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依存症いぞんしょう

2016.07.05公開
2017.03.16更新

依存症とは

恋愛依存、薬物依存、買い物依存、ギャンブル依存、共依存、などさまざまな依存症がありますが、生きるためにも生活の維持にも、「必然性のない何か」に刺激を求めて依存することを総称して依存症と呼びます。

 

何に依存するかはその人の性格や生活環境によって変わりますが、共通点はその依存対象に接近することで普段の暮らしでは味わえない刺激を得ることができることです。

 

その刺激を脳が快楽と認識するようになって、本人の意志ではコントロールを失うと依存症と呼ばれます。

 

 

依存症の初期症状

誰でも何かにある程度は依存しているものです。人は何かに支えられて生きていけるのですから、依存そのものは必要なことです。

 

問題はその依存によって、自分または誰かの生活が脅かされることです。

 

例えば、自尊心の低い女性が、だらしのない男性のお世話をすることに生きがいを見出して、その男性がアルコール依存などになった状態を共依存と呼びますが、必要以上に男性の世話を焼いて、男性のだらしないところが拡大し始めた時点で初期症状の一つと言えます。

 

 

依存症の原因

慢性的に寂しさを抱えていることが原因の一つです。

 

寂しさや虚しさは明らかな苦痛や不都合ではないので、その対策の立て方を教わりません。

 

現代社会では寂しさや虚しさを訴えるのは「甘えだ」とか、「自律出来ていない」と批判的に見られることもあるので、一人で抱えてしまいがちです。

 

そんな中で、寂しさが慢性化し、それを埋めるために刺激のある何かに依存するようになるのです。

 

同じ刺激を繰り返し受けるうちに脳がその刺激を求めるようになると、依存をコントロールできなくなって生活の破綻につながるのです。

 

 

依存症の克服法

自分でコントロールできる範囲の依存で収まっている間なら、自分がなにを求めているのか自己理解を深めてください。

 

今の依存対象が、その求め方として適切ならコントロールできる範囲で続けていただいて、もっといい依存対象があるなら、依存するものを変えてみるのも一つです。

 

すでに自分でコントロールできる範囲を超えているのであれば、まずは依存症であるという自覚を持ったうえで、生活を家族や専門家などの協力者に徹底的に管理してもらって、生活習慣そのものから見なおしましょう。

 

依存対象に頼りきらない生活習慣が定着すれば、依存症を乗り越えられます。

 

 

依存症の人との接し方

脳が依存対象を求めるようになってしまっています。これは本人の意志を超えたものなので、「だらしない」「みっともない」「かっこわるい」と本人の自尊心を必要以上に損ねる関わり方は控えましょう。

 

大切なことは新しい生活習慣を身につけることと、その前提としての生活を変える意欲を育てることです。もともと依存しやすい人は主体的に意欲を生み出す力が弱いことも多いのです。

 

新しい習慣を身につける意欲をどうすれば育ててあげられるのか、イライラせずにゆっくりと付き合ってあげてください。

こころ百科 監修
杉山崇

杉山崇

臨床心理士

神奈川大学人間科学部 教授
学習院大学大学院人文科学研究科修了。精神科、教育委員会、産業カウンセリングなどで20年あまり心理職を務める。日本学術振興会特別研究員、山梨英和大学准教授などを経て、2013年より現職。

神奈川大学人間科学部 教授
学習院大学大学院人文科学研究科修了。精神科、教育委員会、産業カウンセリングなどで20年あまり心理職を務める。日本学術振興会特別研究員、山梨英和大学准教授などを経て、2013年より現職。

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