看護師から心理カウンセラーへ。キャリアチェンジの背景とは?【池上枝里子さん:前】

2016.11.19公開 2017.04.10更新
 
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今回は、看護師を経て心理カウンセラーとして活動している池上枝里子さんにお話を伺ってきました。

 

前編では、池上さんが看護師から心理カウンセラーになった背景や、印象的だったカウンセリングについて話していただいています。

 

 

看護師を経て、カウンセラーに

看護学生を指導した経験から、苦手にしっかりと向かい合って乗り越えて、立派に看護師として成長する学生は当然います。

 

その一方で、せっかく看護学校に入学していても、苦手に向かい合えずに辞めてしまう学生もいました。

 

また、看護師の時にお会いしたある患者さまは、病気のショックから塞ぎこんで、リハビリがなかなか進まないまま転院されてしまったことがありました。

 

その後が気になっていたんですが、ある時に再会する機会があり、自分から進んでリハビリを願い出て、歩行練習をする姿を見せてくれた時に、人の気持ちや心理が、行動に大きく影響するんだと実感したんです。

 

そういった経験から、

 

「人が『なりたい自分』になるためには、心の健やかさが大事なんだ。だから、直接に心のサポートがしたい」

 

と思い、心理カウンセラーになろうと思いました。

 

 

看護師さんを目指した理由

高校卒業して、看護学校に進学をしたんですけど、友達同士でよく、色々な夢とか話したりするじゃないですか。

 

その時に、私がずっと言っていたことが、「人の気持ちに寄り添う様な仕事がしたい」ということだったんです。

 

当時の私の中では、まだカウンセラーという選択肢にピンと来ず、一番に頭に浮かんだのが「保健室の先生」でした。

 

その後、看護師の免許を取ると、保健室の先生になれるということを知り、最終的に看護師というキャリアを選ぶに至りました。

 

ただ、看護師として、患者さんのお話をじっくり聞いたり、看護学校の教員として、学生たちと一緒に考えたりということをしているうちに、「カウンセラーの方が、本当にやりたい仕事なのかもしれない」という思いになり、今の活動に至っています。

 

 

カウンセラーとして独立

看護師の仕事をしながら、カウンセラーの資格を取って、新たな活動をし始めて、活動の幅に広がりを感じ始めた時に、「今でいいかな」というタイミングで独立しました。

 

こんなこと言うと、成り行きで独立を決めたようで、何か志がないように思われそうで、ちょっと心配ではありますが(笑)。

 

個人での活動が増えていく中で、クライアントさんのためにも、そろそろ自分で足付けてしっかりやっていきたいな、という思いが自然と出てきて、カウンセリングルームを開設しました。

 

独立した以上、当たり前と言ったら当たり前なんですけど、自分で全部判断してやっていくというところであったり、マネジメントなど、独立する前よりも、色んな面で責任を感じることが増えました。

 

その分、自分の意志というか、「好きなようにやっていくこともできる」ということも少しずつ感じ始めているタイミングではあるので、これからより、活動が充実していければいいなと思っています。

 

 

カウンセリングの役割

クライアントさんの問題が改善されるタイミングが、カウンセリング初回だったら、クライアントさんにとって嬉しいことなのかもしません。

 

しかし、現実的になかなかそうはいかないですし、そもそも1回目のカウンセリングは、まずクライアントさんの悩んでいることを見立てるための場であったりします。

 

実際、カウンセリングを重ねていくと、クライアントさんご自身が解決に向かって自らお話しされるタイミングがあるんですね。

 

もちろん、カウンセリングの回数を最初から決めて行うこともありますが、変わるタイミングは、クライアントさんそれぞれです。

 

そのため、カウンセラーの役割として、クライアントさんがご自身の中で変わっていくタイミングを待つという部分もあるのかなって思いますね。

 

 

変わるタイミング

クライアントさんが変わるタイミングにみられる傾向はあります。

 

たとえば、昔から抑えていた感情や、見ないようにしていた過去の出来事、あとは、自分の肩書や役割に対する本音とかが、ぽんとクライアントさんの口から出てきたときでしょうか。

 

よく「受容」という言葉でも表現されますが、様々な話をしっかり受け止めた上で、いろんな角度で話を伺って、ポイントになる言葉が出てきた時には、丁寧に確認することを繰り返していきます。

 

良い方向への変わり方は人それぞれではありますが、クライアントさんが納得できるまで、じっくりと関わりたいなっていう思いはすごくあります。

 

 

印象に残るカウンセリング

最初にお会いした時、ほとんどお話をすることができないようなクライアントさんがいました。

 

ところが、カウンセリングが3回目になったとき、これまでの無表情で無口な様子がガラッと変わり、すごく満面の笑みで、「実は私こんなことがあったんだ」って話してくださったんです。

 

それまでは、顔を全部ガードする形で、常にマスクをして、すごく距離を感じていたのですけど、3回目のカウンセリングの時は、自分でマスクを取ってくださっていました。

 

こちらから質問を投げかけても、「この部分はまだまだだな〜」と言いながら、「でもこんな風にしてるんだ」とか、「こんなこと頑張ってるんだ」とか、とても前向きな言葉が増えていました。

 

最後には、すごく笑顔で「自分は今後こういうことしていきたい」と話されたのを聞いた時、最初お会いした時とのギャップがすごく大きかったこともあり、とても印象に残っています。

 

カウンセリング当初は、私はほとんど聞くことしかしてなかったですが、キーポイントになるところでは、色々質問は投げかけていました。

 

そういった一連のカウンセリングが、クライアントさんの良い変化のきっかけになったのかなと感じた時にはすごく嬉しかったですね。

 

 

言葉では表現できない気持ちに寄り添う

クライアントさんは、言葉では表現できない気持ちを一所懸命に表現しようとしています。

 

ですので、クライアントさんが、これまで思ってきた気持ちのまま、カウンセラーである自分も感じていくことを大切にしています。

 

もちろん、自分はクライアントさんとは違う人間なので、同じようには感じないんですけどね。

 

だからこそ、辛い出来事だったり困難な状況だったり、時には嬉しいことも含めて、どんな風にこの方は思われたんだろうなということを表情を見たりしながら、感じていくところに神経を注いでいます。

 

 

【後編を読む】

期待しないけど希望は持つ。療養中の人やその家族に伝えたいこと

 

 

インタビューを受けてくださる方、募集中です

臨床心理士、精神保健福祉士、看護師、保健師、産業カウンセラー、支援機関の職員など、すでに多くの方にインタビューを行っています。ご自身が、有名かどうか、権威かどうかは関係ありません。

 

また、精神疾患などの当事者の方、メンタルヘルスや人間関係でお悩みの方などのインタビューも行っております。

 

これまでの経験・取り組みや、ご自身の想いを読者に届けていただき、Remeのミッションである「こころの専門家へのアクセスの向上」「こころの健康に関するリテラシーの向上」の実現のために、お力をお貸しいただけますと幸いです。

 

 

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