当事者が語る、うつ病の就職問題や今後とは?【ワクイヒトシさん:後】

2016.10.26公開 2017.03.28更新
 
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前回に引き続き、うつ病の当事者でもあり、うつ病予防のための活動をされているワクイさんのインタビュー後編をお届けいたします!

 

うつ病を公表するに至った背景や、療養しながら会社勤めをされていたときの苦労などを伺ってきました。

前編はこちら

 

 

うつ病を隠すつもりはなかった

うつ病に限らず、病気のことを隠したがる人もいると思います。ただ、僕自身は元々、隠すつもりがなかったので、大学の友達にも、うつ病になったということは普通に伝えていました。

 

SNS上では、最初に言う時は抵抗がありました。

 

ただ、僕の負の経験を他の人も経験しないようにする必要があると思ったので、「自分自身が、うつ病でこういう状況だ」ということを正直に伝えていくべきだと思って公表しました。

 

公表してから、SNS上などで同じような境遇の方とコミュニケーションが取れるようになったので、そういった意味では公表して良かったですね。

 

あと、大学の友人がうつ病になった時に、気軽に僕に相談をしてくれたのも、役に立てた気がして良かったなと思いました。

 

 

会社には病気を隠していた

会社には3年間勤めていたのですが、入社してから2年間は、自分がうつ病であるということをずっと黙っていました。

 

なるべく、病気のことを悟られないようなアクションというのを心がけていたのですが、逆に辛かったです。

 

そして、辛くなっても、病気のことを悟られないために、会社へ行かなきゃいけなかったので、悪循環でしたね。

 

社会人3年目になって、睡眠障害でさすがに黙っているのが厳しくなってきて、ようやくそこで、病気のことを当時の部長に打ち明けました。

 

今振り返ってみても、友人には病気を公表している一方で、やはり会社の人には言えない、という葛藤は当時ずっとありました。

 

やっぱり、プライベートと仕事で一線を引いている部分がありましたし、病気のことを告げてクビになりたくなかったので。

 

そういう本音がもとからあったので、何とかして会社に残らなきゃいけないっていう意識がありましたね。

 

 

就職しないという選択肢もあった

僕は大学4年生の時にうつ病を発症して、実はその後、大学院への進学も考えていました。しかし親に相談したら、大学院の学費までは工面できないと言われてしまいました。

 

奨学金などの手段もあったと思いますが、大学院に行くのは、一回会社員を経験して、自分でお金稼いでからでもいいかなと思って就職しました。

 

なので、まずは焦らず、お金を稼いで自分で生活して、貯金もして、という感じで生きていこうと決めました。

 

 

うつ病で働くということ

会社員としては、3年間働いて退職したのですが、僕の実感としては、精神疾患を抱えたまま仕事に就いてしまうと、なかなか難しいことがあると思います。

 

しっかり良くなるまでお休みした方が、後々良いのかなとは思いますね。僕が勤めていた会社では、残業が月に100時間を超えたり、14日連続出勤とかもありました。

 

こういった職場環境では、当たり前ですが、どうしても療養ができず、むしろ状態が悪化してしまいました。僕以外にも、会社を休んだり、辞めていった人を何人も見てきました。

 

会社や職場の環境にもよるとは思うのですが、うつ病の療養しながら仕事をする難しさを実感させられました。

 

 

うつ病になってみないと分からない

うつ病などの精神疾患は、どうしても自分が一回なってみないとわからないという部分もすごく多いと思います。そういった意味で、人に伝えることがすごく難しい病気だと思います。

 

そもそも当事者でもないのに、自分からうつについて勉強しよう、といったモチベーションやきっかけを作ることは難しいですよね。

 

僕は今、うつ病のことを伝えるために活動していますが、うつ病を広く知ってもらえるために、多くの人を上手く動かせないかなということは常に考えていますが、難しさも日々感じています。

 

 

多くの人に理解してもらいたい

うつ病を広く知ってもらいたいという思い、「うつ病予防.com」を始めたきっかけにもなっています。

 

精神疾患に全く興味のない方の興味をそそりたいですね。どのようなアプローチでそれが実現できるか、今模索中です。

 

最近は、SNS上で知り合った精神疾患をお持ちの方にお話を伺ったりとか、当事者間での繋がりやコミュニティは持てるようになってきました。

 

一方で、僕の周りには、「まさか自分がうつ病になるなんて思わなかった」っていう方も多いこともあり、精神疾患に対する社会の認識はまだまだ足りていないように感じています。

 

なので、うつ病じゃない方も、先ほどのようなコミュニティに、いずれは上手く取り込んでいきたいなと思っています。

 

 

命を落としかねない言葉

精神疾患に対する理解は、やはり当事者でないとどうしても難しいと思っていますが、それでも周りの方からの理解はなんとか求めていきたいですね。

 

例えば、「頑張れ」とか「旅に出ろ」「とりあえずやれ」とか、医学的に、うつ病患者に対して、NGな言葉があります。

 

他にも色々あると思いますが、本当に一歩間違ったら、命を落としかねないことを周りの人から平気で言われることがあります。

 

僕はそう言った言葉がNGなんだということを知っていたので、周りの人から色々と言われ続けても、なんとも思わなかったです。

 

しかし、「頑張れ」と周りから言われて、「言われてもできないんだよ」と自己嫌悪に陥ってしまう人も多いと思いますし、むしろそういった反応が自然なのかもしれません。

 

だからこそ、周りの人の理解は重要ですし、不可欠なものと思っています。

 

このような意味でも、社会的にもっとうつ病がどういうもので、どういった接し方をしたらよいか、してはいけないかというを知ってもらいたいですね。

 

 

病気を予防するためにも人に話す

病気を予防するためには、人に話すことが大切だと思います。

 

一人で抱え込むと、どうしても、気持ちも閉じこもってしまう気もします。

 

周りの人に相談する時も、悩みごとに対して回答をもらうのではなく、話をするだけでもいいと思っています。

 

今は、引きこもりなども社会問題としてありますが、うつ病の人にとっても、閉じこもるのではなくて、人と接してコミュニケーションを取っていくことってすごく大切なんじゃないかと実感しています。

 

「人に話を聞いてもらう」ことが予防や治療の第一歩ではないでしょうか。

 

 

回復に大切な3つのこと

僕の知り合いで、うつ病なってから回復されたって方は何人かいます。

 

うつ病と一言で言っても、それぞれ背景は異なるので、答えは一つじゃないと思いますが、共通している点は、皆さん仕事は辞めているということですね。

 

症状が良くなった知り合いの一人は、縁もゆかりもない所に移住して、牧場をやっています。自然に触れて、毎日規則正しい生活送ることで、症状が良くなったと本人は言っていました。

 

その人の話を聞く中で、「生活をガラッと変えてみる」「規則正しい生活リズムにする」「自然に触れる」ことが大切なのではないかなと思っています。

 

私自身、高知に移住して自然に触れるようになって、これから農業も始めますし、この3点を意識しながら、うつ症状の回復を期待しています。

 

 

これからのこと

精神疾患などに関して何らかのサポートをしていきたいと思っています。

 

自分が今、経験していることをどんどんブログなり、SNSで拡散して、他の人が私の二の舞いにならないように、うつ病や精神障害全般について、もっと多くの人に理解を深めていきたいと思っています。

 

・・・・・・・・・・・・

編集後記

周囲の方に理解してもらいたいと思う一方で、なかなか言い出しづらいという、まさに社会の実情を語ってくれたワクイさん。

 

インタビューでもお話がありましたが、ワクイさんは現在うつ病を予防するためのサイト運営もされていますので、そちらもぜひチェックしてみてください!うつ病予防.com

 

 

インタビューを受けてくださる方、募集中です

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【専門家の方へ】

臨床心理士、精神保健福祉士、看護師、保健師、産業カウンセラー、支援機関の職員など、すでに多くの方にインタビューを行っています。ご自身が、有名かどうか、権威かどうかは関係ありません。

 

これまでの経験・取り組みや、ご自身の想いを読者に届けていただき、

Remeのミッションである「こころの専門家へのアクセスの向上」「こころの健康に関するリテラシーの向上」の実現のために、お力をお貸しいただけますと幸いです。

 

ご興味をお持ちいただけましたら、下記フォームよりお問い合わせください。24時間以内にご連絡いたします。

 

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