいて、コンプレックスを克服し、そしてより大きな理想へ自分自身を導いてくれます。

 

「コンプレックスがある!ラッキー!自分は大物になれるぞ!」

 

くらいの明るい気持ちで大丈夫です。

 

あなたの恋愛コンプレックスに少しでも役立てていただければ嬉しいです。

 

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広瀬絵美

臨床心理士

心理学の大学を卒業後、広告会社にて勤務。退職後、心理系大学院修士課程を修了し臨床心理士資格を取得。精神科病院にて従業員のメンタルヘルスケア業務に従事する。また、国立研究所にて職場組織や妊婦さんのメンタルヘルスに関する研究にも携わっている。理想的な「ワークライフバランス」を目指し、研究と実践の両面から支援を行っている。一児の母。

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2019年6月6日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。