統合失調症とうごうしっちょうしょう

2016.07.05公開
2017.06.12更新

統合失調症とは

統合失調症とは、さまざまな情報や刺激に敏感になり、無意識下でコントロールしている複数の精神機能の統合が障害された状態です。

 

精神機能間のネットワークがうまくいかなくなるので、現実とはことなる異常体験をすることがあります。多くは場面に応じた感情や思考のコントロールがうまくいかなくなります。

 

日本人の約100人に1人の人がかかるといわれているほど代表的な精神疾患です。また日本では、平成14年まで精神分裂病と呼ばれていました。

 

精神的に一番不安定になりやすいとされている時期である思春期から青年期の10代後半から30代での発症が特に多くみられます。

 

 

 

統合失調症の初期症状

初期症状は、自分で考えようとしていないのに、もしくは考えたくないのにも関わらず、次々と考えが浮かんできて他のことに集中できなくなることが挙げられます。

 

また、些細な物音や少し大きな音にとても敏感に反応してしまうこともあります。常に誰かに見られている気がしたり、緊張したような状態で常に気を張った状態になったりしてしまうことなども多いです。

 

これらはどれも、本人にしかわからない症状であり、周りの人が気付けないことの方が多く、誤解されてしまうような時もあります。

 

統合失調症は、早期発見・早期治療が効果的な病気です。しかし、初期症状の軽いものであれば、誰でも経験をしたことがあるようなことなので、本人も周りも気付くことが困難なのが実情です。

 

 

統合失調症の原因

統合失調症の原因は、脳の情報集約の不調とストレスが重なることと言われています。

 

「巣立ちの病」とも言われることがあり、思春期から青年期の自立関連のストレスがきっかけになることが多くみられます。

 

普段の生活の中でのストレスや、ライフイベントの失敗などから精神的に負担が大きくなります。また、遺伝や性格、養育環境なども関係があるとされています。これらのすべてが合わさって起こるものだと考えられます。

 

何か大きなきっかけがあってというよりは、毎日の生活の中でのストレスが溜まってしまい、気付いた時には限界が来てしまい発症することが多いようです。

 

 

統合失調症の克服法

治療法は、抗精神治療薬の薬物療法や精神科リハビリテーションなどがあります。薬物療法の場合だと、薬をやめると再発してしまうことが多いため、リハビリテーションと同時に行うことが有効だといわれています。

 

また、リハビリテーションは本人だけではなく、治療者の家族など周りにもケアがあるため、より本人にも治療、さらに再発防止にも有効であると考えられています。

 

また、症状によっては社会から少し遠ざかって休憩する環境が必要な場合と、社会のリズムに合わせるように環境から遠ざかりすぎない方がいい場合があります。

 

この判断は、本人や家族にはできないので、異変を感じたときには専門機関にかかることが大切です。

 

 

統合失調症の人との接し方

統合失調症の人は、幻覚を見たり幻聴を聞いたりして変わったことを言ったりすることがあります。

 

また、無気力で何を話しかけても答えてくれなかったり、話をしているのにほかの所に集中がいってしまったりすることがあります。

 

そのようなときに、注意したり、症状だからしょうがないと思ったりするのではなく、大きな反応をせず、じっくり話を聞いてあげることが重要です。

 

家族の場合だと、甘やかしすぎてしまうことがありますが、それはあまりいいことではありません。小さな目標をたてたり、やるべきことを与えたりすることで一定の距離を保ち続けることが回復へつながります。

 

統合失調症は精神疾患の中でも、特に家族や周りの接し方が回復するポイントになります。批判したり、大げさに態度を変えたりして、刺激を与えてしまうと余計に悪化してしまいます。

 

統合失調症の症状はゆっくりとしか治らないので、本人のペースに合わせて長期的にあせらないことが大切です。

 

1人で本人と向き合うのではなく、家族や周りのみんなで協力しながら支えていくことが重要です。

 

こころ百科 監修
杉山崇

杉山崇

臨床心理士

神奈川大学人間科学部 教授
学習院大学大学院人文科学研究科修了。精神科、教育委員会、産業カウンセリングなどで20年あまり心理職を務める。日本学術振興会特別研究員、山梨英和大学准教授などを経て、2013年より現職。

神奈川大学人間科学部 教授
学習院大学大学院人文科学研究科修了。精神科、教育委員会、産業カウンセリングなどで20年あまり心理職を務める。日本学術振興会特別研究員、山梨英和大学准教授などを経て、2013年より現職。

// //
// //
シェア
ツイート
はてブ
お気に入り
共感
18
// //

関連記事