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対人恐怖症たいじんきょうふしょう

2016.07.05公開
2017.03.16更新

対人恐怖症とは

対人恐怖症とは、周囲の人から見られている自分というものを強く意識してしまい、どのように思われるか不安を感じて、人との接触を避けようとしてしまう症状のことです。

 

そのため、日常生活や人間関係に支障をきたします。学校や職場などの関係が続くような相手に対して強く症状が現れます。反対に家族などの何があっても受け入れてもらえるような関係性の場合は症状は出ません。

 

見た目はごく普通にしており、会話もするため、周囲からは緊張しているということに気が付かれない場合が多いです。

 

 

対人恐怖症の初期症状

症状の初期には、学校や職場での知り合いとの会話で緊張してしまう、コミュニケーションの取り方が分からなくなる、他人の視線が気になるといったことが生じます。

 

また、日常会話では特に問題はないものの、大勢の人の前で話すときに頭が真っ白になったりします。

 

その後、顔が赤くなったり、汗をかくようになり、その状態を人に見られるのが恥ずかしい、という気持ちを感じるようになります。

 

これらの症状によって日常生活や対人関係に支障をきたし始めたとき、対人恐怖症の可能性を疑い始めます。

 

社会不安障害のセルフチェックはこちら

 

 

対人恐怖症の原因

原因はさまざまにありますが、その人本来の性格も一つの要因であると言われています。真面目、神経質、元々人見知りが激しいタイプであったという人は対人恐怖症になりやすいでしょう。

 

また、失敗に対して、何らかのフォローを得られなかったような環境で育つと自分に自信が持てなくなります。

 

そのような人が、ちょっとしたミス(例えば大勢の前でのスピーチで言葉が詰まった、質問されたときに答えが思い浮かばなかったなど)を大きな失敗と捉えてしまい、発症するといったこともあります。

 

 

対人恐怖症の克服法

まずは、無理に人の輪に入ろうとしなくてもいいと心の中にとどめておきましょう。あまり無理をしないことが大切です。イメージトレーニングも有効でしょう。

 

自分が人と楽しく話している光景や、大勢の前でしっかりスピーチをしている様子を想像しましょう。もしも、対人恐怖症症状によって日常生活に支障が出るようであれば、早めに精神科への受診をしましょう。

 

精神療法を利用することも一つの手でしょう。精神療法によって、不安に対する付き合い方が変化していき、対人恐怖が低減してくからです。

 

 

対人恐怖症の人との接し方

対人恐怖症についての知識を身につけていくことは重要であると思います。対人恐怖症を抱える方は対人関係において非常に不安を感じているからです。

 

そのような不安感や恐怖心を理解しようとする姿勢によって、分かってもらえているという安心感が生まれます。また、対人恐怖により生じる不安や怖さについてじっくりと耳を傾けることも大事になります。

 

「人前で話すことは誰でも緊張するから」と、励ましのつもりで言った言葉も、患者さんの孤独感を増長させてしまうことにつながりかねないため控えた方がいいと思われます。

こころ百科 監修
杉山崇

杉山崇

臨床心理士

神奈川大学人間科学部 教授
学習院大学大学院人文科学研究科修了。精神科、教育委員会、産業カウンセリングなどで20年あまり心理職を務める。日本学術振興会特別研究員、山梨英和大学准教授などを経て、2013年より現職。

神奈川大学人間科学部 教授
学習院大学大学院人文科学研究科修了。精神科、教育委員会、産業カウンセリングなどで20年あまり心理職を務める。日本学術振興会特別研究員、山梨英和大学准教授などを経て、2013年より現職。

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