新型うつ病しんがたうつびょう

2016.07.05公開
2017.03.29更新

新型うつ病とは

従来、うつ病になる方々は、真面目な性格、人を気遣うといった特徴がありましたが、このような特徴をもたない若年層のうつ病が見られるようになりました。

 

このタイプのうつ病の方は、他責的、会社組織の一員であるという連帯感を避けがちで、プライベートを大切にしていきたいという考えが強いです。

 

また、他人の些細な言動に傷ついてしまいやすいという特徴も持っています。

 

また従来のうつ病では、一日中憂うつな気分が続くのに対して、新型うつ病では、遊びや趣味活動を行っている時は楽しめるという様子も見られます。

 

 

 

新型うつ病の初期症状

「会社の上司に叱られた」「仕事上で些細なミスをした」等で憂うつ、気分が晴れないといった抑うつ症状を呈します。そこから、体が鉛のように重いという身体症状や眠くて仕方がないというような過眠が現れます。

 

そのため、学校や会社に行かれないことも出てきます。鉛様麻痺も仮眠も自分ではどうにもならないことですが、周囲からは怠けているように見えてしまいがちです。

 

他人の言動に傷つきやすいという特徴を持っているため、そのような怠けに見える状態に対し、非難めいた言葉がけを行うとひどく傷つき、症状を悪化させます。

 

一方で、「友人と遊びに行く」「旅行に行く」等自分の好きな事であれば元気になり、うつ症状が改善します。

 

うつ病のセルフチェックはこちら

 

 

新型うつ病の原因

新型うつ病になりやすい傾向として、ストレスへの弱さが挙げられます。他人からの非難を過敏にとらえてしまいやすいため、ストレスを感じやすくなります。

 

例えば会社での些細なミスに対する上司の指摘は、単にミスを事前に防止しようとしているとか、ミスを伝えることで今後の仕事への糧にしてもらいたいと考えているのかもしれません。

 

しかし、そういった指摘を非難ととらえ、自分自身を否定されたかのように感じてしまいます。

 

新型うつ病に罹る方の多くは子どもの頃より成績優秀で「良い子」であり、プライドが高い部分を持っていますが、内心、自信が持てない事が多くあります。

 

また、人の目を気にしやすい性格傾向であることも相まって、少しの注意も大きくとらえ、落ち込んでしまいます。

 

 

新型うつ病の克服法

従来のうつ病とは異なり、抗うつ薬が効きづらいため、カウンセリングが有効であると考えられます。

 

カウンセリングの中で、自分の考え方を検討していき、ストレスが生じやすい考え方を、ストレスの生じにくい考え方へ変化させていくことが重要となります。

 

また、ご本人が望むのであれば、環境調整をしてくことも一つの手です。

 

精神科の医師に協力を仰ぎ、会社の上司に症状を説明してもらったうえで、ご本人を交えて会社側に改善できる点がないか話し合うことで、上司とのコミュニケーションが密にとれ、症状の改善につながるでしょう。

 

 

新型うつ病の人との接し方

従来のうつ病では、励ましはしないようにと言われてきましたが、新型うつ病の場合は適切な励ましは患者さんにとって良い刺激となるでしょう。

 

拒絶に対する過敏さもみられるため、うつ病であるからと言って腫物を触るような接し方をすると、余計に症状を悪化させてしまいます。

 

そのため、「気にかけているよ」というメッセージを送り続けることで気持ちが落ち着き、症状の改善につながるでしょう。

 

また、楽しいことがあると気分が明るくなるという症状から、怠けや甘えと思われる方々も多くいらっしゃると思います。

 

周囲の方は、そのような気分反応性は新型うつ病の症状なのだと知っておくことで、気持ちに余裕をもって患者さんと関われるのではないでしょうか。

こころ百科 監修
杉山崇

杉山崇

臨床心理士

神奈川大学人間科学部 教授
学習院大学大学院人文科学研究科修了。精神科、教育委員会、産業カウンセリングなどで20年あまり心理職を務める。日本学術振興会特別研究員、山梨英和大学准教授などを経て、2013年より現職。

神奈川大学人間科学部 教授
学習院大学大学院人文科学研究科修了。精神科、教育委員会、産業カウンセリングなどで20年あまり心理職を務める。日本学術振興会特別研究員、山梨英和大学准教授などを経て、2013年より現職。

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