適応障害てきおうしょうがい

2016.07.05公開
2017.03.16更新

適応障害とは

適応障害とは、抑うつ状態や怒り、倦怠感などの情緒的な症状、または、じんましんや慢性頭痛、免疫系の不全、自律神経失調症などの身体的な症状が伴う障害です。

 

本人の価値観や生き方、個性と置かれている環境や求められる役割の不一致が長く続くことで発症します。

 

日常的に感じる不快感や違和感が積み重なって症状化するものなので、目立つ症状は人それぞれです。病気ではなく、個人と環境のミスマッチが背景にあるので、克服や解消が難しいのが現状です。

 

 

適応障害の初期症状

初期症状として、仕事やプライベートなど、生活場面の中で強い不快感を覚えることがほとんどです。本人が自覚できないレベルの不快感である場合もあります。

 

不快感が積み重なると、情緒面に影響が出やすい人は不眠に陥ることもあります。これは眠りにつこうと何もしていない時に不意に日常の不快な場面、違和感が強かった場面を連想してしまうためです。

 

飲酒の習慣がある人は飲酒量が増えることもあります。身体に症状が出やすい人は何らかの軽い体の不調が初期症状である場合もあります。

 

 

適応障害の原因

適応障害の原因は、個人と環境のミスマッチが根本的にあります。

 

今の環境に至るまでに、自分自身の人生や役割に対する心の整理がついていない場合、譲れない価値観がある場合、持って生まれた特性や個性と辿り着いた環境や立場が咬み合わない場合、などが個人的な要因です。

 

今の環境を本人が頭では納得している場合でも、深層心理的には納得できずに無意識的に拒否している場合もあります。

 

環境の要因としては特別な振る舞いや態度が求められる特殊な立場になった、本人がついていけないような急激な環境の変化があった、などが挙げられます。

 

 

適応障害の克服法

本人に無理のないように環境を整える余裕が有る場合は、本人の個性に配慮して環境要因を変えていったほうがお互いに楽な場合もあります。

 

しかし、環境を整えたり、変えるような余裕が無い場合は、個人的な要因を変えられないか検討することも重要です。

 

特に、頭では納得していても、深層心理が今の環境を拒否している場合は、自分自身のあり方を考えなおすカウンセリングや心理療法が有効です。

 

どちらも困難な場合は、医師に症状を緩和するために投薬を受ける、ストレス解消を充実させるなどで症状を緩和して、環境の変化を待つか、環境そのものを変えることも必要になります。

 

 

適応障害の人との接し方

個性をどこまで許容できるかで周囲が悩むことがあります。個性の許容範囲は社会や文化、業界、企業、あるいは家庭ごとに異なりますし、人それぞれで考え方が違う場合もあります。

 

個性として許容できる範囲の基準が関係者ごとに異なると本人も周囲も混乱してしまうので、関係者で話し合っておくことが重要です。

 

その上で本人に許容できる範囲を示し、サポートできること、できないこと、本人に努力を求めたいことを伝え、今後のことを話し合うことが重要です。

こころ百科 監修
杉山崇

杉山崇

臨床心理士

神奈川大学人間科学部 教授
学習院大学大学院人文科学研究科修了。精神科、教育委員会、産業カウンセリングなどで20年あまり心理職を務める。日本学術振興会特別研究員、山梨英和大学准教授などを経て、2013年より現職。

神奈川大学人間科学部 教授
学習院大学大学院人文科学研究科修了。精神科、教育委員会、産業カウンセリングなどで20年あまり心理職を務める。日本学術振興会特別研究員、山梨英和大学准教授などを経て、2013年より現職。

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